英熟語の類型とイディオムとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 英熟語の類型とイディオムの意味・解説 

英熟語の類型とイディオム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/05 03:08 UTC 版)

英熟語」の記事における「英熟語の類型とイディオム」の解説

複数単語連結して別の意味になる表現イディオム)は、典型的な英熟語である。例えば、“sour grapes”(「すっぱいブドウ」が直訳)や“beat around the bush”(「やぶのまわりをたたく」が直訳)は、それぞれ負け惜しみ」、「遠まわしほのめかす」という意味で慣用される。前者は語が主体となる語彙イディオム(lexical idiom)、後者は句全体主体となる句イディオムphrasal idiom)に分類されるが、両者とも高いイディオム性(idiomaticity)を有しているという共通点がある。なお、文法的に1単語とみなすことのできる“goldfish”(金魚) や“ice cream”(アイスクリーム)などは言語学的に語彙イディオム一種であるといえるが、通常英熟語範疇加えない英熟語類型のうちに代表的なものに「群動詞」(group verb)と「複合前置詞」(complex preposition)が挙げられる群動詞は、動詞副詞前置詞連なって文法的に1つ動詞同様にふるまう表現である。例えば、「…を世話する」という意味の“look after …”は構造的には2語であるが、“She looks after her baby.”→“Her baby is looked after by her.”等の書き換えが可能であるように、あたかも1つ他動詞のようにふるまっていることがわかる。群動詞受験英語に おいて好まれる用語であるが、最近英語学においては句動詞」(phrasal verb)とも呼ばれる複合前置詞は、名詞前に複数単語を置き、全体形容詞句もしくは副詞句とする機能をもつ表現である。最近英語学においては「句前置詞」(phrasal preposition)とも呼ばれる例えば“He lived next to the river.”における “next to …”(…の近くに)の類がそれである。この文では、下線部が“lived”を修飾する副詞句になっている複合前置詞には“without”(with + out)のように完全に複合して1つ単語になったものも存在するが、これは英熟語みなされない群動詞複合前置詞におけるイディオム性程度はさまざまであり、“put up with …”(…を我慢する)、“by dint of …”(…のおかげで)などは、イディオム性が高いといえるが、“walk across …”(…を歩いて渡る)、“because of …”(…が原因で)など、ほぼイディオム性認められないものもある。日本英語教育においてはイディオム性程度かかわらず、すべてを「英熟語」とみなしている。この点がいわゆる英熟語」と言語学における術語としてのイディオム」の大きな相違点である。 このほか、形容詞として機能するas is”(ありのままの)、副詞として機能するafter all”(結局)、接続詞として機能するlet alone …”(…は言うまでもなく)など、英熟語みなされる表現多様である。 また、後続する前置詞句形容詞補足する文の場合、「述語動詞 + 形容詞 + 前置詞」の形で1つ熟語として収録している熟語集も多い。“He is proud of his daughter.”における“be proud of …”(…を誇りとする)、“She is good at sports.”における“be good at …”(…が得意である)などがその例である。 同じ意味の表現でも、例えば「…を誇りとする」を意味するbe proud of …”、“pride oneself on …”、“take pride in …”のように後続する前置詞それぞれに固定的であることが多い。このような表現における前置詞使い分けは、非母語話者にとって厄介な問題であり、まとまった表現として暗記したほうが効率がよい。 さらに、市販英熟語集には、“make trouble”(トラブル起こす)、“consult a doctor”(医者診てもらう)のような単語のもつ本来の語義から十分解可能な表現さえも収録していることもある。これらの表現確かに用例として頻度高く時に固定的であるが、典型的なイディオム比べ単語同士凍結度(frozenness)が低くコーパス言語学corpus linguisticsにおいては、「コロケーション」(collocation)と呼ばれている。前述の「述語動詞 + 形容詞 + 前置詞」の形式表現コロケーション一種である。日本においてはコロケーションに対して連語という訳語が与えられることもあるが、英熟語連語区別曖昧であることが多い。

※この「英熟語の類型とイディオム」の解説は、「英熟語」の解説の一部です。
「英熟語の類型とイディオム」を含む「英熟語」の記事については、「英熟語」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「英熟語の類型とイディオム」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「英熟語の類型とイディオム」の関連用語

1
10% |||||

英熟語の類型とイディオムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



英熟語の類型とイディオムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの英熟語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS