音楽、美術、文学でのパスティ
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「パスティ」の記事における「音楽、美術、文学でのパスティ」の解説
パスティは、様々な押韻詩や歌の主題となった。また、幾つかのシェークスピア戯曲を含む多くの文学作品にも取り上げられた。 パスティについて触れる著名な文学作品で最古のものは、12世紀のフランス人、クレティアン・ド・トロワによるコーンウォールでのアーサー王物語であり、シャンパーニュ伯のために著された。この作品には、以下の文がある: Next Guivret opened a chest and took out two pasties.(次にGuivretは箱を開けて2つのパスティを取り出した。)My friend,' said he, 'Now try a little of these cold pasties ... (「友よ、」彼は言う、「この冷たいパスティをちょっと食べてみないか…」) しかしながら、この文はフランス語原文では単なる「ペイストリー」を意味するか疑わしい。 その次に、1300年代のロビン・フッドの物語でパスティについて触れられる。 ジェフリー・チョーサーの14世紀の作品『カンタベリー物語』では、パスティに2度言及している。1箇所は All of pasties be the walls of flesh, of fish, and rich meat.(全てのパスティは肉と魚の壁となる) であり、2箇所目は pouches of dough that were small and portable rather than their next of kin, pot pies, which were very large and stayed on the table.(生地の容量は、同類で非常に大きくテーブルに置くのポット・パイに比べ、より小さく携帯用である) と、現代のパスティをまさに表現しているかのようである。14世紀および15世紀は、フランス人年代記作家ジャン・フロワサールは、人々が with botelles of wyne trusses at their sadelles, and pastyes of samonde, troutes, and eyls, wrapped in towels(ワイン瓶を鞍に縛り付け、サケ、マス、ウナギのパスティを布に包んだ) と著した。シェイクスピアの3作の戯曲で言及されている。『ウィンザーの陽気な女房たち』では第1幕1場で Wife, bid these gentlemen welcome. Come, we have a hot venison pasty to dinner: come gentlemen, I hope we shall drink down all unkindness(妻へ: 紳士達を歓迎しなさい。いらっしゃい、温かいパスティの夕食がありますよ。皆さんいらっしゃい、不親切を飲み干しましょう) と、『終わりよければ全てよし』では第4幕第3場でペーローレスが I will confess to what I know without constraint: if ye pinch me like a pasty, I can say no more(何でも知っていることを告白します。パスティのように私を閉じ込めたら、それ以上何も言えません) と言い、最後に『タイタス・アンドロニカス』では、タイタスはカイロンとディミートリアスの死体を焼いてパスティにして、彼らの母に食べさせている。16世紀には、ウィリアム・ホートン (William Haughton) の戯曲『Englishmen for My Money』または『A Woman Will Have Her Will』(1598年)の台詞 I have the scent of London stone as full in my nose, as Abchurch Lane of Mother Wall's pasties(アブチャーチ・レーン、Mother Wallのパスティのように、鼻いっぱいにロンドン・ストーン (London Stone) の匂いがした) がある。 1898年に、ロバート・モートン・ナンスは『The Merry Ballad of the Cornish Pasty(コーニッシュ・パスティの陽気なバラード)』を書いた。 When I view my Country o'er:Of goodly things the plenteous store:The Sea and Fish that swim thereinAnd underground the Copper and Tin:Let all the World say what it canStill I hold by the Cornishman,And that one most especially That first found out the Cornish Pastie. ウェストカントリー (West Country) ので1940年代当時の学童の遊び歌(playground-rhyme)に歌われた。 Matthew, Mark, Luke and John,ate a pasty five feet long,Ate it once, ate it twice, Oh my Lord, it's full of mice シリル・タウニー (Cyril Tawney) は1959年に「The Oggie Man」を作り、アルバム『A Cold Wind Blows』に含めた。 1964年に放送されたアメリカのテレビシリーズ『メイベリー110番(原題:アンディ・グリフィス・ショー)』 (The Andy Griffith Show) 第4シリーズ28話、「The return of Malcolm Merriweather」で、アンディ保安官と助手のバーニー・ファイフ (Barney Fife) のためにマルコムがパスティを作り、コーニッシュ・パスティは一方に肉とジャガイモがあり、他方にプラム・プディングを詰めると説明する。 1971年に、コーンウォールのフォーク歌手ブレンダ・ウートン (Brenda Wootton) が「パスティに何かしら関わりがある」歌をアルバム『Pasties & Cream』に収録した。 パスティは幾つかの小説に取り上げられている。ニール・ゲイマン著の『アメリカン・ゴッズ』 (American Gods) では、主要登場人物シャドウが架空の都市レークサイドのレストラン、メーベルズでパスティを見つける。続く物語で、神がアメリカを「改宗」させたと同様に、この料理がコーンウォール人によりアメリカで普及したことに言及している。他の文学作品には、リリアン・J・ブラウン著のミステリー小説のシャム猫ココシリーズがある。このシリーズでは炭坑員移住の伝統で有名な架空の地区ムース郡における伝統的で日常的な食べ物として度々描写され、主人公ジム・クィラランは、パスティ専門レストラン「ナスティ・パスティ(The Nasty Pasty)」で食事をしたり、パスティのコンテストも開催され、個人特有のレシピが事件解決への手がかりになったりする。パスティに関する記述は、ブライアン・ジェイクス (Brian Jacques) 著の小説レッドウォール伝説 (Redwall) シリーズもにあり、レッドウォール修道院のネズミとウサギのお気に入りのメニューである。パスティはまた、ウィンストン・グラハム (Winston Graham) 著の歴史小説『Poldark』シリーズで、この作品を原作としたBBCテレビシリーズと同様に言及されていた。 J・K・ローリング著の『ハリー・ポッターシリーズ』のいくつかで、パンプキン・パスティが食べられる。 ジェフ・ダニエルズ主演の映画『Escanaba in da Moonlight』では、物語の主要部分のユーモラスな場面でパスティを使用する。 ベル・アンド・セバスチャンは、「Le Pastie de la Bourgeoisie」(épater le bourgeois「ブルジョワを仰天させろ」の駄洒落)という曲を持つ。 ポール・スチュワートとクリス・リデル (Chris Riddell) 共著「Barnaby Grimes」シリーズの主人公は、『Return of the Emerald Skull』(2008年)で「Stover's Special」と呼ばれる、ラム、ニンジン、カブを詰め、他の端に香料を加えたリンゴやスルタナ(種なし干しブドウ)を詰めて、耐油紙に包んでポケットで保温したパスティを食べる。 コーンウォールのコメディアンでパスティに詳しいジェスロ (Jethro) は、本来のパスティは3つの区画がある - 更に小さいおまけが極先端にありアフターエイト(After Eight、ミント入りダークチョコレート)を詰める - と、冗談で主張する。
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