ルック‐アンド‐フィール【look and feel】
読み方:るっくあんどふぃーる
コンピューターのユーザーインターフェースにおける、画面のデザインや操作感のこと。
ルック&フィール
【英】look and feel
ルック&フィールとは、「見ため・感じ」の意味で、コンピューターやOSなどのデザインと操作感の総称である。ユーザーの使用体験(印象)を向上させる、あるいはシステムの独自性を確保するための重要な要素である。
ルック&フィールは、画面のレイアウトデザインやアイコンの配置、マウス操作などの操作感に加えて、それらと連動した画面や音の反応などが総合的に与える印象を指す。基本的にはOSを単位として統一されており、そのシステム上で動作するアプリケーションソフトはどれも同じ感覚で操作できるようになっている。Javaのように複数のルック&フィールを切り替えることも可能となっている。
ルック&フィールが劇的に変わったのは、キャラクターユーザーインターフェース(CUI)からグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)に変貌した際だといわれる。ウィンドウやアイコンなどを基本とした視覚的な画面表示やマウスによる操作を可能とするグラフィカルユーザーインターフェースは、文字情報だけの操作に較べて革命的だった。1970年代にXerox社で考案されたSmalltalkプログラミング環境で、初めてGUIが実現し、それを見学に訪れたスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がこれを見て感動、自ら創業したApple Computer社のパソコンにGUIのルック&フィールを反映させたことから、GUIの普及が始まった。後にビル・ゲイツ(Bill Gates)の率いるMicrosoftも似たようなルック&フィールを採用した。以来、現在のOSが備えるようなルック&フィールが定着している。
ルック・アンド・フィール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/16 06:41 UTC 版)
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ルック・アンド・フィール(英: look and feel、LnF)とは、グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) における色、形状、レイアウト、書体 (typeface) のような要素を含むデザインの外観(ルック)と、ボタン、テキストボックス、メニューといった動的要素の振る舞い(フィール、感触)からなる、ユーザエクスペリエンスの要素である[1][2]。
ルック・アンド・フィールという用語はソフトウェアとウェブサイト両方に関して使われている。それ以外にも、文書では例えば、視覚的なレイアウト(ドキュメントサイズ、色、フォント、その他)と書式 (style) を意味する。設備の文脈では、それは生産ラインを通じた制御と表示の一貫性を意味する。
オペレーティングシステム
オペレーティングシステム (OS) のユーザインターフェイスのルック・アンド・フィールには主に二つの目的がある。まず、それは一目見てその製品がある会社のものであると認識させるブランドの役割を持つ。第二に、ユーザーが製品機能(見た目、使い方など)に慣れてくると、同じルック・アンド・フィールを持つ他の製品を簡単に使いこなせるようになる。いくつかの会社が自社のルック・アンド・フィールについて著作権を主張しようとしている。
Appleは自社のMac OSに関してルック・アンド・フィールという用語を使ったことで注目された。同社は、類似のルック・アンド・フィールを持つソフトウェアを開発しようとする他のソフトウェア開発企業を妨害しようとして、いくつかは成功した。Appleは、彼らのソフトウェアのルック・アンド・フィールには著作権があると主張した。また、彼らはMac用のソフトを開発していたマイクロソフトに対しても訴えを起こし、WindowsオペレーティングシステムはAppleのルック・アンド・フィールの違法コピーだと主張した。ソフトウェアコミュニティの激しい反発を招き、リチャード・ストールマンによるプログラミング自由連盟の設立を引き起こしたにもかかわらず、期待された重要な判例となる画期的判決とはならず、AppleがWindows 1.0に関してマイクロソフトに許諾したライセンスに基づいて争点の大半は無効となった後、1997年にマイクロソフトが巨額の和解金をAppleへ支払い、両社はクロスライセンス契約を結んだ[3]。ロータス対ボーランドの訴訟では、連邦第1巡回区控訴裁判所はユーザインターフェイスのフィールに関する著作権侵害の主張を棄却した。
ウィジェット・ツールキット
オペレーティングシステムのユーザインターフェイスにとって、ルック・アンド・フィールは製品の同一性や一貫性の一部である。一方これに反して、ウィジェット・ツールキットでは、大抵は、ツールキット既定のルック・アンド・フィールから派生させるか、ツールキットのユーザーが完全に自分で定義することで、アプリケーションのルック・アンド・フィールをカスタマイズすることが可能である。このカスタマイズは、スキン(ルックあるいはウィジェットの視覚的外観)の変更に始まり、果てはユーザーがソフトウェアと対話する方法(フィール)を完全にカスタマイズするものまである。
アプリケーションと連携するルック・アンド・フィールの定義はたいてい初期化時に行なわれるが、Java APIの一部であるSwingのような、いくつかのウィジェット・ツールキットでは、ユーザーが実行時にルック・アンド・フィールを変更できるようになっている。
カスタマイズされたルック・アンド・フィール設定をサポートするウィジェット・ツールキットの例をいくつか挙げる。
- ユーザーインターフェイスのルック・アンド・フィールはXUL定義ファイルと関連するCSSファイルをカスタマイズできる。既定値からカスタマイズできるプロパティは、例えばウィジェットの背景色や前景色、フォント、ウィジェットのサイズなどである。
-
既定値からの派生、既存のもの、スクラッチからの作成、またはJ2SE 5.0から利用可能になった
synth
(スキンを変更可能なルック・アンド・フィール)と呼ばれるXMLプロパティファイルによって、ウィジェットのルック・アンド・フィールのカスタマイズをサポートする。
文学
ダグラス・クープランドの小説『マイクロサーフス』[4]における登場人物の一人が、所有する二匹のハムスターにルックとフィールという名前をつけた。
脚注
- ^ kamijo, akihiro. “デザインフェーズの初期作業 Part 3: ルック&フィールの確立(UXデザイン入門シリーズ)| アドビUX道場 #UXDojo”. blog.adobe.com. 2025年6月16日閲覧。
- ^ 日経クロステック(xTECH) (2021年7月14日). “26年続いたスタイルが変更に、UXをシンプルにしたWindows 11を速攻レビュー”. 日経クロステック(xTECH). 2025年6月16日閲覧。
- ^ ASCII. “アップルの歴史を変えたキーノートスピーチ (1/3)”. ASCII.jp. 2025年6月16日閲覧。
- ^ 英: Microserfs
関連項目
外部リンク
関連項目
ルック・アンド・フィール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 13:51 UTC 版)
「Standard Widget Toolkit」の記事における「ルック・アンド・フィール」の解説
SWTウィジェットは、ネイティブウィジェットと同じルック・アンド・フィールを提供する。これとは対照的に、Swingのウィジェットはネイティブウィジェットに近い複製である。場合によっては、この違いが見た目にも明らかとなる。例えば、Mac OS Xのツリーウィジェット機能はツリーの展開時にアニメーションを行い、デフォルトボタンもユーザーがフォーカスした際にアニメーションを行う。Swingでは、これらのアニメーションは行われない。 SWTはネイティブGUIコードの単純なラッパーであるため、(ネイティブAPIが互換を保つ限り)ネイティブコードが変更されても大きな修正を必要としない。OSベンダーはAPI上の互換性を保つよう常に気をつけている。Swingでは事情が異なる。Swing は動作中のアプリケーションのルック・アンド・フィールを交換可能であり、ネイティブGUIのテーマをエミュレート可能である。この機能はOSのGUIが変更されるたびに、その変化(テーマやその他のルック・アンド・フィールの更新)を反映しなければならない。逆に言えば、ネイティブAPIが変更されれば、SWTは修正が必須となるが、Swingは修正の必要がない。 SWT は「プラットフォームとの密な統合」を目指しており、ネイティブウィジェットを利用する。developer.com の Mauro Marinilliaによると「ネイティブプラットフォームとの密な統合が必要なら、SWTはよい選択だ」としている。このような密な統合の利点を生かした例として、SWTは Microsoft Windows のActiveXオブジェクトもラップ可能である。
※この「ルック・アンド・フィール」の解説は、「Standard Widget Toolkit」の解説の一部です。
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