鹿児島市交通局1000形電車
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鹿児島市交通局1000形電車 | |
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基本情報 | |
製造所 | アルナ工機(1011 - 1013) アルナ車両(1014 - 1019) |
製造年 | 2001 - 2005年 |
主要諸元 | |
編成 | 9編成 |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流600V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 40 km/h |
設計最高速度 | 40 km/h |
車両定員 | 55人(1次車)、58人(2,3次車) |
車両重量 | 19t |
全長 | 14,000 mm |
全幅 | 2,450 mm |
全高 | 3,750 mm |
台車 | コイルばねボルスタレス/山形緩衝(シェブロン)ゴム 住友金属工業SS-01 |
主電動機 | 東洋電機製造TDK-6309-A (60kW) かご形三相誘導電動機(クリーンストレーナ方式) |
駆動方式 | WNドライブ |
制御装置 | 東洋電機製造製2レベルPWMIGBT-VVVFインバータ制御 (ベクトル制御) |
制動装置 | 抵抗式回生・発電ブレンディングブレーキ 電動ばね式ブレーキ(Tread-EBI) |
鹿児島市交通局1000形電車(かごしましこうつうきょく1000がたでんしゃ)は、2002年に営業運転を開始した鹿児島市交通局(鹿児島市電)の路面電車である[1]。愛称はユートラム[1]。
概要
アルナ工機および同社から事業を継承したアルナ車両の設計・製造による、日本初の国産超低床路面電車である[2]。当形式の増備に伴い500形が一部引退した[3]。
車両概説
車体
アルナ工機で「リトルダンサーA3」と発表されていた形式で、客室車体(C車体)を運転室車体(A・B車体)の間にフローティングした3車体連接構造である[4]。中間部は宙に浮いている[5]。台車は車端に寄せられたうえ、運転室車体に固定されており、独自に回転しない固定構造となっている[4]。行先表示器はLED式を採用している[1]。
車体は連接構造であるが登録上は3車体で1両である[要出典]。
車内
片持ち式ロングシートとなっており、うち2カ所を折り畳み式座席として車椅子スペースを確保できるようにしている[4]。また、液晶テレビもとりつけられており、広告映像などを放映している[1][注釈 1]。
主幹制御器は右手操作式ワンハンドルマスコンである。
機器
パンタグラフは、シングルアームが1基搭載されている[6]。制御装置は2140形以来のVVVFインバータ制御となり、素子は従来のGTOサイリスタに代わってIGBTを鹿児島市交通局の車両としては初めて採用した[1]。通常は床下に搭載される制御機器などは、C車体が超低床構造になっていることから、屋根上に搭載されている[1]。
歴史
2001年12月9日、谷山港に1両が到着した[7]。翌2002年1月15日から運行を開始する[1]。2003年には、鉄道友の会ローレル賞を受賞した[3]。2004年には定員を1次車の55人から58人に増やした増備車(2次車)の 1014F - 1016F が登場した[5]。
3次車の 1017F - 1019F が2005年に登場した[5]。車内混雑への対策のため乗車ドアを1m車体中央に寄せる改良がされている[5][注釈 2]。
2007年からは、5車体連接車の7000形電車が登場したため、当形式の投入は終了した。
なお2010年からは、1015に初の全面広告車も登場している。
年表
- 2002年(平成14年)1月15日 - 1011 - 1013が運行開始[8]。
- 2004年(平成16年)5月10日 - 1014 - 1016が運行開始[8]。
- 2005年(平成17年)3月2日 - 1017 - 1019が運行開始[8]。
次車ごとの差異
2次車では座席配置が1次車とは少し異なりがある[6]ほか、定員が3人増加した[5]。3次車では後部ドアの位置が前寄りに変更された[3]。
運用
7000形・7500形電車と共に固定運用となっており、各停留所の時刻表に表記されているほか、ホームページでも確認することができる。2014年4月22日に1014がバスと接触・脱線する事故が発生し、修繕のため運用から外れていたが、現在は運用に復帰している。2018年6月26日から7月18日まで100形電車の代走として観光電車の運用に就いた[9]。
愛称
愛称のユートラムは、優トラム・悠トラム・遊トラム・友トラム・YOUトラムからとったものであり、一般公募で選出されたものである。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 105頁
- ^ 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 103頁
- ^ a b c 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、145頁。
- ^ a b c 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 104頁
- ^ a b c d e 寺田 2023, p. 110.
- ^ a b 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、146頁。
- ^ 「「超低床」電車谷山港に到着」 南日本新聞 2001年12月9日 1面(朝刊)
- ^ a b c 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、142頁。
- ^ 鹿児島市交通局、1000形が観光列車を代走 - 鉄道ファン・railf.jp、2018年7月15日
参考文献
- 市田利廣(鹿児島市交通局電車事業課車両係長); 田島辰哉(アルナ工機株式会社車両事業部尼崎工場設計課長) (2002-04-01). “国産初の超低床路面電車 鹿児島市交通局1000形”. 鉄道ジャーナル2002年4月号 (鉄道ジャーナル社) 36 (4).
- 寺田裕一「路面電車40年の軌跡を訪ねて 鹿児島市交通局2」『鉄道ファン (雑誌)』第63巻第7号、交友社、2023年、110頁。
- 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、142,145 - 146頁。
外部リンク
- 路面電車の紹介 - 鹿児島市交通局
固有名詞の分類
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