本格化 - 宝塚記念制覇とは? わかりやすく解説

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本格化 - 宝塚記念制覇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 00:07 UTC 版)

サイレンススズカ」の記事における「本格化 - 宝塚記念制覇」の解説

年明け初戦陣営は「2000メートル長いスピード馬ではあるが1600メートル短くベスト1800メートル」という判断で同距離のレース狙い絞り別定戦のため55kgで出走できるオープン特別・バレンタインステークス(東京競馬場1800メートル)に決定当日関西を拠点とする武がオープン特別騎乗のためだけに東上したということもあり、単勝オッズ1.5倍を記録して1番人気に支持された。レース前激しくイレ込んで暴走気味に先頭立った結果1000メートル通過57秒8というハイペースとなったが、3コーナー落ち着き取り戻して息が入り直線でやや失速したもののゴール手前で武は手綱抑え、2着のホーセズネックに4馬身差をつけて優勝したレース後に武は「今日は3角に入ってうまく息が入ったこういう形になると強い」と述べホーセズネック鞍上後藤浩輝は、「それにしても勝った馬はケタ違いだ」とコメントした続いて中3週で前走と同距離の重賞中山記念出走一昨年皐月賞優勝馬イシノサンデー、前走のAJCC勝ち馬ローゼンカバリー出走メンバー名を連ねたがこのレースでも1番人気に支持された。スタート先頭に立つと1000メートル通過時点では後続10から13馬身ほどの差をつけた。直線に入るとやや内側モタれたものの、ローゼンカバリー1馬3/4馬身差で抑えて逃げ切って重賞初制覇果たした。しかしこのレースでは馬場コンディション悪く上がり38秒9かかり、直線ではモタれたことに加えて手前替えることにも苦労したため、右回りでの不器用さ露呈するレースにもなった。 続いて小倉競馬場改修伴って本馬が得意と目されていた左回り中京競馬場での代替開催となった小倉大賞典では、トップハンデの57.5kgを背負わされたものの単勝オッズ1.2倍の圧倒的な番人気に支持された。前半1000mは57秒5を記録して逃げ上り3ハロン36秒4を記録して後方待機策から追い込み見せたツルマルガイセンを3馬身抑えて重賞連勝。勝ちタイムの1分46秒5は1991年に武が手綱を執って優勝したムービースター記録したコースレコードコンマ1秒更新する結果となった。武は後にこのレースでの2ハロン目に記録した11秒0というラップについて中距離戦線ではめったにお目かかれるものではないでしょう」と振り返っている。 小倉大賞典後は中5週で金鯱賞出走馬体重過去最高となる442kgを記録し重賞3勝を含む4連勝中の神戸新聞杯敗れたマチカネフクキタルデビュー以来着外落ちたことがないタイキエルドラド、同条件中京記念勝ち馬トーヨーレインボー、6連勝中のミッドナイトベットらを抑えて単勝2.0倍で一番人気に支持された。好スタートを切ると2コーナーを回る時点2番手のテイエムオオアラシトーヨーレインボー4,5馬身の差をつけて前半1000mを58秒1で逃げ後半59秒7で上がり、2着のミッドナイトベットに1秒8の大差をつけて、1分57秒8のレコードタイム逃げ切り勝ちを収めた。この時中競馬場では、残り800m地点ではサイレンススズカ後続10馬身上の差をつけていたため大歓声起こり最後直線差し掛かったところでは拍手迎え馬主席にいた永井観客一緒に拍手していたという。 金鯱賞において陣営は「今は最高の状態。負けるなんて考えられない」という自信をもってレース送り出すほどの状態に仕上げてサイレンススズカ出走させ、橋田は後に「レース内容素晴らしく、なかなか再現しと言われても再現できないレース」と述べている。レース後に武は「本当にいい体つきになったし、一段と力をつけている。今日サイレンススズカならどんな馬が出てきても負けないんじゃないか」、「夢みたいな数字だけど、58秒で逃げて58秒で上がってくる競馬もできそうな気がしてきました」 とコメントした金鯱賞後は最大目標である天皇賞(秋)見据えて放牧出される予定ではあったが、上半期グランプリ宝塚記念ファン投票で6位に支持されレコード連発し疲れよりも馬体充実際立っているということで、急遽宝塚記念出走することとなった。しかし、主戦の武には既に年末有馬記念までエアグルーヴへの騎乗先約があったため今回レースエアグルーヴに乗らざるを得ない状況となっていた。これを受けて橋田レース3日前の木曜日に武の代役としてサイレンススズカ同じく永井所有馬で、出走予定の僚馬ゴーイングスズカ主戦騎手であった南井克巳鞍上迎えて出走させることを決定した。この時の心境について武は「正直に言えば内心どっちかが(出走を)辞めてくれればと。どちらもすごく好きな馬ですから、どっちにも乗りたい。でもそれは不可能だから、どちらか一頭出てほしいと願っていたのですが。そうそう自分都合いいようにはいきませんね」と振り返っており、一方サイレンススズカ騎乗することとなった南井は「大方エアグルーヴ出てくるだろうと思っていたから、別にいら立ちはなかった」と振り返っている。 当日馬体重金鯱賞から4kg増加した446kgと発表され単勝では武が騎乗するエアグルーヴこの年春の天皇賞勝ち馬河内洋騎乗するメジロブライトらを抑え1番人気に支持された。ただし、本馬にとって初めてとなる2200メートル、また南井に乗り替わっている点が不安視され、単勝オッズは3倍近い数字となったレース前メジロブライト立ち上がって脚を引っ掛けるというアクシデントがあったものの落ち着き失わず外側13番からスタートを切る内側移動してメジロドーベル機先を制し先頭に立ち、前半1000mを58秒6で通過第3コーナー手前では後続に8馬身の差をつけたがここからステイゴールドスパートをかけ、ここで南井がペース落として息を入れたため残り600m地点では4馬身ほどの差に縮まったが、サイレンススズカも内で粘りこみ、ステイゴールドエアグルーヴ猛追凌いで逃げ切り勝ちを収めGI勝利を挙げた。勝ちタイムの2分11秒9は前年勝ち馬マーベラスサンデー記録したタイムと同じであり、阪神競馬場行われた宝塚記念においては1994年勝ち馬ビワハヤヒデ記録した2分11秒2に次いで2番目に早い時計だった。 レース後に南井は「ユタカ君が乗って4連勝してきた馬。この馬の力を出し切ることだけを考えましたあくまでも、この馬の行きたいペース行かせることだけを心掛けました。さすがに強いメンバーで、これまでより差は縮まりましたが、道中無理に脚を使っていない分、最後まで頑張ってくれましたね。1番人気に応えることができてホッとしています」とコメントし橋田は南井の騎乗について「ほんとうに上手く乗ってくれました気持ち良く走らせてくれればそれでいい思っていましたが、彼もよく研究してくれていましたからね」と讃えた。3着となったエアグルーヴ鞍上の武は「サイレンススズカ止まりませんでした」と淡々としたコメント残した。南井の45歳5か月での宝塚記念勝利1994年ビワハヤヒデ制した岡部幸雄記録した45歳7か月に次ぐ年長勝利記録となり、また翌年以って現役引退した南井にとってはこれが現役最後GI勝利となった

※この「本格化 - 宝塚記念制覇」の解説は、「サイレンススズカ」の解説の一部です。
「本格化 - 宝塚記念制覇」を含む「サイレンススズカ」の記事については、「サイレンススズカ」の概要を参照ください。

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