没となった企画
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シャーロック・ホームズ 登場人物が犬という設定だが、宮崎駿の『名探偵ホームズ』より前に企画されていた。ただ、ここでの本筋はギャグの度合いが大きいという。押井は絵コンテ担当でパイロットフィルムも制作された。 フルムーン伝説 インドラ 英名「THE FULLMOON TRADITION INDRA」。キャラクターデザイン・高田明美、美術監督・中村光毅、小説版執筆・鳥海永行。押井は企画・原案・絵コンテ・演出としての参加だった。世界展開を予定していたがイタリアとの制作方針が合わずやむなく中止に。その後、鳥海が小説としてまとめた。 アンカー 企画、監修、脚本・宮崎駿、平凡な浪人生が謎の少女を守って東京を冒険するというストーリー。「アニメージュ」誌上の対談で宮崎が夢枕獏に企画を持ちかけている。その後1987年頃、押井はジブリからの誘いに乗り、東京を謎に溢れた暗号化した街として再構成するアイデアを考え、プロットまで作ったが、宮崎所有の山荘で行われた高畑勲、鈴木敏夫(当時高校生だった宮崎吾郎も同席)も交えた企画会議の席上、高畑、宮崎と物語の展開の仕方で大口論になってしまい、結局その段階でお流れになったと押井は回想している。映画『紅い眼鏡』が公開された際、宮崎が劇場用パンフレットに寄稿したエッセイでも、この顛末に触れている。 墨攻 酒見健一の歴史小説のアニメ映画化。スタジオジブリからの誘いだが、話が食い違い流れる。のちに中国で実写化されている。 突撃!アイアンポーク 原作・企画・監修・宮崎駿。『宮崎駿の雑想ノート』6「多砲塔の出番」を原作とし、押井は監督として参加してOVA化する予定だったが、諸事情により中止に。 押井版ルパン三世 詳細は「押井版ルパン三世」を参照 押井版銀河英雄伝説 キャラクターから艦までデザインを変更してもよいという条件で2〜3ヶ月付き合ったが結局断っている。 押井版鉄人28号 劇場アニメ化として企画。「戦争の兵器として作られた28号が、平和の祭典である1964年東京オリンピックの開会式で上空を飛ぶ」というエンディングを予定していたという。また原作のメカ造形が気に入ったこともあり、白紙になっても企画再開の機会を窺っていた。後に舞台化として結実。 最後の立喰い -LAST TACHIGUI HERO- TV番組『ソリトン』にゲスト出演した際に公表。当初は『トワイライトQ』の一作品になるはずであった。 スクランブル1987 これも『トワイライトQ』の一作品として企画した。 連続ドラマ版『御先祖様万々歳』 脚本・じんのひろあき 押井版強殖装甲ガイバー(実写映画) 台湾にあるオープンセットを使用して撮影する計画だったが、結局流れてしまい落とし前として『ケルベロス-地獄の番犬』が制作されることになる。後に別スタッフにより実現。 D 共同脚本・伊藤和典、造形・品田冬樹。 コンセプトは「第二次東京大空襲」だった。 樋口真嗣曰く「巨大怪獣もの」だという。大筋は「『地球の抗がん剤』たる翼竜の大群が人間を『がん細胞』と見なして襲ってきて、自衛隊の新兵器がそれを撃墜する」というもの。樋口によると「とある怪獣映画の因縁を感じる」とのこと。この企画が流れたことで落とし前として「5千万円の予算を出すから好きな映画を撮ってもいい」という条件で『トーキング・ヘッド』が制作されることになる。 OVA版『犬狼伝説』 押井は脚本・絵コンテまで手掛け、別の若手スタッフが演出を手掛ける全6巻のOVAシリーズの予定だった。後に『人狼 JIN-ROH』の原型となった。 ガメラ2 レギオン襲来 「自衛隊のシーンを監督してほしい」と金子修介からオファーがあり押井も乗り気だったものの、スケジュールが合わず断念。 NEXT〜未来は誰のために 樋口曰く「巨大スーパーヒーロー物」。バンダイビジュアルの渡辺繁が企画立案し、成田亨がヒーローの初期デザインを担当した。企画は『攻殻機動隊』の制作が大詰めを迎える頃から存在しており、「地球防衛軍」を引用したパイロットフィルムが制作されるもほどなく白紙になった。この時培った草案の大半は『ガルム戦記』〜『GARM WARS The Last Druid』に活かされる。音楽・川井憲次、脚本・伊藤和典、特撮監督・樋口真嗣、メカニックデザイン・前田真宏。 押井版南総里見八犬伝 『イノセンス』企画立案時、同時に候補として挙がっていた。 パリ、ジュテーム 監督の一人として参加する予定であったが流れてしまい、後にその時に設定された舞台・プロットを一部変更して、『Je t'aime』が制作された。 エルの乱 鏖殺の島 監督・深作健太、西成暴動をモデルとした内容で、押井は原作・脚本を担当。構想が膨らみ予算が超過したため、企画が凍結状態に。 009 RE:CYBORG 神山健治が、押井が監督することを想定して脚本を執筆したが、押井自身はその内容に消極的であり、独自の企画として「サイボーグ9人のうち、何人かを選抜してあとは全部死んでるところから始める」原案を用意したが、原作者サイドからの理解が得られず、結局、神山が自身の脚本を監督する形で収まった。2012年公開。 押井版オクジャ/okja キャラクターデザイン・西尾鉄也。実写版を監督したポン・ジュノから直々にアニメ版のオファーがあり、「人間は動物とどう関わればいいのか、関わるとはどういうことなのか」というテーマに共感し、オファーを快諾した。全編作画のみで制作し、Netflixで配信される予定だったが、流れてしまった。 押井版Fallout 全12話のアニメ化企画を押井自ら提出していた。
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