2004年版アニメ
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「鉄人28号 (架空のロボット)」の記事における「2004年版アニメ」の解説
『鉄人28号 (2004年版アニメ)』では旧日本軍が連合軍に対して起死回生の切り札として立ち上げた「鉄人計画」によって生み出された人型兵器。身長18メートル。開発者である金田博士が東京大空襲によって死んでしまったと思い込んでいた息子の正太郎の名前が付けられており、金田博士は我が子を育てるかのように鉄人を作り上げた。だが、鉄人の力に危機感を覚えた金田博士は、敵国に鉄人の開発場所である南方の秘密基地の所在地を漏洩。爆撃によって金田博士と共に葬られた。しかしそれから10年後。敷島博士が自身の作り上げた鉄人27号の機動実験の際に、28号のリモートコントロール回路を使った事によって覚醒。巨大砲弾によって東京に飛来し、そこで金田正太郎と出会う。 ロボット草創期に開発されたロボットであるが、その完成度は高く最新型のロボットとも互角に戦える性能を持っている。武装は一切装備していないが鉄筋コンクリートのビルや敵ロボットを砕く怪力(ゲーム版のスタッフが100万馬力のパワーと発言した事もある)を持ち、このパワーを生かした肉弾戦を得意とする。また、銃弾やダイナマイトの爆発でも装甲には傷一つ付かない頑健さも鉄人の武器である。さらに、起動時等の大パワーを発揮する際に、全身から副作用として強力な放電をする描写があり、鉄人のそばに不用意に近づくと感電死する危険性がある。 原作とは異なり設計段階から背中に取り付けられたビッグファイア博士が制作したロケットエンジンにより音速を超えた速度での飛行が可能。ロケットの推進力とパンチ力を合わせた突進技は鉄人の技の中でも最大級の破壊力で、鉄人と同クラスの装甲を持ったロボットであるバッカスを一撃で破壊した。制御系には独立連動機構が採用されており、胴体と四肢で制御系が各々独立している。そのため片腕が破損する程度であれば全体の動作に影響は出ない。 優れたロボットであるが、量産機の試作先行型である。つまり鉄人28号を元にした量産機を多数製造し、敵国に巨大砲弾で撃ち込む事が鉄人計画の真の目的であった。また劇中では苦戦することが多く、パワー負けや装甲の損壊も多かった。 ファイア3世との戦闘時、体内に太陽爆弾という旧日本軍の最終兵器が内蔵されている事が明らかになる。太陽爆弾とは新元素バギュームを搭載する事により、地球上の全生命体が以後60年間生息不能となる環境を作り上げる事が出来る最悪の兵器で、鉄人はこの太陽爆弾を通常動力として使用していた事が判明する。ただし通常時の鉄人のエネルギーにはバギューム以外のエネルギーが使われており、兵器としての鉄人28号はバギュームを搭載して初めて完成すると言える。バギュームをエネルギー源とした鉄人は、黒部ダムを襲った数百機のブラックオックス相手に対等に戦える圧倒的なパワーを得ていた。太陽爆弾として完成した鉄人は、いずれは爆発してしまうため役目が終われば溶鉱炉で溶かさねばならず、正太郎は最後まで鉄人にバギュームを搭載する事を拒んでいたが、日本の危機と村雨健次の説得によって正太郎は太陽爆弾を完成させる決意をする。ブラックオックス軍団の殲滅後、黒部ダム内に建造されていたブラックオックス製造工場の溶鉱炉から漏れ出した溶鉄によって鉄人を溶かそうとする正太郎だが、太陽爆弾の力に魅了されたベラネードが操縦機を破壊してしまう。人との繋がりを断たれ、制御不能に陥った鉄人は進路上にいたベラネードを踏み潰し、更に正太郎をもその手にかけようとする。正太郎は鉄人の手で殺されることが自らの受けるべき罰と悟るが、鉄人はまるで意志を持っているかのように崩壊する溶鉱炉から正太郎を庇い、溶鉄を浴びて融解する。その赤く、黒い残骸は、平成と呼ばれる今も黒部ダムの湖底から日本を見つめ続けているという。 資料によっては「今川版鉄人」と称されることもある。
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