架空上の描写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 07:53 UTC 版)
架空上における荷電粒子砲は、数え知れないほど存在する。また、劇中では程度の差こそあれ、強力な兵器として描かれることが多い。特定の粒子などを亜光速(あるいは光速以上)まで加速して発射、なおかつ真空中でも視認可能と考えられたため、アニメの描写において重用されている。 なお、単独の電子や陽子などの安定な荷電粒子は加速度が加わらない限り光を放射しないため、実際には真空中では粒子ビームであっても視認は困難である。また、軌道電子が残っている価数の小さいイオンビームであれば粒子が飛行中に脱励起によって発光するため、イオンジェットのように真空中でも視認可能である。 機動戦士ガンダム 監督の富野由悠季は、「(宇宙世紀を舞台とした)ガンダムシリーズに登場するビーム兵器の類は荷電粒子砲であり、その原理はブラウン管式テレビジョンの電子銃と同じ原理だ」と説明している。 また、機動戦士ガンダムSEEDに登場するビーム兵器は、基本的に荷電粒子砲である。 新世紀エヴァンゲリオン 加粒子ビームを用いた超長距離射撃で攻撃してくる第5使徒・ラミエルを撃破するため、試作型の自走陽電子砲を改造してスナイパーライフルを急造し、狙撃するという「ヤシマ作戦」が実行される。地球の自転や磁場による軌道のズレは狙撃役であるエヴァンゲリオン初号機及び本部にあるMAGIにより補正し、ラミエルのA.T.フィールドを貫通可能とする大電力(1億8000万キロワット)は日本全国を停電させて徴用するという大規模な作戦であった。 勇者王ガオガイガー 第1話のゾンダーが電子レンジを利用した荷電粒子砲を使用。 なお、サンライズ作品では荷電粒子砲の多用がなされ、例えば『無敵超人ザンボット3』ではイオン砲、『伝説巨神イデオン』では加粒子砲(あるいは可粒子砲)の名称が用いられる。また、荷電弾体に金属微粒子を用いたリニアカノン/リニアガンが『太陽の牙ダグラム』に登場している。 宇宙戦艦ヤマト(リメイクアニメシリーズ) ガミラス戦闘艦艇の主力兵装として、陽電子ビーム砲や陽電子カノン砲が『宇宙戦艦ヤマト2199』(『2199』)で設定されている。後者は有効射程、威力、速射性が前者よりも向上している。また、ヤマトの主力兵装のショックカノン砲も『2199』では「陽電子衝撃砲」となっている。特に陽電子衝撃砲は、ガミラス並びにガトランティスの主力艦艇を一撃で撃破、または両断するなど非常に高威力である。これに耐えたのは劇中ではガミラスのゼルグート級のドメラーズIII世、ガトランティスのメダルーサ級のみである。『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』以降は地球艦隊の標準装備となっている。色はガミラスは赤、地球は青白くなっている。 ゾイドシリーズ 公式ストーリー、アニメ版、漫画版、ゲーム版などすべてにおいて、最強兵器の1つとして描かれている。発射のためのプロセスは「荷電粒子を光速まで加速させて発射する」というもの。ただし、射出のために必要となる粒子は惑星Ziの大気中に存在し、それを機体外部から吸入するという独自の方式をとっている。その一方、資料によっては「空気中の静電気を取り込み、体内でエネルギーに変換し、さらに増幅。粒子ビームとして放射する」という記述も存在するなど、一定しない。また、その攻撃を受けた目標は原子レベルで分解されるため、物理的な装甲では防御は行えないとされている。 エースコンバットシリーズ オーレリア連邦共和国にレサス民主共和国が侵攻して勃発したオーレリア戦争において、レサスが開発した「メソン・カノン」が実戦投入される。これはオーレリア侵攻後首都グリズウォールを占拠したレサス軍が、同地に設置した司令部を防衛すべくグリズウォールに建設されていた大規模シンクロトロン「アトモスリング」を利用して開発したもので、アトモスリング内で加速した陽子ビームをアルミニウムなどの生成標的に衝突させて大量の荷電中間子を生成し、それに含まれるパイ中間子から取り出した崩壊ミューオンビームを砲塔から目標に向けて照射する。弾切れが存在せず有害な環境負荷もないことから拠点防衛兵器として優れた特性を有するが、崩壊ミューオンビームの短い平均寿命や大気による減衰によって射程は短く、大出力化のためにMBSR(中間子ビーム安定化調整器)の開発が行われている。 反物質を使用したビーム兵器は、撃った瞬間にすべての反物質が大気中の物質と一斉に反応し、撃ったものもろとも大爆発するという説がある。『宇宙空母ブルーノア』に登場した「反物質投射砲」は、反物質に先立ってプラズマを投射することで、対消滅による減衰を防ぐという設定だった。また、『宇宙の騎士テッカマンブレード』に登場した「ボルテッカ」は、原理的に反物質砲という設定であり、それを応用したフェルミオン砲が地球製のソルテッカマンに採用されている。この作中で、水中でのボルテッカやフェルミオン砲の使用が対消滅による威力減少を指摘されている。
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