《雹》の正しい読み方
「雹」の正しい読み方
「雹」の正しい読み方は、「ひょう」である。雲や、雪の他にも、霰・霙・霧・靄・霞・霜など、雨かんむりが付き、気象現象を表す漢字はいろいろとあるので、読み方を混同しやすい。霰は「あられ」、霙は「みぞれ」、霧は「きり」、靄は「もや」、霞は「かすみ」、霜は「しも」と読む。
「雹」の意味解説
「雹」とは、主に5月~6月の頃に、積乱雲から降ってくる氷の粒である。氷の粒でも、大きさが直径5mm以上のものを「雹」という。時には、こぶしくらいの大きさのものもある。ちなみに、5mm以下のものは「霰」と呼ばれている。雹が降る時の天気は雷雨であることが多い。「雹」は、おもに初夏に降るので、夏の季語となっている。また、「雹」という漢字は、常用漢字表には載っていない表外字なので、NHKでは、放送する際に「ひょう」と記している。「雹」という字の一部分である「包」には、「包む、丸くまとめる」という意味がある。雹の丸い形状を説明するためにこの字が使われた。丸くまとまった氷の粒というわけである。
なぜ「雹」を「ひょう」と読むのか・理由
「雹」を「ひょう」と読む理由は諸説あり定かでない。たとえば、雹や霰(あられ)は総称して「氷雨(ひさめ)」と呼ばれたり、雹は特に「氷(ひ)」と呼ばれたりもした。この「氷」の字(の音読みである「ヒョウ」)が、「雹()ヒョウ)」に通じているのだろう、とする見解がある。
「包」は基本的には「ホウ」と読む(たとえば包装=ホウソウ)。これは漢音である。「包」には、呉音で「ヒョウ」と読む読み方もある。このため、偏旁に「包」を含む「雹」も「ヒョウ」と読むようになった、という説もある。
「雹」の類語・用例・例文
大気中の水蒸気の形態が変化し、空から降ってくるものと考えると、「霰・氷雨・霙・雪」は、「雹」の類語だ。霰と雹はサイズが違うだけだ。霰のほうが小さい。氷雨は、雹や霰のことだ。また、秋に降る冷たい雨を指す場合もある。霙は、空中でとけかかった雪が雨とまじって降るものだ。雪は、大気中の水蒸気が冷えて出来た細かい氷の結晶である。- 《雹》の正しい読み方のページへのリンク