《貸借》の正しい読み方
「貸借」の正しい読み方
貸借の正しい読み方は「たいしゃく」だ。貸借の貸は、訓読みで「か」、音読みで「たい」という読み方がある。一方の借には訓読みで「か」、音読みで「しゃく」という読み方があり、それぞれの音読みを用いて「たいしゃく」と呼ぶのだ。熟語のなかには音読みと訓読みを組み合わせる「重箱読み」や「湯桶読み」などもあるが、貸借のことを「かしゃく」や「たいか」などと呼ぶことはありえない。あまり難しく考えず、どちらも音読みで「たいしゃく」と読むとよいだろう。「貸借」の意味解説
貸借は物や金品などを借りることを意味する。貸借という熟語を構成しているのは、「貸す」を意味する「貸」と「借りる」を意味する「借」の2語だ。つまり、本質的には貸したり、借りたりを意味する言葉なのだが、実生活においてはどちらかというと借りる立場の人が使う機会が多い。また、貸借は物やお金の権利を譲り渡したわけではなく、あくまでも借りるという意味を持っている点にも注意が必要だ。つまり、売却や譲渡などと違い、権利そのものは貸主にあることに変わりはなく、借主側は一定期間経過後に借りたものを返す義務を負っているのが一般的だ。なぜ「たいしゃく」と読むのか・理由
貸借を「貸借」と読むのは、それしか読み方がないからである。使用されている漢字の訓読み同士を用いれば「かしかり」と読むこともできるが、その場合は送り仮名が必須となる。つまり、「貸し借り」だ。送り仮名のない「貸借」と表記されている場合は、音読みして「たいしゃく」と読むと覚えておくとよいだろう。「貸借」の類語・用例・例文
貸借の類語には、「賃貸」や「融通」「貸与」などがあるが、いずれの意味も微妙に異なる点には注意したい。賃貸は貸借と同様に物の貸し借りで使用される言葉であるが、必ず賃料が発生するという点で貸借とは異なる。また、融通や貸与は貸し与える側の視点に立った言葉であり、貸し借り双方の当事者が同等の立場である貸借とはニュアンスが異なるので気を付けたほうがよいだろう。貸借を使用した例文としては、「住宅ローンを利用するために、銀行と金銭消費貸借契約を結んだ」「この度、知り合いの農家に畑を借りるにあたって使用貸借契約を結んだ」などが挙げられる。住宅ローンを組むにあたっては、借りたお金を必ず返すことを意思表示するための契約書の作成が必須だが、その際にも貸し借りがあったことを示す「貸借」の文字が使われている。なお、使用貸借契約とは、借主に無償で土地や物などを使用することを認める契約のことだ。貸借の言葉の意味として、無償か有償かは含まれていないため、金銭の授受を伴わない貸し借りの際にも使われている。
「貸借」の英語用例・例文
貸借の主な英語訳は住宅ローンやマイカーローンなど、日本語としてもよく使用されている「loan」である。「loan」を用いた例文として挙げるのは「I make a home loan(私は住宅ローンを組んでいる)」だ。ただし、英語の「loan」は金銭の貸し付けによって利息の支払いが生じる契約の際に使用される言葉である点には注意したほうがよい。単に物を借りているだけのときには、「I borrow a thing from a friend(私は友人に物を借りている)」のように「borrow」を使用することもある。また、日本語で貸借が含まれる貸借対照表は、英語表記では「balance sheet」になるなど、言葉の持つ意味で適切な英訳が異なることは覚えておくとよいだろう。《貸借》の正しい読み方
「貸借」の正しい読み方
「貸借」の正しい読み方は「たいしゃく」である。「貸借(たいしゃく)」と「賃借(ちんしゃく)」とは混同しやすいのでよくよく注意を要する。「貸借」の意味解説
貸借には「金銭や物品を貸すこと、借りること」「民法における消費貸借・使用貸借・賃貸借の総称」「 簿記における貸方、借方」という3つの意味が含まれている。金銭や物品のやり取りを指す場合には「かしかり」とする方が分かりやすいため、「たいしゃく」の発音が日常会話で使用されるケースは少ない。民法上の意味合いで「貸借」を用いる場合は、口語よりも書面となるのが一般的だ。簿記においては貸借対照表と呼ばれる書類が多用されるため、比較的「たいしゃく」という読み方に馴染みが深い。なぜ「たいしゃく」と読むのか・理由
「貸」「借」は共に会意兼形声文字であり、それぞれ「代(たい)」「昔(しゃく)」の部分が読み方に対応している。「貸借」の類語・用例・例文
貸借の類語には「賃貸」「融通」「授受」「収支」などが挙げられる。賃貸は「レンタル料金を徴収して何かを他者に貸し与える事」を指し、不動産用語として一般的に広く認知されている言葉だ。貸主目線であるため貸借のように「借りる事」は含意しない。融通は「相手からの要請に応じて金銭や物品を都合する」という意味だ。やり取りされたものに必ずしも返済・返却の義務あるとは限らない。授受は「授けること、受け取ること」の意であり、貸借と同様にやり取りを行う双方の視点が含まれているが授受の場合は譲渡が前提だ。収支は「収入と支出」を短縮した熟語で、簿記上の貸借のような意味合いで用いられる事も少なくない。・簿記の学習を進めるにあたって、貸借対照表への正しい理解は重要項目だ
・四月の進学を機に一人暮らしを始めるため、賃貸物件を探しに行く
・起業に際して共同出資者となる友人に金銭を融通してもらった
・政界では度々不正な金銭授受が問題として取り上げられる
・健全な企業経営は収支のバランスを整える事から始まる
「貸借」の英語用例・例文
貸借の英語表現は「loan」「lending and borrowing」「debit and credit」などを用いるのが一般的だ。loanは基本的に「貸し付け」を意味する単語であるが、借り手側の「借用」という概念も含んでいる。英単語が含む多様な意味による混乱を避けて「貸借」を指したい場合にはlending and borrowingといった具合に丁寧な表記が多い。debit and creditは帳簿上の貸借を指す固い言い回しだ。なお、貸借対照表に対応する英語としては「balance sheet」などが用いられる。・The end of loan term.(貸借期限)
・He studies hard about lending and borrowing transactions.(彼は貸借取引について熱心に勉強している)
・Mismatch of debit and credit.(貸借帳簿の不一致)
・She is gazing at the balance sheet.(彼女は貸借対照表をじっくり眺めている)
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