《頂けると幸いです》の敬語
「頂けると幸いです」の敬語表現
「頂けると幸いです」は「もらう」「食べる」「飲む」の謙譲語である「頂く」と「幸せ」という単語に丁寧語の「~です」を使った表現です。謙譲語とは自分の立場をさげて、相手の立場に敬意を払うときに使う言葉です。まず「頂く」という言葉は、食べ物を作ってくれた人に対して「食事を頂きました」と敬意の払いうときに日常的でよく使われます。また「賞賛の言葉を頂きました」といった物のほかにも評価を受けたときにも使われます。「頂けると幸いです」の敬語表現は、謙譲語の「頂く」に丁寧語「ます」をつけて「頂けますと幸いです」で表現できます。「頂けますと幸いです」は「もらえるとうれしい」を意味します。
「頂けると幸いです」の敬語の最上級の表現
「頂けますと幸いです」の最上級の表現は「頂きたく存じます」です。「頂きたく存じます」は「頂く」と「存じる」といった2つの独立した謙譲語を使い、「何かがほしい」「何かをしてほしい」を強調して表現します。「頂きます」と1つの謙譲語で表現するよりも「頂きたく存じます」と2つの謙譲語で表現した方が、より丁寧な言い方になります。また「頂きたく存じます」は2重敬語(1つの単語に対し同じ種類の敬語を2つ使う)になりません。理由は「頂く」と「存じる」は、それぞれ同じ種類の敬語としては扱わないからです。「頂けると幸いです」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「頂けますと幸いです」をビジネスで使う場合の例は以下です。「美味しく頂けますと幸いです」と表現します。はじめて参加する食事会についての意気込みを伝えるときに使います。次に「アドバイスを頂けますと幸いです」と表現します。経験がないことや自分のミスなどにより、アドバイスを受けたい時に有効です。
手紙での「頂けますと幸いです」を使う例は以下です。
社内で希望者に渡すチケットをまとめて一括で郵送したい場合に手紙のやり取があります。講演会のチケットがほしいかどうか意思表示をする手紙が届く場合です。
「ほしい、ほしくない」の意思表明をして期限内に手紙で返信にするとき、「頂けますと幸いです」を使います。
「講演会に参加したく存じます。チケットを頂けますと幸いです」とチケットがほしい旨を手紙で返信します。
「頂けると幸いです」を上司に伝える際の敬語表現
「頂けますと幸いです」を上司に丁寧に伝える場合は、例えば「(ご一緒に)食事が頂けますと幸甚です」と表現します。「幸い」を丁寧にした言葉にした「幸甚(こうじん)」は「何よりの幸せ」を意味します。「幸甚」はかなりかしこまった敬語であるので、同僚や部下ではなく上司など目上の人に使います。古くは手紙の結びに使われていた「幸甚」は、お堅い印象を与えやすいです。現在では「幸甚」の使い方に、はっきりとしたルールはないとしてもメールや文章で見かけることはあります。「送付ファイルを頂けますと幸いでございます」と表現します。上司が、資料を提出し忘れているときになど有効です。上司の提出物の忘れのミスを、かなり遠回しに指摘して提出してもらえたら嬉しい旨が伝えやすい。
「勉強のため、おしかりの言葉を頂けますと幸いです」と表現します。しかる側の上司の方も少し手を抜きたくなる表現です。またしっかり使い分けないと、まどろっこしくなり嫌味っぽくも聞こるので注意しましょう。
最後に、「頂く」はクッション言葉との相性がいいので、上司など目上の人にはよく使われます。クッション言葉とは、一言付け加えると後の表現がやわらかくなります。「ご迷惑をおかけしますが、アドバイス頂けますと幸いです」と表現します。上司も忙しので、いちいち部下のアドバイスに時間を使いたくないものです。クッション言葉の「ご迷惑をおかけしますが」を使いやわらげてから、アドバイスがほしい旨を伝えると効果的です。
「頂けると幸いです」の敬語での誤用表現・注意事項
「頂く」はよく使う一方で誤用も多い表現なので、使い方には注意しておくとよいでしょう。まず「事務所まで、来て頂けますと幸いです」は間違いです。「事務所まで、来ていただけると幸いです」が適切です。漢字表現の「頂く」は「食べる」「飲む」「もらう」の謙譲語として使います。ひらがなで表記する「~していただく」は補助動詞として使うのでよく間違が多いいので注意しましょう。補助動詞とは、本来ある動詞としての意味を持っていません。「事務所まで来る」の「来る」を補助するだけなので「いただく」とひらがな表記にするのが適切です。次に「電話番号を頂けますと幸いです」は間違いです。電話番号そのものは「もらう」ものではないので、「頂けます」が使えません。「電話番号を伺えますでしょうか」適切です。ビジネスシーンでは、しょっちゅうある間違いとして有名です。
「頂けると幸いです」の敬語での言い換え表現
「頂けますと幸いです」の言い換え表現としては、「幸甚に存じます」「幸いに存じます」「頂けると助かります」があります。「お褒めの言葉を幸甚に存じます」、「ご都合をお伺いできれば、幸いに存じます」および「USBメモリーを頂けると助かります」というように言い換えて表現できます。- 《頂けると幸いです》の敬語のページへのリンク