田万川カルデラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/10 18:52 UTC 版)
田万川流域は阿武火山群の一つ、伊良尾山の古代における火山活動によって形成されたカルデラ構造にあり、田万川カルデラ(あるいは田万川コールドロン)と呼ばれる。長径4km・短径7kmの楕円形の輪郭を持つ。流域には火山帯ならではの地形が随所に残っている。 田万川カルデラの活動は始新世から漸新世にかけて始まっており、約3000万年前までの火山の噴火によりマグマ溜りが落ち込んで形成された。その後約200万年前から更なる阿武火山群の噴火活動が始まり、約30万年前に伊良尾山が噴火した。これにより大量の溶岩が弥富付近から田万川の渓谷を下流へと流れてゆき、上小川・中小川地区に形成されていたカルデラへと溜まっていった。田万川上流域は溶岩によって埋め立てられ平坦な盆地状地形と変貌した。形成時期の古さゆえに、このような伊良尾山噴火等によってカルデラ地形が原型を留めなくなったことから「コールドロン」として区別する向きもある。 藤木・上田原付近では両岸に玄武岩の柱状節理、そして河川敷に亀甲上の石畳が広がり「畳が淵」と呼ばれる名所となっている。また上小川・田添地区では1991年(平成3年)の農道の開削中に表出した玄武岩の柱状節理に地元の中学生が「龍鱗峡」と命名し、新たな名所となった。「田万川の柱状節理と水中自破砕溶岩」として、山口県の天然記念物に指定されている。
※この「田万川カルデラ」の解説は、「田万川」の解説の一部です。
「田万川カルデラ」を含む「田万川」の記事については、「田万川」の概要を参照ください。
- 田万川カルデラのページへのリンク