《頬》の正しい読み方
「頬」の正しい読み方
「頬」の読み方は基本的には「ほお」、もしくは「ほほ」である。「つら」と読むこともある。漢字の音読みとしては「頬」は「キョウ」と読む。多くの場合「頬」の読み方は「ほお」と表記されるが、「ほほ」と表記される場合もある。どちらの表記も正しい。「ほほ」と表記して「ほお(hoo)」と読む場合もあれば、「ほほ」と表記して「ほほ(hoho)」と読む場合もある。
「頬紅(ほおべに)」や「頬杖(ほおづえ)」などの語では「頬(ほお)」の読みが定着していり、「ほほべに」とは読まれない。
「頬白鮫(ほほじろざめ)」は、学術的には「ホホジロザメ」の名で登録されているが、一般的には「ホオジロザメ」と表記されることが多い。
「逆頰」は「さかつら」と読む。逆毛に毛を立てた毛皮のことである。
「緩頰」は「かんきょう」と読む。頬が緩む、表情が穏やかになるさまを指す。
「面頬」は「めんぽお」と読む。顔面を覆って保護する武具を指し、甲冑の頰当て(ほおあて)、もしくは剣道において頭にかぶる防具を指す。「頬」が「ぽお」になるのは熟字化に伴う半濁音化のため。
「頬辺」は「ほおべた」「ほっぺた」「ほっぺ」と読む。「頬」が「ほっ」になるのは熟字化に伴う促音便。
「頬」の意味解説
「頬」とは、動物の顔の側面のことである。そして、人の顔の両側面、目または耳の下から、あごに至るまでの範囲を指すことが多い。人の頬は柔らかい組織でできている点が特徴的であり、食べ物を口に含んだり、怒りを表して口腔内に空気を溜め込んだりした際に、大きく膨らむことができる。また、毛細血管が張り巡らされている部分でもあるため、感情の高まりによって血行が良くなり、赤く染まるという性質もある。なぜ「頬」と読むのか・理由
古代の日本では、「頬」は「ほほ」と表記された。ただ、古語を現代語の読みに変える場合、単語の先頭ではないハ行は、ワ行の読みとなる。その法則に従うと、「にほひ」は「におい」となり、「なほ」は「なお」となる。そして、「ほほ」の場合は、先頭の「ほ」は変わらず、後ろの「ほ」だけが「お」の読みに代わる。したがって、「頬」の現代語の読みは、「ほお」である。しかし、古語の表記をそのまま読んだ「ほほ」という読みも、一般的に広く使用されたため、間違いではないとされている。また、「つら」に関しては、顔を意味する「面(つら)」の読みが、そのまま「頬」の当て字になった可能性が高い。- 《頬》の正しい読み方のページへのリンク