( )-ヒスチジンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 物質 > 化合物 > 化合物 > ( )-ヒスチジンの意味・解説 

ヒスチジン【histidine】

読み方:ひすちじん

アミノ酸の一。種々のたんぱく質含まれヘモグロビンに最も多い。幼児では合成少ないため必須アミノ酸腐敗分解してヒスタミン生じる。


D‐ヒスチジン

分子式C6H9N3O2
その他の名称(+)-ヒスチジン、D-Histidine、(+)-Histidine、(+)-D-Histidine
体系名:(R)-α-アミノ-1H-イミダゾール-4-プロパン酸(R)-2-アミノ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピオン酸(R)-2-アミノ-3-(4-イミダゾリル)プロピオン酸、D-ヒスチジン


ヒスチジン

分子式C6H9N3O2
その他の名称(-)-ヒスチジン、グリオキサリン-5-アラニン、L-Histidine、(-)-Histidine、(-)-L-Histidine、Glyoxaline-5-alanine、(S)-2-Amino-3-(4-imidazolyl)propionic acid、Histidine、3-(3H-Imidazole-4-yl)alanine
体系名:(S)-α-アミノ-1H-イミダゾール-4-プロパン酸、L-His-OH、ヒスチジン、(S)-2-アミノ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピオン酸(S)-2-アミノ-3-(4-イミダゾリル)プロピオン酸(-)-L-ヒスチジン、L-ヒスチジン、3-(3H-イミダゾール-4-イル)アラニン


ヒスチジン

英訳・(英)同義/類義語:His, histidine, H, histidin, istidine

タンパク質構成すルアミノ酸の一種で、側鎖イミダゾール環をもつ塩基性芳香族性質を持つアミノ酸略号はHis, H

ヒスチジン

Histidine, His, H

側鎖イミダゾール基を持つ塩基性アミノ酸必須アミノ酸イミダゾール基酵素反応において基質中間体安定化させたり、金属イオン配位子となって酵素活性部位重要な役割を果たすことが多い。ヒスタミン前駆体である。

Name L-Histidine1)
MeSH 68006639
CAS No.71-00-1
Molecular Weight 155.15456 g/mol
Molecular Formula C6H9N3O2
XLogP -3.4
m.p.282
pK1(25)1.80
pK2(25)9.33
pKR(25)6.04
呈味苦味,酸味
ヒスチジン

<jmol his.pdb.gz 150 150></jmol>

CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported


ヒスチジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 09:52 UTC 版)

L-ヒスチジン
識別情報
CAS登録番号 71-00-1 
PubChem 773
ChemSpider 6038 
UNII 4QD397987E 
DrugBank DB00117
KEGG D00032 
ChEBI
ChEMBL CHEMBL17962 
3310
特性
化学式 C6H9N3O2
モル質量 155.15 g mol−1
への溶解度 4.19g/100g @ 25 °C [1]
危険性
安全データシート データページを参照する
NFPA 704
1
1
0
関連する物質
関連する官能基 イミダゾール基
関連物質 ウロカニン酸
ホルムイミノグルタミン酸
イミダゾールジペプチド
補足データページ
構造および特性 n, εr, etc.
熱力学的データ 相挙動
固体、液体、気体
スペクトルデータ UV, IR, NMR, MS
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ヒスチジン (histidine) はアミノ酸の一種で2-アミノ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピオン酸のこと。略号は His あるいは H。名前はギリシャ語で「組織」という意味。

塩基性アミノ酸の一種で、必須アミノ酸糖原性を持つ。側鎖にイミダゾリル基という複素芳香環を持ち、この部分の特殊な性質により酵素活性中心や、蛋白質分子内でのプロトン移動に関与している。蛋白質中では金属との結合部位となり、あるいは水素結合イオン結合を介してその高次構造の維持に重要な役割を果たしている。

ヒスタミンおよびカルノシン生合成の前駆体でもある。

1896年に、ドイツの医学博士アルブレヒト・コッセルSven Gustaf Hedin英語版によって単離された[2]

必須アミノ酸

当初、乳幼児にのみ必須なアミノ酸と考えられていたが、1975年に大人も必要とする必須アミノ酸であるという根拠が出された[3]。1985年に、国際連合食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、国際連合大学(UNU)が発表した基準アミノ酸をもとに、必須アミノ酸として扱われるようになった[4]

イミダゾリル基

窒素原子に結合したプロトン (H+) の着脱を起こし、塩基または非常に弱い酸として働く。また、二重結合の位置と水素原子が移動した互変異性体が平衡状態にある。いずれの構造の場合でも、水素原子を持たない側の窒素原子が容易に水素原子と反応し、同時に他方の窒素原子上にある水素原子を放出する。結果として、水素原子を運ぶ担体として機能することができる。

イミダゾイル基上の平衡

炭酸脱水酵素中では活性中心の亜鉛に結合した水分子からプロトンを引き抜いて活性型を再生させ、触媒三残基においてはセリントレオニンシステインからプロトンを引き抜き、それらを求核剤として活性化させる役割を果たす。

合成法

フルクトースホルマリンアンモニアからヒドロキシメチルイミダゾールを作り、この塩化物にアセトアミドマロン酸エステル縮合して作る。

安全性

ヒトにて1日4.5グラムまでの投与で副作用は報告されていない。1日24-64グラムではいくつかの副作用が報告されている[5]

ヒスチジンは青魚に多く含まれる傾向にあり、青魚が死んでから時間が経つと魚肉に含まれる酵素によりヒスタミンに変化するため、スコンブロイド食中毒(ヒスタミン食中毒)の原因になることが有る。

脚注

  1. ^ http://prowl.rockefeller.edu/aainfo/solub.htm[要文献特定詳細情報]
  2. ^ Vickery, Hubert Bradford; Leavenworth, Charles S. (1928-08-01). “On the Separation of Histidine and Arginine” (英語). Journal of Biological Chemistry 78 (3): 627–635. doi:10.1016/S0021-9258(18)83967-9. ISSN 0021-9258. http://www.jbc.org/content/78/3/627.full.pdf. 
  3. ^ Kopple, J D; Swendseid, M E (1975-05-01). “Evidence that histidine is an essential amino acid in normal and chronically uremic man.” (英語). Journal of Clinical Investigation 55 (5): 881–891. doi:10.1172/JCI108016. ISSN 0021-9738. http://www.jci.org/articles/view/108016. 
  4. ^ 対象外物質 評価書ヒスチジン 食品安全委員会
  5. ^ “The Nature of Human Hazards Associated with Excessive Intake of Amino Acids”. The Journal of Nutrition 134 (6): pp.1633S–1639S,HISTIDINE. (2004). doi:10.1093/jn/134.6.1633S. 

関連項目

外部リンク


「ヒスチジン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「( )-ヒスチジン」の関連用語

( )-ヒスチジンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



( )-ヒスチジンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
Bio WikiBio Wiki
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
Supplement Kuchikomi RankingSupplement Kuchikomi Ranking
(C)2025 All Rights Reserved. 健康食品のあり方を考える日本サプリメント評議会の運営です。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒスチジン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS