石油と独裁とは? わかりやすく解説

石油と独裁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:48 UTC 版)

ベネズエラの歴史」の記事における「石油と独裁」の解説

1899年以降アンデス山脈タチラ州出身二人独裁者によって35年近い独裁政治なされたので、ベネスエラでは特に1908年から1935年ゴメス時代と呼ぶ。20世紀入ってからもアルゼンチンフアン・ペロンのように進歩的なカウディージョポプリスモ気取るようなことはなく、19世紀以来剥き出し暴力政治続いたゴメス死後政権握った軍人タチラ州出身である。 1899年アンドラーデ政権にて採択され中央集権憲法に対す地方の不満と、折からコーヒー不況背景にして1899から1903年繰り広げられ内戦は、コロンビア国境付近タチラ州のリャネーロの頭目だったシプリアーノ・カストロ権力を得る機会作ったカストロ1899年に「レスタウラシオン」(維新革命)を掲げてカラカス入りすると、大統領任期6年延長し普通選挙撤廃して大統領職形骸化させた。カストロ時代にはヨーロッパとの対立顕在化し、1902年12月には内戦中に受けた被害賠償要求したイギリスドイツイタリア艦隊が主要港ラ・グアイラ、プエルト・カベージョを襲撃する事件起きたアルゼンチン外務大臣ルイス・ドラゴはドラゴ・ドクトリンを唱えてこの事件批判し米国調停もあってカストロはこの事件有利に解決し基盤磐石なものにした。 しかし、カストロ副官としてカラカス入りし、副大統領となっていたフアン・ビセンテ・ゴメスは、カストロフランス渡った隙を突いて1908年米国支持得た上で内のカストロ派を排除し大統領職就任した。その強引な手法から「アンデス暴君」と呼ばれたゴメスは、それでも対外政策では穏健策を採ってカストロ時代発生した欧米との問題解決し財政立て直すために外国資本導入したこうした政策功を奏しゴメス傀儡大統領据えて権力維持し1929年大恐慌をも切り抜けて1935年まで27年間に渡って政権維持したゴメス時代には1914年マラカイボ湖世界最大級の油田発見され石油開発外資優遇政策によって順調に進んだそれまで内戦独裁繰り返す貧し農業国だったベネスエラは、1930年にはメキシコ抜いて世界最大石油輸出国となった。こうして突如として湧いた石油収入により公共事業各種産業興りハイウェイ建設され都市化都市間の交通整備進み石油産業波及効果によってベネスエラではコロンビア並んでアンデス諸国中でも厚い中間層形成された。ベタンクール以後ベネデモクラシアこの中間層と富裕層によって成り立っていたと言っても過言ではない他方このような体制反対する勢力多く1928年学生暴動ではロムロ・ベタンクールらが逮捕され幾人かの活動家死亡したが、ここで活躍した反体制派は後に「1928年世代」と称されることになる。 1935年ゴメスが死ぬと、ゴメス派や家族へ暴動起き私刑が行われたが、翌1936年国内混乱収めたゴメス派のエレアサル・ロペス・コントレーラス将軍実権握り軍事政権継続した。しかし、政権弾圧弱くなり、亡命先コロンビアから帰国したベタンクール中心となってベネスエラ選挙革命組織形成され、翌1937年には国民民主党として政党になった1941年成立したイサイアス・メディーナ・アンガリータ将軍政権では労働者への懐柔進み同年7月には国民民主党民主行動党AD)と改称し当局からも合法化された。メディーナ文民政治改革志し、軍の青年将校もこの路線に従って政治から手を引くことを望んでいた。このような青年将校民主行動党連携によって1945年10月革命成功したのである1945年10月18日民主行動党がマルコス・ペレス・ヒメネスをはじめとする軍政反対する軍の青年将校結んでクーデター起こしメディーナ政権転覆した10月革命)。これによりベタンクール臨時大統領就任したが、軍部との矛盾次第明らかになる1948年11月クーデター起き同年2月選挙での勝利により就任していた文学者のロムロ・ガジェーゴス政権崩壊し軍事評議会政権握って民主行動党は再び非合法化され、ベタンクールらの指導部亡命した。軍内部実力者だったマルコス・ペレス・ヒメネスは、この状況下で行われた1952年大統領選挙での民主共和国連合勝利を無視して自ら大統領就任しその後1958年まで再び軍事独裁政権樹立された。また、1950年代独裁時代にはポルトガルドミニカ共和国チリなどのヨーロッパ諸国や、ラテンアメリカ途上国からの移民の流入が進むことになった

※この「石油と独裁」の解説は、「ベネズエラの歴史」の解説の一部です。
「石油と独裁」を含む「ベネズエラの歴史」の記事については、「ベネズエラの歴史」の概要を参照ください。

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