第三次ソロモン海海戦とは? わかりやすく解説

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第三次ソロモン海海戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 14:01 UTC 版)

綾波 (吹雪型駆逐艦)」の記事における「第三次ソロモン海海戦」の解説

綾波」の名を高めたのがこの海戦である。 1942年11月14日から翌日にかけて行われた第三次ソロモン海戦第二夜戦で「浦波」、「敷波とともに第2艦隊第3水雷戦隊所属していた「綾波」はガダルカナル島(図の下側陸地飛行場砲撃に向かうため、近藤信竹中将麾下戦艦霧島」と「高雄」「愛宕」の重巡2隻の射撃隊(図でE)、軽巡長良」以下駆逐艦6隻の直衛隊(図でD)、そしてこの2隊の前路警戒にあたるための掃討隊として、軽巡川内」以下「綾波」、「敷波」、「浦波」の計4隻でサボ島(図の左上小島付近航行していた。間もなく掃討隊はサボ島近海哨戒にあたるべく、「川内」「綾波」がサボ島西側へ、「敷波」「浦波」がサボ島東側へと2つ分離した。 ところがここでサボ島東側航行していた「浦波」が単縦陣サボ島南水道を西に向かって航行する敵艦隊らしきもの発見。「川内」に報告すると共に追尾始めた。これが戦艦サウスダコタ」(USS South Dakota, BB-57)、戦艦ワシントン」(USS Washington, BB-56)を含む米主力艦隊(図でA)であった。「綾波」と航行していた「川内」は「浦波」隊支援のため分離サボ島北側通って浦波」隊に合同すべく急速に綾波」から離れていった。 こうして「綾波」のみで当初の予定通りサボ島西側哨戒航行することとなり、予定では「綾波」(図でB)は単艦でサボ島南側回って掃討隊主隊(図でC)と合同するはずであった。 そしてこの分離が「綾波」の運命決めることとなる。 21:16サボ島南水道に進入した綾波」の見張員が艦首方向右寄り距離8000単縦陣航行する艦隊発見。この時点で既に米艦隊交戦していた掃討隊主隊の「川内」から日本艦隊全艦へ通報した"敵艦発見"の報告綾波には届いていなかった(サボ島電波遮られものといわれている)。即座に艦長作間英邇中佐が「右砲戦、右魚雷戦」を命じ、主隊に「敵は駆逐艦4隻、重巡1隻」(戦艦ワシントン誤認である)と通報した上で30ktに増速して突撃開始した。この時「綾波」にとって不運だったのがサボ島東側展開していた掃討隊主隊の「川内」以下3隻が形勢不利とみて一時後退始めた直後だったことである。従って「綾波」は戦艦2駆逐艦4隻の米艦隊対し単艦で突入する格好になってしまったのである突撃してきた「綾波」に気づいた米艦隊砲撃始めた直後21:20、距離5000になったとき艦長砲撃開始下令初弾が敵3番艦「プレストン」(USS Preston, DD-379)を捉えさらに敵一番艦「ウォーク」(USS Walke, DD-416)にも命中火災発生させた。また、21:33には戦艦サウスダコタ」(USS South Dakota, BB-57)に命中弾を与え、同艦は損傷人的ミスによる電気系故障により、副砲群とレーダー大半一時的に沈黙する綾波サボ島背景にしていたため米海軍レーダーは島と艦を同時に捉えて照準ができず、肉眼見て艦影が島に黒く滲んで視認困難だった。 しかし「綾波」は21:22敵艦隊からの集中砲撃晒され第1煙突命中した一弾によって魚雷発射前に1番連管故障3本魚雷装填され発射管は艦軸線向いたまま旋回発射不能となり、同時に左舷積んでいた艦載内火艇のガソリンタンクから発生した火災によって魚雷が炙られる状態となった。2130艦長攻撃可能な2番3番連管による攻撃下令発射した魚雷21:33、米駆逐隊次々と命中し、「ウォーク」の艦首部命中した一本前部主砲弾薬庫誘爆させ、同艦は21:43沈没。さらに2番艦「ベンハム」(USS Benham, DD-397)艦首部にも命中し、同艦は艦首潰れて航行不能となり艦隊から落伍した。「ベンハム」は翌15日応急修理成功して5ktで「グウインと共にエスピリッツサントに向かうものの、13:37時に再び破口が開き沈没した。 こうして戦果挙げたものの、米駆逐艦砲撃戦艦ワシントン」の副砲射撃による反撃で「綾波」は次々と命中弾を受け2番砲塔被弾し沈黙、さらに機関室に2発被弾して航行操舵共に不能となってしまった。ここで別働隊である直衛隊の軽巡長良」以下駆逐艦五月雨」「電」「白雪「初雪」の計5隻(「朝雲」「照月」は射撃隊の直衛で分離)が戦場到着する。ここでも激し戦闘繰り広げられたが米艦隊3番艦の「プレストン」は「綾波」の砲撃による火災酷く日本艦隊格好目標となり航行不能となって間もなく沈没してしまった。さらに直衛隊は4番艦「グウイン」(USS Gwin, DD-433)の機関部にも損傷与え艦隊から落伍させる。 この後さらに「霧島」と「サウスダコタ」、「ワシントン」による戦艦同士による砲撃戦が行われることになるがここでは割愛する被害甚大となって漂流始めた綾波」ではあったが、喫水線下への被弾はなかったため浸水はしなかった。しかし上甲板火災は既に消火不能となっており、魚雷誘爆時間の問題見た艦長総員退艦を下令生存者全員海へ飛び込み救助駆けつけ浦波収容された。「浦波」に生存者全員救助された後、23:46遂に魚雷誘爆。翌15日00:062度目の大爆発おこした綾波沈んでいったという。戦闘での戦死者27名。浦波収容された後に死亡した者も含めて戦死者42であった艦長作間英邇中佐以下、生存者一部ガダルカナル島渡ったその後作間中佐輸送任務のためにカミンボにやってきた伊17便乗しトラック経由横須賀移動した沈没後に漂流していた兵士たち士気は、大戦果を上げた(その当時は「綾波」と刺し違え敵艦3隻を撃沈しそのうち1隻は重巡洋艦だったと戦果誤認していた)ため非常に高揚しており、沈没前爆雷安全装置をつけて海に沈め浮遊物散々投げ込んだ後、海に飛び込んでいたため溺死圧死の心配もなかった。そのため自艦が沈没したにもかかわらず漂流中に軍歌合唱している兵士たちもいたほどだったという。 駆逐艦綾波」は第三次ソロモン海戦沈没した重巡衣笠」、駆逐艦「暁」、「夕立と共に12月15日附で除籍帝国駆逐艦籍、第19駆逐隊白雪駆逐艦それぞれから削除された。

※この「第三次ソロモン海海戦」の解説は、「綾波 (吹雪型駆逐艦)」の解説の一部です。
「第三次ソロモン海海戦」を含む「綾波 (吹雪型駆逐艦)」の記事については、「綾波 (吹雪型駆逐艦)」の概要を参照ください。

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