菊水七号作戦とは? わかりやすく解説

菊水七号作戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 07:13 UTC 版)

菊水作戦」の記事における「菊水七号作戦」の解説

「菊水七号作戦」・「第八航空総攻撃」(5月24日 - 27日1945年5月22日戦線崩壊危機直面していた第32軍は、このまま首里陣地玉砕するか、南部撤退しさらなる持久戦続けるか、今後作戦方針協議する会議を軍参謀師団旅団参謀集めて開催したが、会議結果南部撤退案が軍の方針となり25日から移動開始決められた。同日に「菊水七号作戦」と「第八航空総攻撃」が開始される予定であったが、天候不順により2日延期され5月24日発令となったこの頃になると海軍で実用機欠乏し練習機白菊」を特攻機として投入している。宇垣白菊特攻初出撃直々に見送っているが、燃料満載し爆弾搭載した白菊速度遅くピケットライン突入した白菊から、アメリカ軍駆逐艦8590ノット166㎞/h)で追いかけられているといったアメリカ軍無線聞いた宇垣は「夜間兎も角昼間戦闘機会して一たまりもなき情なき事なり・・・数あれど之に大なる期待はかけ難し。」と厳し評価下し夜間黎明限定して投入することとしている。この用兵功を奏し白菊この後戦果挙げていくこととなった詳細は「白菊 (航空機)#白菊特攻隊」を参照 特攻支援するため、5月24日には義烈空挺隊による沖縄本島飛行場への空挺奇襲作戦義号作戦)が実施された。義烈空挺隊サイパン島B-29破壊投入される計画で、隊長奥山道郎大尉以下猛訓練積んでいたが、その後沖縄投入するため1945年5月2日に第6航空軍指揮下に編入されていた。12機の九七式重爆撃機敵飛行場強行着陸し、搭乗している120名の空挺隊員重爆搭乗員32名が軽機関銃短機関銃小銃手榴弾九九式破甲爆雷などの装備により地上敵機撃破し飛行場一時使用不能とし、特攻による艦船攻撃援護するという作戦だった 詳細は「義烈空挺隊#出撃」を参照 義烈空挺隊突入露払いとして、陸海軍爆撃機によるアメリカ軍飛行場への夜間攻撃おこなわれた爆撃機時限信管式の爆弾使用している。5月24日中の日本軍による飛行場空襲は6回を数えていたが、7回目となる5月24日22時に、5機の九七式重爆撃機読谷飛行場低空飛行突入してきた。アメリカ軍激し対空砲火に4機が撃墜されたが、残り1機が滑走路上に胴体着陸成功した機体の中から10名~11名の完全武装空挺隊員飛び出してくると、滑走路上の航空機手榴弾爆雷投げつけ、アメリカ軍守備隊激し銃撃戦行ない読谷飛行場地獄さながら混乱追い込んだ空挺部隊全員戦死したが、アメリカ軍20名が死傷し33機の航空機が完全撃破損傷を受け、ドラム缶60070,000ガロン航空燃料焼失した日本軍伊江島飛行場爆撃したが、ここでも60名のアメリカ兵死傷している。 5月23日から27日にかけて海軍作戦機387機、うち特攻機107機を投入陸軍作戦機174機、うち特攻機61機を投入した5月24日義烈空挺隊飛行場への夜間攻撃アメリカ軍飛行場少なくない損害与えたが、海軍これまで沖縄飛行場攻撃してきた夜間戦闘機芙蓉部隊が、慰労会酒宴開催しており攻撃参加していないなど、初めから陸海軍連携足並み揃ってなかった。また、5月24日から天候崩れ出撃しても帰還する特攻機相次いで折角の義烈空挺隊のあげた成果活かすことができなかった。第6航空軍司令官菅原作戦について、「後続を為さず、又我方も徳之島利用等歩を進めず、洵(まこと)に惜しきことなり尻切れトンボなり。引続く特攻隊投入天候関係など、何れも意に委せず、之また遺憾なり」と評している。 出撃した特攻機中には桜花部隊としては第1回目野中隊に次ぐ規模となった第9桜花神雷部隊12機も含まれていた。日本海軍期待大きく豊田副武海軍総司令長官が自ら別杯の酒を注ぎ出撃見送りその様子は日本ニュースでも放映されたが、スコール見舞われ多くの機が桜花射出するともなく引き返している。他の特攻機多く桜花同様に天候不良により引き返しており、沖縄突入した機は限られたとなったが、輸送駆逐艦ベイツ中型揚陸艦LSM-135を撃沈掃海駆逐艦バトラー輸送駆逐艦ローパー・フォレスト、駆潜艇PC-1603、掃海艦スペクタクル再起不能となる損傷与えた

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