霊々(かみがみ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 17:57 UTC 版)
「千と千尋の神隠し」の記事における「霊々(かみがみ)」の解説
神道における八百万神(やおよろずのかみ)で、疲れを癒そうと油屋を訪れる。八百万の名の通り、姿形・性質・性格は様々。ロマンアルバムでは、霊々(かみがみ)と表記。 おしら様(おしらさま) 声 - 安田顕 福々しく肥え太った真っ白な大根の神として描かれている。裏返した朱漆の盃のような被り物をしている。 見も知らぬ千尋と突然出会うことになったが、驚くことも物怖じすることもなく、付き添えなくなったリンに代わって、湯婆婆の所へ行く千尋に付き添ってくれる。その後は、扇子を持って舞踊を楽しんだり、茶色の正装姿で、帰る千尋を見送ったりしている様子が描かれている。ちなみに、霊々が船から降りてくる場面や、千尋が湯屋の外階段を降りる直前に橋を渡る霊々が映る場面でも、正装姿である。2柱(ふたはしら)同時に映るシーンが作中にある。ジブリスタッフによると、この神様(名前の由来になった神様もそうらしい)は、子供が好きなので、千尋に親切にしてくれたという。 春日様(かすがさま) 1柱ではなく、続々と参集する様子が描かれており、少なくとも数十柱が訪れている。 人間のような姿をしていながら体は見えず、それでいて物に影を落とす。見えない体に紫の冠を被り、深緋の官衣を着て、見えない顔には舞楽面の一種である蔵面をつけている。蔵面は舞楽の曲目ごとに描かれる顔の図柄が異なるが、作中のものは曲目『胡徳楽』などに用いられる蔵面である。移動するのに歩いている様子はなく、空中を浮いて滑るように動く。春日様が列をなして船から降りてくる場面では、宙に浮いた蔵面と体の影が移動しているように見える。その後、陸に上がる直前に蔵面から冠と服が現れる。硫黄の上の湯に入っている。おしら様と連れ立ち、扇子を振って千尋を讃えている様子も描かれている。 牛鬼(うしおに) 大きな頭に鹿の角のような枝角を生やした、ずんぐりむっくりな体形の鬼(牛のような枝分かれしていない二本角の者や、舞楽の曲目『蘇利古』に使われる蔵面をつけ、イカのような手足の者もいる)。性格的にも造形的にも、禍々しい妖怪・牛鬼ではなく、地方祭で親しまれている牛鬼(cf. 牛鬼#祭礼の牛鬼)の様である。 オオトリ様(オオトリさま) 元は食べられてしまったり、卵のまま生まれてこられなかったひよこの神様だともいわれる。 大勢で風呂に入っている。外を歩く時、大きな葉を頭にのせている。 おなま様(おなまさま) 二本角の鬼の姿、手には包丁を持ち、蓑を羽織っているのもなまはげと変わらないが、蓑は稲藁ではなくくすんだ緑色の木の葉でできている(鹿のような枝角の者もいる)。 ひとことぬし様、のの様、あんが様(ひとことぬしさま、ののさま、あんがさま) 厨房で働く蛙男達のセリフ中に名前が登場する。ひとことぬし様に関しては、オクサレ様が来た時に逃げる霊々の中に赤い冠に「言」と書かれた神が登場している。 オクサレ様(オクサレさま)/ 河の神(かわのかみ)・河の主(かわのぬし) 声 - はやし・こば 水に溶けた流動性の高い泥が集まって巨大な一塊になったような姿をしていて、這うように移動する。動くたびに泥が体の表面を流動する。その泥は人間が河に捨てたごみと汚れをたっぷり含んだヘドロで、それゆえにすさまじい悪臭を放つ。その臭気は朝食としてリンが調達してきたご飯を少し離れた所からでも一瞬で腐らせるほど危険なもので、湯婆婆を始めとする湯屋の者は皆慌てふためきながら迎え入れることになる。リンがまだ朝食の調達から戻っていなかったので、千尋だけが湯婆婆の命令で、彼から料金を受け取り、世話をした。これほどひどい汚れは千尋とリンが、オクサレ様が湯屋に来る直前の風呂釜の中の掃除中に、こびりついた汚れを落とそうとしてためた薬湯では落ちなかった。千尋が足し湯をしようと、薬湯の札と風呂場の壁の仕掛けを使った。その後、ヘドロに足を取られながらも釜へ進んでいき、釜の上の綱を右手で引くと同時に、釜の縁をつかんでいた左手が滑り、釜の中に転落し、底にたまっているヘドロに頭から埋まってしまう。逃れようともがく千尋の体を引き抜いて助け出してくれたのはオクサレ様であった。湯屋の者は、彼を本物のオクサレ様、つまり「腐れ神(くされがみ)」 だと外見だけで決めつけていて近づかず、リンは釜爺にありったけの薬湯を出すように頼みに行っていて、千尋だけが世話をしていたので、オクサレ様の体に刺さって抜けない棘のようなものに千尋だけが気づき、従業員達と協力して引き抜いたことで、長年にわたってオクサレ様の体の表面についたり、飲み込んでしまったごみや汚れが、堰を切ったように吐き出され流れ落ち、神は本来の姿を取り戻す。湯婆婆曰く、正体は「名のある河の主(河の神)」であった。その姿は、河の流れそのものであろう半透明で不定形な長い龍のような体(ロマンアルバムでは白蛇の体)に、能面の「翁」の仮面の様な顔を持つ、優しそうでありながら神々しいものであった。河の神は「よきかな」と言った後、笑い声をあげながら湯屋の高所にある格式高い唐破風の大戸から飛び去っていくが、去り際には世話になった千尋に謎の団子「ニガダンゴ」を与え、湯屋には大量の砂金を残していった。 お台所さま(おだいどころさま) 千尋が息を止めてハクと橋を渡る際に登場。頭に大きな笠を被り、笠の縁から包丁や鍋等の台所用品をぶら下げている。 むすびさま 千尋が番台蛙に薬湯の札を貰いに来た時に登場。ピンク色の体で葉団扇を持っている。縁結びの神であり、「むすびさま」の愛称はアニメージュ誌上にて読者の一般公募で決められた。 石神様(いしがみさま) オクサレ様が来た日に、春日様と共に蓬仙湯に予約を入れていた神。名前のみ登場する。
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