田ノ中部屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 05:23 UTC 版)
宝玉光らが所属する部屋。かつては力士も多数所属し勢いもあったが、親方に甘やかされ続けた宝玉光の横暴に耐え兼ねて多くの力士が廃業してしまい、「最後の十五日」では宝玉光と寺井しか所属力士がいない。 宝玉光 直也(ほうぎょくこう なおや) 「最後の十五日」で登場した田ノ中部屋の幕内力士。本名・雨宮(あめみや)直也。番付は西前頭十一枚目。口元に、仁王につけられた縦に走る大きな傷痕がある。誰もが認める桁外れの才能を持ち、特に右の腕力が強くまわしを取られたら勝ち目がないとまで言われているが、稽古を全くせず場所にも真剣に臨んでいないため、数年間に亘って前頭下位に定着している。初顔合わせの相手には全力で挑み、そこで下して以降同じ相手には「いつでも倒せる」というポーズをとって手を抜くようになる。 入門当初は純朴で才能に溢れる素直な青年で、田ノ中親方から褒められた嬉しさから相撲に没頭し、親方からも将来を期待され「田ノ中の光」という意味で「宝玉光」の四股名をつけられた。しかし親方から非常に目をかけられ甘やかさ続けたことで次第に増長していき、制裁を加えようとした兄弟子全員を叩きのめすなど、部屋の誰にも手をつけられない暴君に変貌。関取になって以降は毎晩夜遅くまで付け人を連れ回して飲み歩くようになり、部屋の人間が次々と辞めていくようになってしまう。そういった事情から幕下時代に鯉太郎が付け人として派遣されてきたが、全く稽古をしようとしないことに反発した鯉太郎から稽古場で喧嘩を売られ、立ち上がれなくなるほど打ちのめしわずか2週間で追放した。その2年後の一門の連合稽古でも、十両時代の鯉太郎をほぼ一方的にあしらい続けていたが、関脇だった仁王のぶちかまし一発に呆気なく倒され、口元を大きく切る重傷を負った。それ以来仁王を逆恨みしていたが、直後に仁王が引退し部屋を継承したため再戦の機会がなくなり、やがて憎しみの対象が空流部屋そのものにも向くようになっていった。 仁王引退から3年後、飛天翔を破った鯉太郎の二日目の取組相手となる。初顔合わせ、それも元付け人で因縁の仁王の弟弟子が相手であるため本気で向かってくると踏んだ鯉太郎は、前日に松明のデータを基に白水と三人で特訓を重ねていたが、一方の宝玉光は因縁の相手にも関わらず前日にも寺井を引き連れて飲み歩こうとしていた。当日の取組では、鯉太郎から強烈なぶちかましを受け右を取れないまま土俵際まで押し込まれ、四つ相撲に持ち込もうと強引に出てきたところですくい投げを受け、結果として全く良い所が出せないまま敗れた。取組後、敗戦を信じられず放心し、師匠としての自分の不甲斐なさを恥じる田ノ中親方へ責任をなすりつけていたが、その醜態に激怒した寺井に殴られ叱咤されて、初心を思い出し目を覚ました様子が見られた。 翌日、空流親方(仁王)に誘われて寺井、田ノ中親方と共に空流部屋に夕食に訪れ、いつものように傍若無人に振舞おうとしたものの空流親方に威圧され、いじけて涙を流していた。その後十二日目の鯉太郎・王虎戦の前には国技館を後にしてひとりで飲み歩こうとしていたが、取組前に戻ってきて物陰から観戦していた。 寺井(てらい) 田ノ中部屋所属の力士。鯉太郎の一場所違いの兄弟子にあたるが、周囲からは同期として扱われている。相撲の型は四つ相撲。 相撲教習所時代には後輩の鯉太郎らに偉そうな態度で接していたが、その実力や才能を目の当たりにして稽古場で接触することを避けるようになる。序二段として臨んだ九月場所の初戦で鯉太郎と対戦、教習所で鯉太郎が投げの練習に没頭し負け続けだったことから軽く見てかかり、ぶちかましで簡単に倒された。 「BURST」では最終回に登場して鯉太郎のコンパチに参加した。「最後の十五日」では三段目となり、宝玉光の付け人として田ノ中部屋に唯一残った力士となっていた。宝玉光の傍若無人さにも諦めず相撲に取り組んでいたが、因縁の鯉太郎戦の前夜でも飲み歩きに出ようとする宝玉光と、それを全く咎めずなおも甘やかそうとする親方の姿に絶望し引退を決意。しかし鯉太郎が宝玉光を倒した取組を見て、宝玉光や親方だけでなく周囲に流されるままだった自分自身にも問題があったと気付き、親方に敗北の責任をなすりつける宝玉光を殴り、引退を撤回し3人で一から田ノ中部屋を立て直す決意を固めた。 宝玉光の人格を心底軽蔑している一方でその才能と実力を強く尊敬しており、鯉太郎との取組では複雑な気持ちを見せながら宝玉光に声援を送っていた。後に宝玉光・田ノ中親方と共に空流部屋を訪れた際には、嫌なことがあるとすぐ心が折れてしまう2人に頭を抱えながら支えていた。 田ノ中 稔(たのなか みのる) 田ノ中部屋の親方。宝玉光をスカウトし、四股名を自らつけてやるなど非常に目をかけていたが、それが行き過ぎて甘やかし続けたために宝玉光の増長を招き、部屋を衰退させてしまった。 かつては圧倒していたはずの鯉太郎に今度は逆に手も足も出ない宝玉光を見て、生前の空流親方に叱咤された言葉を思い出して自らの過ちに気が付き、宝玉光と共に一からやり直すことを決意した。
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