7代目 HA25S/25V/35S型(2009年 - 2014年)
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「スズキ・アルト」の記事における「7代目 HA25S/25V/35S型(2009年 - 2014年)」の解説
2009年(平成21年)12月16日フルモデルチェンジ、同日より販売開始。月間販売目標は7,000台と発表されている。 グレード体系はセダンが「E」・「F」・「G」・「X」の4グレード、バンは先代同様「VP」のみを設定する。本代でもK6A型エンジンを引き続き搭載するが、6代目で一旦廃止となっていたVVTが再搭載され、インテークマニホールドの形状変更により給気効率を高めた。また、トランスミッションも5代目以来となるCVT車が再設定されたが、パレットで採用されたジヤトコ製の副変速機構付CVTへ変更された。AT車は全車4速(ジヤトコ・JF405E)に多段化されるとともに、ロックアップ領域の拡大を行った。ボディも空力特性に配慮した形状と板厚の見直し、高張力鋼板の使用拡大などにより軽量化を図ったことで、バン「VP」の前輪駆動・5MT車を除く全車で平成27年度燃費基準を達成。バン「VP」は「平成17年基準排出ガス75 %低減レベル(☆☆☆☆)」認定を同時に取得した。 より丸みを帯び、ヘッドランプが紡錘形となったフロントフェイスは「F」以上のグレードと「E」・バン「VP」で異なる2種類のデザインを採用している。「F」以上のグレードに標準装備されるCDプレーヤーはインパネ中心部の造形に合わせた専用デザインとなった。また、シンプルな大型スピードメーターは白地となり、インフォメーションディスプレイは瞬間燃費・平均燃費・走行可能距離の表示機能を追加した。フルモデルチェンジに合わせて復活した最上級グレードの「X」はアルトでは初となるキーレスプッシュスタートシステムやイモビライザーが装備されたが、コスト削減のためにリアワイパーは四輪駆動車のみ装着となった。 2011年(平成23年)11月24日、低燃費仕様の派生モデルアルトエコ(DBA-HA35S)を追加。初期のCM出演者は香里奈・小林星蘭・西田敏行。2014年(平成26年)よりベッキーに変更。 グレード体系は「ECO-L」と「ECO-S」の2グレードを設定する。エンジンを3代目MRワゴンで採用されたR06A型へ変更し、9 km/h以下でエンジンを自動停止する停車前アイドリングストップシステムを搭載。省電力化を図るため、リアコンビランプとハイマウントストップランプをLED化し、燃料ポンプを軽自動車では初となる省電力型に変更。エンジンの変更に伴ってエンジンルーム周りの骨格も一新し、燃料タンク容量を標準車の30Lから20 Lへ変更するなど、各種部品の軽量化を徹底したことで「G」のCVT車に比べて20 kgの軽量化を達成するとともに、車高を15 mm低くし、フロントバンパーの形状を変更して空力性能の向上を図り、足回り部品やタイヤを変更することで走行抵抗を低減した。これらにより、JC08モードで30.2 km/L(平成27年度燃費基準+20 %達成)を実現した。アイドリングストップシステムにはスズキ車初となる新機構スターターモーターが搭載されており、停車前アイドリングストップ作動中でもブレーキを緩める、ハンドル操作をする、などの操作で瞬時にエンジンが再始動し、スムーズな再加速ができる。このほかエンジンの再始動は、トランスミッションのSモードスイッチ入、ドア開でも行われる。また、坂道発進の際の後退を抑制するヒルホールドコントロールを追加装備している。 なお、燃費性能は改良を重ねるたびに向上しており、2013年(平成25年)2月のマイナーチェンジで33.0 km/Lに向上、同年11月の一部改良で35.0 km/Lに向上されている。 このアルトエコは株式会社イードが運営する登録会員がそれぞれの実生活で得られた愛車の実燃費をインターネットを介して入力・管理する燃費管理サービス「e燃費」が主催する「e燃費アワード2013-2014」の「軽自動車部門」において22.6 km/Lを記録し、同部門で1位になった。なお、この数値は、同アワードで「新型車部門」と「ハイブリッド車部門」の2冠を獲得したトヨタ・アクア(2013年11月改良モデル、22.4km/L)の記録を上回って当年度のアワード全部門の中でもトップの実燃費を記録し、ハイブリッド車を上回る実燃費の高さが証明される結果となった。2015年2月16日に発表された「e燃費アワード2014-2015」では前年を上回る23.2 km/Lを記録して「軽自動車部門」で2連覇を達成するとともに、総合部門でも「ハイブリッド車部門」で1位となったトヨタ・アクア(22.6 km/L)を上回り、「総合部門」でも2連覇を達成した。 ボディカラーは「アルト」・「アルトエコ」共通で6色を設定するが、「アルトエコ」ではホワイト系が「アルト」のスペリアホワイトに代わり、緑味を帯びた専用色のリーフホワイトが設定される。なお、スペリアホワイトは2013年(平成25年)5月の仕様変更により「アルトエコ」にも設定されるようになった。また、同年11月のアルトエコの一部改良に伴い、ミルクティーベージュメタリックとブルーイッシュブラックパール3をアルト専用色に移行するとともに、アルトエコには赤系のフェニックスレッドパールとピンク系のシャンパンピンクパールメタリックの2色を追加し、専用色を3色に増やした(どちらも他のスズキ車に設定されているボディカラーである)。 OEM車種については発表翌日にキャロルも本代ベースにモデルチェンジされ、2012年(平成24年)11月には低燃費仕様の派生モデルであるキャロルエコが追加された。
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