神氏と大祝についてとは? わかりやすく解説

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神氏と大祝について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 12:55 UTC 版)

タケミナカタ」の記事における「神氏と大祝について」の解説

前述通り上社大祝務めた神(諏訪)氏の由来について意見分かれており、下社大祝となった金刺氏分家とする説や金刺氏とは異な家系とする説、金刺氏からの養孫でつながる家系とする説がある。 1956年歴史学者田中卓発見した阿蘇氏略系図』(『異本阿蘇氏系図』とも)と1884年大祝家に見つかった神氏系図大祝家本)』をもとに、金井美ら神氏金刺氏分家とする説を唱え、これは一時期主流となった。しかし、1990年代後半に入るとこれに対す反論出て、その上異本阿蘇氏系図』や『大祝家本神氏系図』を偽書とする見方(と、偽作説対す反駁)まで出たのである寺田鎮子鷲尾徹太はこの説に対して 国造という政治的支配者金刺氏が「下社」という一見従属的な位置にあると思われる社壇大祝となっていること 上社には「神氏守矢氏二重体制」という複雑な仕組みがあること 本家であるはずの金刺氏務めている下社神階昇進においてしばしば上社の後を追っていること 上社下社信仰内容異なること(上社祭事ミシャグジ信仰狩猟中心とし、下社のは水霊信仰稲作中心とする) を指摘して、「こうした要素無視して一つの「系図」によって「金刺氏創祀」説を唱えることは、非常に疑問覚えざるを得ない」という批判の声上げている。 一方宝賀寿男2010年)は諏訪氏出自に対して 科野国造洲羽国造多く混淆通婚・養猶子があって、女系まで含めると、これら氏族古代からほとんど同族化していたこと 洲羽国造後裔倉見君は用明朝に敵人殺害されて洲羽嫡流男系絶えたため、その娘が科野国造麻背君に嫁して生んだ外孫の乙穎(神子、熊子)が幼少にして洲羽氏嫡宗継いだ考えられること を指摘して金刺氏分家ではなく混淆した家系からの養孫とする説を唱えた上記の他にも肯定論、否定論が出ており、系図真偽について未だ学界で定説見ていない。 金刺氏のほか、神氏大神氏出自とする説もある。塩尻市宮で大神氏関係する部族がいたと思われる三河遠江国見られる三遠銅鐸出土があり、天竜川経由での人(大神氏同族集団か)の移動があったことを示唆する。「祝(ほうり)」という神官呼称、「ミワ」という氏族名、または信仰存在等といった大神氏三輪山大物主神信仰との共通点指摘されている。実際に1865年元治2年)の『諏訪神社祈祷再建趣意書』には当時大祝諏訪頼武が「諏方大祝大三阿曽美頼武」と名乗っていた。 『日本書紀』から持統朝(7世紀後半)には既に諏訪の神が朝廷から篤い崇敬受けていたことがうかがえるに対して前記たように多く記録神氏始祖の有員が9世紀初頭人物としているという問題がある。本当初代大祝用明朝(6世紀末)の神子(乙頴)とする『大祝家本神氏系図』と『異本阿蘇氏系図』の記述受け入れる説のほか、上社大祝となる童男は元々特定の一族ではなくダライ・ラマのように上社周辺氏族から選ばれていたが、平城天皇時代上社下社金刺氏倣って世襲制替わったという大和岩雄の説がある。 今まで研究では、上社大祝現人神とする信仰古代からのもので、原始信仰名残とするのが一般的であった。これに対して津田勉2002年)と井原今朝男2008年)は大祝権威権力から超越した現人神とする思想成立神祇制度下では不可能と指摘し、むしろ鎌倉時代出来上がったものとみるべきであると提唱している。 青木隆幸(2012年)は、大祝関わる伝承やその即位式中世発生したものとしている。なお、幼童大祝当てるというのは『画詞』成立以前には見られないため(『信重解状』にも初代大祝年齢書かれていない)、8歳にして諏訪明神選ばれた有員を7歳大祝となり、8歳復位した諏訪頼継諏訪時継の子)をモデルにした『画詞』を編纂した諏訪円忠による創作主張している。また、これと一致している乙頴を「諏訪大神大祝」とする『異本阿蘇氏系図』の記述後世付加推測している。

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