第5の哨戒 1944年10月 - 12月・信濃撃沈とは? わかりやすく解説

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第5の哨戒 1944年10月 - 12月・信濃撃沈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 17:23 UTC 版)

アーチャーフィッシュ (潜水艦)」の記事における「第5の哨戒 1944年10月 - 12月・信濃撃沈」の解説

10月30日1330分、アーチャーフィッシュ5回目哨戒日本近海向かった11月9日前進基地のあるサイパン島到着し整備行った後、11月11日出撃11月14日に「ヒット・パレード」と呼ばれる哨区に向かうよう指示された。アーチャーフィッシュの哨区は、南北本州沿岸から北緯3310分まで、東西潮岬以南から東経13915分までであった。この哨戒での主な任務東京空襲参加するB-29クルー対す支援活動であった11月24日になって中島飛行機工場対する初のB-29による東京空襲開始されたが、アーチャーフィッシュ出番はなかった。また、哨区に到着した頃には隣の哨区で活動していたスキャンプ (USS Scamp, SS-277) の安否を問う情報11月26日まで数回入ってきた。11月27日アーチャーフィッシュは「その日より48時間空襲実施されない」という連絡を受ける。これは、事実上48時間の間は救助活動のことに気を取られず、艦船攻撃できること意味していた。東京湾浦賀水道沖で潜航哨戒をした後、調子今ひとつだったレーダー修理しつつ西に向かって航行した20時30分ごろには、藺灘波島視認したが、レーダー探知できなかった。 その約18分後の2048分、ようやく調子戻ったレーダー複数目標探知し同時に見張り右舷前方黒影発見したアーチャーフィッシュ速度をたびたび調節しながら追跡続けている間、エンライト艦長目標大和型戦艦であろう大和型戦艦であってほしいと夢見たが、シルエット観察した感じからタンカーであろう判定した。この目標こそ、第17駆逐隊駆逐艦雪風磯風浜風)に伴われ横須賀出航した艤装半ばにて呉海軍工廠回航途中空母信濃に他ならなかった。アーチャーフィッシュ戦闘配置令してなおも追跡2140分ごろには空母であろう判断された。しかし、2250分ごろに駆逐艦接近しアーチャーフィッシュ艦尾駆逐艦向けて距離を置いた。しかし、駆逐艦攻撃せず引き返し、それと同時に信濃との距離も開いてしまった。23時30分、アーチャーフィッシュ信濃発見司令部打電した11月29日迎えて依然触接続けていたが、信濃駆逐艦ジグザグ航行をするので、アーチャーフィッシュ次第信濃前に出るような形となった。2時30分、2度目報告打電。その直後3時ごろ、ほぼ西方向かっていた信濃南方向き変えアーチャーフィッシュのいる方向向かってきた。アーチャーフィッシュ潜航し魚雷発射準備急いだエンライト艦長は、信濃転覆させる意図以って魚雷深度10フィート(約3メートル)に設定させていた。この時点で、相手信濃)が艦型識別帳に掲載されていない未知の艦だということ判明した3時18分に浜名湖南方176キロ地点魚雷6本を、信濃艦尾方向から艦首方向向けて発射したこのうち4本が命中しアーチャーフィッシュでは爆発音6つ聴取した直後爆雷攻撃3時45分ごろには止み海中じっとしていた。信濃被雷後およそ7時間後の10時57分に和歌山県南端潮岬熊野灘北緯3307東経13704分 / 北緯33.117度 東経137.067度 / 33.117; 137.067(日本資料では北緯3306東経13646分 / 北緯33.100度 東経136.767度 / 33.100; 136.767)で、右舷から転覆し沈没したこの様子は、ソナー通じた重々しい爆発音の形で、海中アーチャーフィッシュにも探知された。やがてアーチャーフィッシュ浮上し18時30分信濃撃沈B-29のための気象報告司令部打電した12月8日から9日には2隻の艦艇に対して追跡の上攻撃行ったが、成功しなかった。 12月15日アーチャーフィッシュ48日間行動終えてグアムアプラ港に帰投した。報告でのすったもんだの末、アーチャーフィッシュ28,000トン空母撃沈した認定されアーチャーフィッシュはこの功績により殊勲部隊章受章された。アメリカ軍信濃撃沈自体無電傍受察知していたが、信濃川由来する名前の巡洋艦改造空母思い込んでいた。 アメリカ軍信濃正体知ったのは1946年になってからのことで、エンライト海軍長官ジェームズ・フォレスタルから海軍十字章を、ハリー・S・トルーマン大統領から部隊感状授与された。

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