炉型・出力の決定とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 炉型・出力の決定の意味・解説 

炉型・出力の決定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:20 UTC 版)

福島第一原子力発電所1号機の建設」の記事における「炉型・出力の決定」の解説

東京電力初の原子炉に沸騰水型が採用された経緯」も参照 1964年10月の『朝日新聞記事によれば当時電力各社検討していた1973年度末を目標とした長期電源開発計画で、東電1号機についてのみ計画繰り入れており、その電気出力35kWとしていた。関西電力中部電力原子炉建設歩調合わせ運転開始予定1970年であった。これに加え1964年9月ジュネーブ開催され原子力和利国際会議で、原子力将来性明る見通し出されたことも追い風となり、東電2号機設置について検討開始した東京電力1950年代よりTAP呼称するメーカー共同研究実施その頃よりBWR寄りではあったが、正式な決定公に出来レベルまでは進まず田原総一朗によれば1962年9月常務会当時の社長木川田一隆GE社BWRとする意向表明していたものの、公の場面では明らかにされていない豊田正敏が1968年発表した機械学会への投稿記事では1962年木川発言には触れず1号機電気出力決定に際して信頼性重視して400MW級のものを採用する方針とし、1965年1月からPWR候補としてウェスチングハウスWH)社、BWR候補としてGE社非公式に接触したとされている。1966年4月に入るとGEへの特命発注がほぼ確実視される旨報道されていたが、正式に発注されたのは、5月11日であった。『原子力産業新聞』によると同時に国内ゼネコン担当する土木工事に対して直接見積もり依頼出された。 この間事情後年関東電気事業東京電力』にて一段詳細に明らかにされており、1965年同社原子力発電準備委員会検討作業実施して炉型の絞り込み実施し、同委員会イギリス型炉を不採用とした。田中直治郎は『土木建設1966年8月号にて、改良型ガス冷却炉AGR)について濃縮ウラン使用し、またイギリス内でGEとの見積競争勝ち抜いて採用され事情もあったが、大容量炉の実績無く経済性GEの炉の方が高いという理由採用しなかったとしている。また、1号機電気出力当初35kW程度計画検討していたが、その後検討下記のような方針修正された旨を講演している。 経済性考慮する容量35kWより大きいほうが良い 初の原子炉であるためメーカーにて発注または製造実績を持つこと 米国では6080kWの炉も発注され始めており経済性は高いがリスク大きいので、上記条件で、容量よりは実績優先する この方針に従い1966年1月より、両社からの説明詳細にわたり聴取し制作費等についての意見聞いたと言う。この結果WHには手頃な容量で50Hz機のものが無かったという。 また、電力新報1971年3月によれば両社機器仕様の際は「技術的な優劣判定はつけ難いもの」となったが、当時スペインのNUCLENOR社がGE発注したプラントサンタ・マリア・デ・ガローニャ原子力発電所1号機)の建設1年先行しており、電気出力46キロワット周波数も50Hzで共通していた。この「実績」もGE採用決めた材料であった豊田正敏は30周年記念文集の中で、NUCLENORの設計流用による価格低減策を提案してきたのはGEであった回顧している。 GE社1号機提案して採用されタイプ当時400/460MW型と称され電気出力初期定格40kW(400MW)であるが、将来的には46kWまで増加させられるようになっていた。タービン発電機、安全施設等2%増の47kWとして設計された。工学的安全施設先行して建設されているドレスデン2号機具備した物をすべて備えた。なお46kW申請した場合認可貰え見込みとしても安全審査時間要する予想されたため、アメリカで1号機より先に運開する類似タイプ容量40kWであることを根拠に、1966年4月4日電源開発調整審議会後述)にて容量40kWとして承認取ったと言う野村顕雄は『電気公論1966年10月号にて「熱出力が1,213MW時における燃料棒長さ当たり出力最大は、約15kW/ftでドレスデン1号炉とほぼ同一であり、また、平均炉心出力密度は35.7kW/lでビッグ・ロック・ポイント発電所en)の高出力運転実績比較してかなり保守的な設計となっている。さらに安定性についても充分な余裕をもって設計されている。」と述べた将来の増出力について設計時に織り込んでいる点についても、ドレスデン1号機en)での増出力試験や「設計時に考慮した例」としてオイスタークリーク(en)、ドレスデン2号機挙げている。

※この「炉型・出力の決定」の解説は、「福島第一原子力発電所1号機の建設」の解説の一部です。
「炉型・出力の決定」を含む「福島第一原子力発電所1号機の建設」の記事については、「福島第一原子力発電所1号機の建設」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「炉型・出力の決定」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「炉型・出力の決定」の関連用語

炉型・出力の決定のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



炉型・出力の決定のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの福島第一原子力発電所1号機の建設 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS