《貼付》の正しい読み方
「貼付」の正しい読み方
「貼付」の正しい読み方は、本来は「ちょうふ」である。ただし「てんぷ」も慣用読みとして容認されている。「はりつけ」と読まれることもままある。これは「貼り付け」の送り仮名を省いた表記としての扱い方である。慣用読みは、本来は誤読と見なすべき(正しくない)読み方が、多くの人に用いられ続けることで定着し、実質「そう読まれる語」として容認されるに至った読み方である。「貼」が「てん」と読まれやすい要因としては、「貼」の字の偏旁が「点(てん)」や「店(てん)」といった馴染み深い字と共通していること、あるいは意味や使い所の類似している「添付(てんぷ)」との混同が生じていることなどが考えられる。
「貼付」は漢字2字の熟字としては「はりつけ」とは読まない。それは「貼り付け」と送り仮名を振った場合の読み方である。とはいえ、たとえば「貸出(かしだし)」「売地(うりち)」「雇入(やといいれ)」のように、送り仮名が省略される場合は現実にはよくある。「貼付」も「はりつけ」と読む語(あるいは記号)として用いられることが少なくない。
「貼付」の意味解説
「貼付」とは糊(のり)を使って貼り付けること。「貼」には「紙や布をたるまないように引きのばし広げる」「はりつける」などの意味があり、「付」とは「ぴったりとくっつける」ことをいう。すなわち、広げた布、紙などに糊で貼り付けることが貼付の前提条件となるため、布や紙を用いず、糊付けしないものは貼付と言わない。そのため「メールに書類を貼付する」と言うことはできない。このほか、湿布薬などを患部に貼り付ける行為にも「貼付」を使う。なぜ「貼付」と読むのか・理由
「貼付」は2字熟語として音読みされる。「貼」は音読みでは「チョウ」と読み、「付」は音読みで「フ」と読むので、「貼付」は「ちょうふ」と読まれるわけである。漢字の音読みには「漢音」「呉音」といった複数の読み方がある場合もあるが、「貼」の字に関しては漢音・呉音ともに「チョウ」と読む。
偏旁に「占」を含む字の音読みは、「店」や「点」は「テン」、「占」「苫」は「セン」、「貼」は「チョウ」、「帖」は「ジョウ」、「粘」は「ネン」である。
「貼付」の類語・用例・例文
「貼付」の類義語としては、あるものが異質なものや大きなものにくっつくことを示す意味の「付着」、もの同士がぴったりとくっつくことを示す「接着」、書類などにその内容を補足する別のものを付け添えることを示す「添付」、糊でくっつけること、または糊でつけたようにぴったりとくっつくことを示す「糊着」などがある。「貼付」の用例は、紙や布に糊などを使って貼り付ける行為の中に見られることから、たとえば次のような例文が考えられる。「履歴書に証明写真を貼付する」「返信用封筒に切手を貼付して送る」「口座情報が確認できるキャッシュカード等のコピーや写真を貼付して提出する」「手数料は、収入印紙で訴状や申立書に貼付して納付する」「提出された領収書等は返却しないので、必要があれば写しを貼付すること」「患部を冷やさないよう温湿布剤を貼付する」など。「貼付」の英語用例・例文
「貼付」を英語で表す場合は「paste」を使う。「paste two sheet of paper together.( 2枚の紙を糊で貼り合わせる)」「paste a photograph to an album.(アルバムに写真を貼る)」などの例文が考えられる。- 《貼付》の正しい読み方のページへのリンク