第一次控訴審・東京高裁とは? わかりやすく解説

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第一次控訴審・東京高裁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 12:02 UTC 版)

永山則夫連続射殺事件」の記事における「第一次控訴審・東京高裁」の解説

控訴審では永山事実関係を争わなかったため、情状面における審理中心になった。 1979年10月30日には第三次弁護団主任弁護人担当していた鈴木淳二が永山私選弁護人就任し鈴木1980年昭和55年3月13日に「“連続射殺魔永山則夫反省共立運動」と連名で「控訴審では犯罪原因動機結果論追求し、それを基本精神鑑定死刑制度批判通じて人類社会から犯罪をなくすため、永山裁判位置意義主張立証したい」とするビラ作成した。また同年7月31日鈴木新たに受任した弁護人大谷恭子連名東京高裁第2刑事部船田三雄裁判長)へ控訴趣意書提出し同年9月30日には私選の5人による第五次弁護団の3人(三島駿一郎新美隆早坂八郎)が同様に控訴趣意書提出した控訴審初公判1980年昭和55年12月19日東京高裁第2刑事部船田三雄裁判長)で開かれ弁護人は「本事件被告人永山)の貧し生い立ち社会状況に関係がある。なぜこのような犯罪犯したのか、公判の中で社会的原因突き止めたい」とする控訴趣意書朗読した。翌1981年昭和56年3月20日開かれた第2回公判では永山獄中結婚した女性情状証人として出廷し「(永山と)2人で罪を背負い被害者遺族許してもらえるよう償い続ける」と述べた第3回公判同年4月7日)では弁護側の証人による情状証言が行われ、合同出版(『無知の涙』の版元)の元編集長が「『無知の涙』の印税京都名古屋事件遺族受け取っていただいたほか、東京事件遺族からは受け取り辞退されたが、仏壇お線香上げさせていただいた」「永山は『無知の涙』を書き、その印税遺族支払うことで贖罪をしている」などと訴えた。また弁護人新美隆も「東京事件遺族訪れ被害者A墓所教えられたので、永山の妻に『お墓参り行こう』と墓の場所を知らせた」と、鈴木も「永山の妻とともに名古屋事件遺族被害者Dの実家)を訪れて謝罪したほか、2人でDに焼香した」と証言した第4回公判1981年4月17日)では弁護人大谷恭子が「永山の妻とともに函館事件名古屋事件被害者遺族訪れてそれぞれの被害者仏前に花を供え名古屋事件遺族には今後印税収入振り込むこととなったその後、また函館からの帰り碇ヶ関村青森県南津軽郡)を訪れ病院被告人母親面会したが、母は相当病状が重いようだ」と証言した続いて被告人質問が行われ、永山は「著作活動直接の原因河上肇の『貧乏物語』だ。日本階級社会自分抑圧搾取される階級属しており『日本全体が憎い』と感じていたが、同じ階級仲間殺したことを知って非常にショック受けた。『仲間殺さないためにはどうしたらいいか』という一点だけでずっと勉強してきた」と述べたほか、弁護人から「もし再び社会出られたらどうするか」と質問され「まず妻とともに被害者墓参りをしたいし、できれば遺族会って謝罪したい将来的には塾を開き、『一番の点を取った人が、一番ビリの人を援助する方向経営したい」と述べたまた、検察官から「裁判になっている事実関係について、自分自身責任有無重み程度についてはどう考えているか」と質問され、「逮捕直後に『函館事件被害者Cには小さ遺児2人がいる』と刑事から聞かされショック受けた同時に河上の本を読み自分したことが仲間殺し』と分かった。それに対す後悔から『貧乏をなくし、人間全部助かる社会主義共産主義実現したい』と思っている」と回答した控訴審公判同年5月22日5回目公判結審し、検察官弁護人弁論が行われた。

※この「第一次控訴審・東京高裁」の解説は、「永山則夫連続射殺事件」の解説の一部です。
「第一次控訴審・東京高裁」を含む「永山則夫連続射殺事件」の記事については、「永山則夫連続射殺事件」の概要を参照ください。

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