湯島聖堂 史跡指定と文化財保護

湯島聖堂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/05 02:41 UTC 版)

史跡指定と文化財保護

公益上必要やむを得ない場合を除き、聖堂跡地の現状変更を許可しないものとして、1922年(大正11年)3月8日、敷地が国の史跡に指定された。指定名称は「湯島聖堂」である。1956年(昭和31年)4月18日には、文化財保護委員会により財団法人斯文会が史跡の管理団体に指定された。1986年(昭和61年)度より文化庁による建物の保存修理工事が行われ、1993年平成5年)3月に竣工した。

おもな行事

その他

1970年代日本テレビで放送されたドラマ「西遊記」では大成殿がロケ地となった。2006年フジテレビでリメイクされた月9ドラマ「西遊記」のロケ地としても使用された。また、歌手の木村カエラの「Level42」という曲のプロモーション・ビデオの撮影にも使われている。

敷地内には珍しい楷の木がある。

ちなみに、JR御茶ノ水駅の上で神田川をまたぐ聖橋は、「2つの聖堂(湯島聖堂と、川向こうのニコライ堂)を結ぶ橋」であることからその名を得ている。

敷地内の斯文会館付近を東京メトロ千代田線シールドトンネルが一部通過しており、ここで新御茶ノ水駅からの単線シールドトンネルを連結する場所とし、地上に換気口を設置した(神田川トンネル換気室)[2]。しかし、換気口を設置する場所には江戸時代に造られた古井戸があり、湯島聖堂敷地内は文化財保護法に定められた「史跡」に該当するため、換気口設置後に求められた古井戸の原状回復は不可能であった[2]。その後、文化庁と協議の結果、換気口覆工板(鉄板)上に古井戸の現状位置を示し、古井戸は他の場所に復旧する案が出されたことで、ようやく解決に至った[2]

2018年平成30年)4月11日、敷地内の木製看板強風によって倒れ、隣の歩道を通っていたアイドルグループ仮面女子猪狩ともかが看板の下敷きになり骨折する事故が発生した[3]。その後、国を相手取って提訴していたが[4]、看板の管理者は国ではないとして訴えは退けられた[5]

アクセス




注釈

  1. ^ すぐに旧岸和田藩邸(現在の東京都立日比谷高等学校界隈の場所)にて開校したが、文部省設置と共に引き取られた。
  2. ^ 1871年(明治4年)以降、湯島聖堂の構内界隈に文部省、博物館(現在の東京国立博物館及び国立科学博物館の前身)、東京師範学校東京高等師範学校東京教育大学を経て現在の筑波大学)及びその附属学校(現在の筑波大学附属小学校及び筑波大学附属中学校・高等学校)、東京女子師範学校東京女子高等師範学校を経て現在のお茶の水女子大学)及びその附属学校(現在のお茶の水女子大学附属幼稚園お茶の水女子大学附属小学校お茶の水女子大学附属中学校お茶の水女子大学附属高等学校)が一時置かれていたことがある。
    後に、文部省は霞が関に、国立博物館は上野に、東京師範学校は文京区大塚を経て現在の茨城県つくば市に移転し筑波大学となった。東京師範学校の各附属学校等や、東京女子師範学校及びその附属学校(当初は湯島一丁目の聖堂構内界隈、お茶の水橋たもとにあったためお茶の水女子大学と名付けられた)はそれぞれ文京区大塚に移転し、現在も留まっている。

出典

  1. ^ 江戸名所図会 1927, pp. 180–181.
  2. ^ a b c 東京地下鉄道千代田線建設史、pp.484・751。
  3. ^ 「仮面女子」猪狩ともか、腰の骨を折る重傷か…強風で倒れた案内板が直撃”. スポーツ報知 (2018年4月12日). 2018年4月12日閲覧。
  4. ^ 車いすの「仮面女子」猪狩さん国を提訴 「看板安全対策怠った」”. 毎日新聞. 2021年5月15日閲覧。
  5. ^ 日本放送協会. “「仮面女子」メンバーの訴え退ける 看板事故で国の賠償認めず | NHK”. NHKニュース. 2022年6月27日閲覧。


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