英独建艦競争とは? わかりやすく解説

英独建艦競争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 02:05 UTC 版)

弩級戦艦」の記事における「英独建艦競争」の解説

ドレッドノート建造時期イギリスドイツの間が緊張増してきた時期でもあった。イギリス海上覇権対抗するための用心深い政策一環としてドイツ1890年代大きな戦艦艦隊造り始めた1904年イギリスフランス英仏協商締結したことで、イギリス主たる海上仮想敵ドイツであることはますます明らかとなったドイツティルピッツ艦隊法に基づき大規模最新艦隊築きあげつつあった。この競争は、第一次世界大戦前時期における2つ巨大な弩級戦艦艦隊生み出す結果となったドレッドノートへのドイツ最初回答は、1907年起工されたナッサウ級戦艦だった。そしてその後1909年ヘルゴラント級続いた。それらと2隻の巡洋戦艦ドイツはこの艦種フィッシャーのように熱心でなく、正式に主力艦でなく装甲巡洋艦として建造した)を合わせて1909年時点完成または建造中のドイツ最新主力艦10隻を数えたイギリス艦はドイツ対抗よりもいくぶんより高速かつ強力だったが、保有比率イギリス海軍望んだ2:1には遥かに及ばず12:10まで落ち込んだ1909年イギリス議会は、ドイツ戦艦保有数についての条約交渉応じるという希望留保しつつ、さらに4隻の主力艦建造承認した。そして条約による解決得られないならば、さらに4隻の戦艦1910年起工することになっていた。この妥協的な結論ですら、1909-10年に(いくつかの社会変革ともあいまって憲法危機招きかねないほどの増税必須であることを意味した結局1910年には、イギリスは4隻のオライオン級超弩級戦艦を含む8隻の建艦計画進めることとなり、さらにオーストラリアとニュージーランド購入する、その名を持つ2隻の巡洋戦艦加わった。同じ期間でのドイツ戦艦起工は3隻にとどまったため、イギリス優位22:13まで高められた。イギリスがこの建艦計画示した決意は、建艦競争終了への妥結の道をドイツに探らせることとなった海軍本部新たな目標である対独60%優位という数値は、ティルピッツ目指し50%という数値かけ離れたものではなかったが、交渉は、イギリス連邦諸国巡洋戦艦を数に含めかどうかという問題や、さらにはアルザス=ロレーヌドイツ領有認知といった海軍関係ない問題にまでおよび、結局決裂した弩級戦艦建艦競争1910年1911年一段と過熱しいずれの年もドイツは4隻、イギリスは5隻の主力艦起工した緊張1912年ドイツ艦隊法成立によって頂点達した。これは戦艦巡洋戦艦合わせてイギリス本国海域におけるよりも多い33隻という数を保有しようというものだったイギリスにとってさらに悪いことには、イタリア海軍が4隻を保有し、かつさらに2隻を作ることに対応してオーストリア=ハンガリー帝国海軍も4隻の弩級戦艦作り始めた。それらの脅威局面して、イギリス海軍はもはやイギリスにとって不可欠な支配力保証することはできなかった。イギリスは、さらに多く戦艦建造するか、地中海から撤退するか、フランスとの同盟模索するかのいずれか選択しなければならなかった。社会福祉の提供に関す予算要求叫ばれていたその当時費用のかさむ海軍の増強は到底容認されるものではなかった。地中海からの撤退イギリスの影響力大きく損ね地中海でイギリス外交無力化し大英帝国安定性揺るがすことになるはずだった。唯一許容できる選択は、海軍大臣ウィンストン・チャーチル勧める過去方針決別してフランス同盟を結ぶことだった。イギリスフランス北の海岸を保護する一方フランス地中海でイタリアオーストリア=ハンガリー牽制する責任負った一部政治家反対があったにもかかわらずイギリス海軍1912年に、この原則によって自身の再組織行った。 これらの重要な戦略的な動きにもかかわらず1912年艦隊法戦艦保有比率にはほとんど影響しなかった。ドイツ戦略資源陸軍集中させたため新たな起工が5隻にとどまったのに対しイギリス1912年-1913年予算新たに10隻の超弩級戦艦武装速力防御のすべてについて新たな革新行ったクィーン・エリザベス級とリヴェンジ級 — を起工することで対応した

※この「英独建艦競争」の解説は、「弩級戦艦」の解説の一部です。
「英独建艦競争」を含む「弩級戦艦」の記事については、「弩級戦艦」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「英独建艦競争」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「英独建艦競争」の関連用語

英独建艦競争のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



英独建艦競争のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの弩級戦艦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS