エッチ‐ユー‐ディー【HUD】
ハッド【HUD】
読み方:はっど
【HUD】(はっど)
Head Up Display(ヘッドアップディスプレイ).
飛行および戦闘に必要な最低限の情報を、コックピット前面のガラスに焦点無限大で投影する装置。
主に戦闘機や攻撃機が装備する。
正面から視線を逸らす必要がなく、また目の焦点を変える必要もないため、瞬時に情報を読み取ることができる。
第二次世界大戦時の戦闘機に搭載されていた、ガンサイトのみが表示される光像式照準器を前身として戦後に大きく発達した。
現在使用されているものでは、速度、高度、方位、機体の傾きなどの飛行情報から、レーダーで捉えた対象、GCIやAWACSからのデータリンクによる敵性機の情報、ミサイルや爆弾の発射緒元、機関砲の照準等、多数の計器の情報を集積し、必要に応じて表示している。
戦闘機を除く軍用機でも一部のC-130やC-17、B-1Bなどに搭載されている。
民間機ではロッキードL-100J(C-130民間型)で初めて搭載され、さらにボーイングの旅客機でもB737NGシリーズ(B737-600、B737-700、B737-800、B737-900)でオプション装備、B787で標準装備とすることになった。
ヘッドアップディスプレイ
(HUD から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/28 06:43 UTC 版)


ヘッドアップディスプレイ(英語: Head-Up Display、略称: HUD、ハッド)は、人間の視野に直接情報を映し出す手段である。
この技術は軍事航空分野において開発され、実験的にではあるがさまざまな分野に応用されている。類似のものにヘッドマウンテッドディスプレイ (HMD) がある。
ポーカーのゲームアプリなどには搭載されているスタッツデータもヘッドアップディスプレイ(HUD)と呼ばれているが、その語源となっている。
概要
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ヘッドアップディスプレイには以下の特徴がある。
- このディスプレイは大きく透明で、情報はヘッドアップディスプレイ利用者の通常の視界と重なって表示される。
- 情報は無限遠の点に結像する。この事により、コンマ数秒程度かかる「焦点を合わせ直す」という生理現象が、ヘッドアップディスプレイ利用者が外界から映像に視点を切り替える際に生じない。
ヘッドアップディスプレイを実現する最も一般的な手段は、透明な光学ガラス素子に画像を投影することである。以前はF-14戦闘機のように、風防に直接映像を投影する機種(改修前のA型など)も存在した。
もともとは、画像を投影する装置はブラウン管 (Cathode Ray Tube, CRT) だった。投影装置として小型ディスプレイの技術が導入されている。小型ディスプレイは液晶ディスプレイ (LCD) 、反射型液晶パネル (LCOS) 、ホログラフィック光学素子などで構成されている。
当初、ヘッドアップディスプレイは戦闘機で導入され、後に低空飛行する軍用ヘリコプターなどにも導入されるようになった。パイロットには自機の速度や進行方向などの重要な情報が重なって見えるようになっており、飛行中に計器盤の計器に視界を切り替えることにより発生する、空間識失調や致命的なミスを防げるようになっている。
大型の輸送機や一部の旅客機などでも使用されている。戦闘機ではヘッドアップディスプレイと同様の情報をヘルメットに直接映し出すヘッドマウンテッドディスプレイ(例えばJHMCSなど)に切り替わってきているが、ヘルメットの重量増加による首への負担増加が懸念されている。
また、銃器のダットサイトの中には、EOTech社やBushnell社のホロサイトなど、ヘッドアップディスプレイと同じ構造の物も登場している。
応用
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ヘッドアップディスプレイの応用として以下のようなものが実現、或いは提案されている。
自動車
フロントガラスに運転者向けの基本的な情報の(無限遠の点に結像するような)画像を提供するもので[1]、既に発売している自動車メーカーもある[1]。
通常は速度計が表示されるが、日本国内において、テレビの映像などを運転中に注視すると道路交通法違反になる(第71条第5号の5)。
日本の乗用車では5代目日産・シルビア(S13系)でメーカーオプション設定したのが初で、この時は速度表示のみだった[2]。続いてトヨタ・クラウンマジェスタが全車標準装備し[1]、速度表示やカーナビゲーションガイド、ナイトビューで使用されているほか、マツダ・アテンザの全グレード、及びマツダ・デミオ、マツダ・CX-3、マツダ・アクセラ、マツダ・CX-5の一部グレード、ホンダ・レジェンドがインテリジェント・ナイトビジョンシステムに使用している。
パイオニアのカーナビ、カロッツェリア・サイバーナビでは、2012年7月からHUD搭載モデルと、単体のHUDを市販していたが、2014年モデルを最後にいったんどちらも販売を終了している。
2017年1月、コニカミノルタは、世界初の車載用3D拡張現実ヘッドアップディスプレイを開発した。コニカミノルタの説明によると、ドライバーの視点が動いても、AR(拡張現実)表示が運転速度も考慮して可変で動き、表示ずれがなくなることで、正確な映像情報を伝えることが可能になる[3]。
軍事
F-15以降の戦闘機などに、従来の光学照準器などに代わり装備されている。
医療
医師に対してX線やCTスキャンの映像を患者と重ね合わせて表示する。これにより、通常は見ることができない体の構造を見ることができるようになる。
コンピュータゲーム
コンピュータゲームでは画面に重ねて表示される情報を「HUD表示」という(なお、ヘッドマウンテッドディスプレイ内での表示のことも便宜上としてこう呼ぶことがある)。また、通常のゲーム画面にプレイヤーキャラクターの体力、弾薬残量、地図、点数などいろいろな情報を重ねて表示する目的で、ヘッドアップディスプレイが利用されている。ただ、無限遠の前方を注視しつつ各種状態表示を同時に見るためのヘッドアップディスプレイなので、これを通常のコンピューターディスプレイに用いてもあまり意味がない。なお、ディスプレイの呼称については「ヘッドマウンテッドディスプレイ」との混同も一部で見られる。
脚注
- ^ a b 社団法人 自動車技術会 編『自動車の百科事典』丸善株式会社、25 January 2010、283頁。ISBN 9784621081716。
- ^ 『新型シルビア発売 ・若い男女のカーライフをお酒落に演出する、センスが良く、走りが楽しい2ドア・スタイリッシュ・クーペ ・新開発マルチリンクリヤサスペンションを採用』(プレスリリース)日産自動車株式会社、17 May 1988 。1 July 2024閲覧。
- ^ コニカミノルタ 世界初の車載用3D拡張現実ヘッドアップディスプレイを開発 コニカミノルタ ニュースリリース
関連項目
- ヘッドマウントディスプレイ
- エンハンスト・ビジョン・システム
- 暗視装置
- ウェアラブルコンピューティング
- 3次元コンピュータグラフィックス
- プロンプター - 視点の方向に情報を表示する点で類似している。
外部リンク
- 日産自動車、ヘッドアップディスプレイを実用化へ - 日産自動車株式会社
HUD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 02:07 UTC 版)
Motionでは、Appleの他のソフトウェアでも見られるユーザーインターフェイス「HUD(head-up displayの略)」が採用されている。Motionでは選択中の各種オブジェクトの詳細情報を緻密に操作する際は「インスペクタ」ウィンドウを利用するが、その中で代表的なパラメータの設定は、画面上にフロートしているHUDウィンドウで手軽に設定可能である。HUDウィンドウ上では位置や角度の設定のために専用のUIが表示されるオブジェクトも多数存在する。一例として、3D空間上での位置決めなどはインスペクタ上の座標入力では直感的ではないが、そのような操作が必要な時にMotionはHUD上に、ドラッグのみで回転・拡大・水平移動が可能なアイコンを配置する。また、「フェードイン・フェードアウト」ビヘイビア選択時には台形状のグラフとともにそれぞれのフレーム数を手軽に設定できるUIに切り替わる。パーティクル・エミッター選択時には、パーティクル放出範囲と勢いが合成されたUIのドラッグで設定が可能となる。HUDは半透明で表示される。また、Motionの標準設定ではF7キーで表示/非表示を切り替えられるようになっている。
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