結成から活動休止まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/10 18:00 UTC 版)
「サイバーニュウニュウ」の記事における「結成から活動休止まで」の解説
1981年に大阪で前身となるバンドが結成される。その後86年に上京、都内ライブハウスやホコ天などでライブを展開し、89年頃からバンド名を「サイバーニュウニュウ」とし方向性をリニューアル、メカニックな衣装やSFXを駆使したパフォーマンスを取り入れ注目を集めた。また、同年より自主レーベルの「高慢レーベル」を主宰し、カセットテープで『未開派野郎』を発売する。ジャケットはメンバー3人の顔写真とサザエボン、真空管飛之助別バージョンの5種類が存在し、テープのホールにケースごとネジが刺さっているという、スタッフ、メンバーがはんだごてで手作りした特殊仕様になっている。内容は、後にイカ天等で演奏される「ひねりつぶせ!」や「ベガスのエルビスになりたい」、「恋してクルパー」など、インパクトの強い楽曲が並び、"サイバーロック" "バグパンク"などと形容される彼らのイメージが最も色濃く出ている作品である。なお、高慢レーベルからはこの他に、サザエボンのステッカーやTシャツ、メカエルビスのマスコット人形、お面、レーベルのステッカー、「未開派通信」と呼ばれるバンドの情報が記載された新聞などが販売されていた。 1989年11月4日放送の三宅裕司のいかすバンド天国(イカ天唯一の録画放送回である)に、「ひねりつぶせ!」を引っさげエントリーナンバー2番で登場した。BEGINのグランドイカ天キング達成による正キング不在のため、仮イカ天キングとなっていたカブキロックスとの外見と演奏双方に特徴を有するバンド同士の対決を制して第13代イカ天キングとなる。キャッチフレーズは「チームワークで奏でるバグパンク」だった。勝ち抜き一週目となる翌週は新曲「ベガスのエルビスになりたい」をもって挑んだが、チャレンジャーのたまに審査員投票5対2で敗れてキング在位は一週限りで終わった。 イカ天出演後、ライブの観客動員が増えてゆく中、90年5月にイカ天とビッグコミックスピリッツとのコラボ企画「イカスピ」に出演、サイバーニュウニュウは漫画家中川いさみとコラボレートし、「恋してクルパー」、「くまのプー太郎」、「自由」(RCサクセションのカバー)などを演奏した。また、この時期のライブに、同じくイカ天出演バンド使用済みパンティーズのメンバーであったタンバリンダが勝手に参加し、ステージで踊っていた。 8月には4曲入りEP『すいか割り』を発売する。RAMONESの「Beat on The Brat」の日本語カバーである表題曲や、メカエルビスによる「生き神様」など、前作同様独特のねじれたユーモアセンスの光る、パンク色の強い作品になっている。また、アートワークやクレジットなどの細かい箇所にも馬鹿馬鹿しいこだわりを見せており、「個人で楽しむ以外に無断で異物を挿入することは法律で禁じられています。」などと、実に下らないことが書かれている。その他、封入されているレーベルの通販カタログやファンクラブのチラシなど、自主制作特有の手作り感覚が楽しめる。 10月にはフルアルバム『秘密のバス』を発売。前作までのパンク色と馬鹿馬鹿しさを前面に出した作風とは打って変わり、アルバムを通して変わらない退屈な日常への怒りや苦悩、焦燥感、絶望感、狂気といった鬱蒼とした心情が書き綴られている。曲調もパンクだけでなくアコースティックなものなどもあり、バンドの新しい一面を見せたが、楽曲に勢いがなくなったことや、アマチュアのセルフプロデュースということもあり、アレンジなどの面でやや物足りなさを感じる仕上がりになっている。また、曲中にバスが走る音や停留所に停まる音が効果音として入っており、「退屈な日常からバスに乗って非現実に逃げ出す」というストーリー性を感じさせるコンセプチュアルな作品でもある。同じく10月にはバンダイから発売されたオムニバスCD『バンド・スクランブル-PUNK#ROCKでGO!GO!GO!-』に参加している。当時のアマチュアバンドを紹介したオムニバスであり、同じくイカ天出演バンドの梅ジェラやLOCKSが参加している。サイバーニュウニュウの楽曲は「荒野の女王様」「ロンドンぽくなくっちゃ」の2曲が収録されている。前者はアラバマ辺りを思わせるブルージーな感じが馬鹿馬鹿しく、レプリシンとメカエルビスのツインボーカルが光る秀曲であり、後者も彼らの楽曲の王道を行くパンキッシュな秀曲である。 91年にはバンドブームが下火になり、目立った活動が少なくなるが、8月にイカ天の後番組である『えびぞり巨匠天国』(通称えび天)で斎藤久志が、彼らの楽曲「キリコ」を用いた映像作品を出品する。内容は痴情の果ての男女を描いた極めてグロテスクなものであった。ちなみに斎藤久志監督の映画では、『はいかぶり姫物語』『はじめての夏』をはじめとした多くの作品でメカエルビス(村山竜二名義)が音楽を担当した。また、『サンデイドライブ』『いたいふたり』などの作品でレプリシンが金澤信一名義で音楽を担当している。 10月には東芝映像ソフトよりビデオ映画『ザ・採用マン』が発売されるが、この作品の音楽をメカエルビスが担当しており、メカエルビスが作詞作曲・メインボーカルを担当したサイバーニュウニュウの楽曲「㋖印」が主題歌として収められている。また、この作品の中で使用されている音楽のいくつかはサイバーニュウニュウの演奏による。 1992年まではライブ活動を継続していたが、同年をもってバンドとしての活動を休止した。活動休止の理由として、「ライブ中の不慮の事故でメカエルビスが破損した」ことが後年にオフィシャルサイト等で明かされている。
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