1871年 - 1945年とは? わかりやすく解説

1871年 - 1945年(円の誕生 - 戦前 - 戦中)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 09:29 UTC 版)

円相場」の記事における「1871年 - 1945年(円の誕生 - 戦前 - 戦中)」の解説

1871年 - 1897年 円の誕生 1871年明治4年5月10日の「新貨条例」(明治4年太政官布告267号)の公布により円が正式に使われるようになった。この条例の内容次のようなものである純金1.5グラムを円、円の100分の1を銭、銭の10分の1を厘とする。 金貨本位とし、1円金貨量目25.72グレイン品位10分の9、純金量23.15グレイン=0.4匁=1.5グラム規定するこれまでの1両は、新貨幣1円名目上等価とする。 貿易通貨として1円銀貨鋳造する貿易銀100円につき本位金貨101円を交換比率とする。 一方1837年決められていたアメリカ1ドル量目は25.8グレイン純金量23.22グレインであった。この結果、円が生まれた時のドル/円相場1ドル=1円であった。 ただし、貿易赤字の下に金貨大量に流出し金貨鋳造減退する一方で銀貨鋳造増進し1878年明治11年)に、もともとは貿易用途限られた銀貨国内にも通用させることとし制度上は金銀複本位制となったが、市中では銀貨と銀兌換紙幣のみが使われる状況実質的には銀本位体制となった平行して国際的な銀の価格下落したことから、銀を本位とする円の実勢価値は金に対して凡そ半減したまた、1877年発生した西南戦争戦費賄うため、不換紙幣大量に発行したことからインフレ始まり同時に円安進行し1894年頃には1ドル=2円程度となった1897年 - 1917年 本格的金本位制確立 日清戦争得た賠償等の金3800£余を準備金として1897年本格的な金本位制確立することとし西南戦争戦費調達のために発行した紙幣回収しまた、国内銀貨流通停止した。この時、貨幣法明治30年法律第16号)を施行しその中で平価を金0.75g=1円改め新貨条例施行時発行した金貨1,2,5,10,20金貨)は、それぞれ2,4,10,20,40円と価値を倍にして通用させた。その後20年間は100円=49.875ドル平価)で安定した1917年 - 1930年 第一次世界大戦下の金本位制離脱と、金解禁の模索 1914年始まった第一次世界大戦のさなかに欧州列強次々と兌換停止し1917年アメリカが金兌換停止したのに追随して日本も金兌換停止した戦後欧米列強金本位制復帰したが、日本1920年戦後不況による経済的混乱1923年関東大震災に際して輸入超過から円は100円=40ドル前後下がった爾後金解禁金本位制への復帰)に備えて円高指向して緊縮財政を採った事から100円=49ドルにまで上がりその後為替変動する中で金解禁機会うかがったが、1927年昭和金融恐慌端を発する恐慌や、1928年張作霖爆殺事件の処理を巡る内閣辞職先送りされた。 また、金本位制復帰する際の平価を巡る議論があった。法律上100円=49.875ドルとする旧平価と、実勢沿って円を切り下げ100円=40-44ドル前後とする新平価のいずれで金本位制復帰するかで議論があったが、円通貨の価値維持する威信の面や、平価変更必要な法律改正を嫌う面から旧平価での復帰志向された。 1930年 - 1931年 金解禁 濱口内閣の下で1930年1月11日漸く平価金解禁実施した。ただし、1929年10月暗黒の木曜日端を発する世界恐慌の中で金解禁行ったことから日本の金は海外、主にアメリカ流出した。また恐慌受けて金本位制離脱した諸外国通貨下落したに対して兌換維持する円は相対的に割高となった。しかし、いずれ兌換維持できなくなれば、当然、円は暴落する見た投機筋為替統制売り利用してドル買い走りドル買い事件)、日本金本位制離脱待ち受けた1931年 - 1945年 金本位制離脱、管理通貨制度へ 1931年イギリス金本位制停止し濱口の後を継いだ若槻内閣から政友会犬養内閣政権交代すると日本金本位制から離脱し1931年12月17日銀行券の金への兌換停止した。これにより1931年11月100円=50ドル前後1ドル=2円)から一気に円が下落し1932年11月には100円=20ドル前後1ドル5円)にまで大幅な円安となり、物価上昇した円安背景には単に金兌換停止影響のみならず満洲事変第一次上海事変日本信用失われた事情もある。一方で円安輸出好影響及ぼして日本からの輸出拡大し国内景気回復したが、これがダンピングであると世界的に非難されると共に不況喘ぐ列強各国経済ブロック化動き日本世界経済から排斥され苦境に立たされた。1940年には100円=24ドル前後1ドル4.2円)となった

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