鹿児島市交通局 1000形電車とは? わかりやすく解説

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鹿児島市交通局1000形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/02 09:02 UTC 版)

鹿児島市交通局1000形電車
基本情報
製造所 アルナ工機(1011 - 1013)
アルナ車両(1014 - 1019)
製造年 2001 - 2005年
主要諸元
編成 9編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流600V(架空電車線方式
最高運転速度 40 km/h
設計最高速度 40 km/h
車両定員 55人(1次車)、58人(2,3次車)
車両重量 19t
全長 14,000 mm
全幅 2,450 mm
全高 3,750 mm
台車 コイルばねボルスタレス/山形緩衝(シェブロン)ゴム
住友金属工業SS-01
主電動機 東洋電機製造TDK-6309-A (60kW)
かご形三相誘導電動機(クリーンストレーナ方式)
駆動方式 WNドライブ
制御装置 東洋電機製造製2レベルPWMIGBT-VVVFインバータ制御
(ベクトル制御)
制動装置 抵抗式回生発電ブレンディングブレーキ
電動ばね式ブレーキ(Tread-EBI)
第43回(2003年
ローレル賞受賞車両
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鹿児島市交通局1000形電車(かごしましこうつうきょく1000がたでんしゃ)は、2002年に営業運転を開始した鹿児島市交通局(鹿児島市電)の路面電車である[1]。愛称はユートラム[1]

概要

アルナ工機および同社から事業を継承したアルナ車両の設計・製造による、日本初の国産超低床路面電車である[2]。当形式の増備に伴い500形が一部引退した[3]

車両概説

車体

アルナ工機で「リトルダンサーA3」と発表されていた形式で、客室車体(C車体)を運転室車体(A・B車体)の間にフローティングした3車体連接構造である[4]。中間部は宙に浮いている[5]台車は車端に寄せられたうえ、運転室車体に固定されており、独自に回転しない固定構造となっている[4]行先表示器はLED式を採用している[1]

車体は連接構造であるが登録上は3車体で1両である[要出典]

車内

片持ち式ロングシートとなっており、うち2カ所を折り畳み式座席として車椅子スペースを確保できるようにしている[4]。また、液晶テレビもとりつけられており、広告映像などを放映している[1][注釈 1]

主幹制御器は右手操作式ワンハンドルマスコンである。

機器

パンタグラフは、シングルアームが1基搭載されている[6]。制御装置は2140形以来のVVVFインバータ制御となり、素子は従来のGTOサイリスタに代わってIGBTを鹿児島市交通局の車両としては初めて採用した[1]。通常は床下に搭載される制御機器などは、C車体が超低床構造になっていることから、屋根上に搭載されている[1]

歴史

2001年12月9日谷山港に1両が到着した[7]。翌2002年1月15日から運行を開始する[1]。2003年には、鉄道友の会ローレル賞を受賞した[3]2004年には定員を1次車の55人から58人に増やした増備車(2次車)の 1014F - 1016F が登場した[5]

3次車の 1017F - 1019F が2005年に登場した[5]。車内混雑への対策のため乗車ドアを1m車体中央に寄せる改良がされている[5][注釈 2]

2007年からは、5車体連接車の7000形電車が登場したため、当形式の投入は終了した。

なお2010年からは、1015に初の全面広告車も登場している。

年表

次車ごとの差異

2次車では座席配置が1次車とは少し異なりがある[6]ほか、定員が3人増加した[5]。3次車では後部ドアの位置が前寄りに変更された[3]

運用

7000形・7500形電車と共に固定運用となっており、各停留所の時刻表に表記されているほか、ホームページでも確認することができる。2014年4月22日に1014がバスと接触・脱線する事故が発生し、修繕のため運用から外れていたが、現在は運用に復帰している。2018年6月26日から7月18日まで100形電車の代走として観光電車の運用に就いた[9]

愛称

愛称のユートラムは、優トラム・悠トラム・遊トラム・友トラム・YOUトラムからとったものであり、一般公募で選出されたものである。

1011(1次車)
車内(1次車)
1017(3次車)

脚注

注釈

  1. ^ 営業開始当時は市電が走る鹿児島市内の写真が放映されていた。
  2. ^ 1000形の乗降口は車体の端にそれぞれ位置しているという構造から、特に乗車口に関して混み合っているとき乗りにくく、利用客から改善を求められていた。

出典

  1. ^ a b c d e f g 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 105頁
  2. ^ 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 103頁
  3. ^ a b c 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、145頁。 
  4. ^ a b c 『鉄道ジャーナル2002年4月号』 104頁
  5. ^ a b c d e 寺田 2023, p. 110.
  6. ^ a b 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、146頁。 
  7. ^ 「「超低床」電車谷山港に到着」 南日本新聞 2001年12月9日 1面(朝刊)
  8. ^ a b c 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、142頁。 
  9. ^ 鹿児島市交通局、1000形が観光列車を代走 - 鉄道ファン・railf.jp、2018年7月15日

参考文献

  •  市田利廣(鹿児島市交通局電車事業課車両係長); 田島辰哉(アルナ工機株式会社車両事業部尼崎工場設計課長) (2002-04-01). “国産初の超低床路面電車 鹿児島市交通局1000形”. 鉄道ジャーナル2002年4月号 (鉄道ジャーナル社) 36 (4). 
  •  寺田裕一「路面電車40年の軌跡を訪ねて 鹿児島市交通局2」『鉄道ファン (雑誌)』第63巻第7号、交友社、2023年、110頁。 
  • 『鹿児島市電が走る街 今昔』JTBパプリッシング、2007年、142,145 - 146頁。 

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