揺らし
揺らし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 14:06 UTC 版)
熟練したプレイヤーはピンボールマシンを揺らすことでボールの動きに変化をつけることができる。ティルトはこの操作に対抗するために付け加えられた要素である。機構としては、円錐型のおもりの周りに金属製の環が位置する構造になっており、両者がふれると電気が流れるようになっている。もしピンボールマシンが大きく強く動かされると、おもりが動いて環に触れることになる。これで感知された状態がティルトであり、反則判定を受けて(スコアボードに「TILT」のランプが点灯する)その場でゲームは終了し、操作不能になる。古いマシンの場合で、特に1人用専用の場合は、完全にゲーム終了となったが、近代ピンボールの場合は、そのときのボールだけが終了となる。 近代ピンボールの場合、旧来マシンのものに変わり「スラムティルト」というものがあり、マシンを蹴ったりコイン投入部分に細工をしようとしたりすると、その時点で他のプレイヤーを含む全てのゲームおよびクレジットが無効となるようになっている。また、マシンを持ち上げるとその角度によりセンサー内の玉が奥に動き、最奥のスイッチに接触すると作動する装置もまた「スラムティルト」である。 この揺れに対する許容量は台の設定によって異なるので、ある程度はティルトを覚悟して揺らす必要がある。そして、その許容の範囲内において揺らしを行うのがプレイヤーの力量である。揺らしには縦方向と横方向、そしてその複合技などがある。やり方によってはアウトレーンから球を救い出すことも可能であり、このテクニックはバン・バックやデスセーヴと呼ばれる。ただし、マシンの中には、アウトレーンを通過すると同時にフリッパーが動作停止するものもあり、このような場合は救い出してもゲームを続けられない。基本的に、縦(前後)方向への揺らしは許容されやすく、左右方向への揺らしはティルトを取られやすい。 揺れに対する許容量は店舗の意図によって決められるため、許容量を大きく設定している店舗でも過度な揺らし操作は控えるべきである(結果として台を破損させ、運営者にピンボールの撤去を促すことに繋がる)。近代ピンボールでは、一定回数まではティルトが作動しても警告だけで済ませる ように設定されている反面、許容量自体は小さくされている。 しかし、初心者はアウトレーン付近にあるボールに対して必要以上に揺らしすぎてしまい、かえって落ちやすくしてしまう傾向もあるので、経験と判断力が必要なテクニックでもある。 ティルトは初期のアーケードビデオゲームにも組み込まれ、タイトーが広報誌や直営店で使っているブランド名「TILT」もここから来ている。 なお、ピンボール台は天地方向への揺らし(持ち上げて落とすなど)に耐えられるようには設計されていない。修理不可能なレベルの破損に直結するため、天地方向への揺らしはどんな理由があっても行ってはならない。実際にこれを試行した場合、一定角度以上持ち上げる事で即座にスラムティルトを取られることになる。 揺らしのテクニックには、次のようなものがある。 ハギング ピンボールの足をずらさないようにキャビネットだけゆがめることで、プレイフィールドをミリ単位でずらしてボールの軌道をコントロールすること。発生する振動が殆どないため、比較的ティルトのリスクが少ない揺らしである。 ナッジング キャビネットを軽く奥に突いて、その振動でボールをコントロールすること。突き方が強いとティルトの対象になる。その台がどの程度のナッジングに耐えられるかを見極めるのが、揺らしの基本である。 以下は台に高負荷を与えるので、熟練者でも行うべきではない。 スライド・アンド・ヒット ピンボール台を大きく横にスライドさせることで、アウトホール直行のボールを強引にフリッパーにヒットさせること。ティルトの甘い台でなければ、ほぼ確実にティルトの対象になる。 バン・バック アウトレーンに落ちたボールがそのまま転がってフリッパーの直下に来た瞬間を狙い、キャビネット手前の金属プレートに手を添え思い切り突くことで、ボールをバウンドさせて強引にプレイフィールドに戻すこと。ただそのままバウンドさせてもフリッパーの裏に当たったり、一旦プレイフィールドに戻ってもそのまま落下して再度アウトホールになるので、フリッパーとのコンビネーションが重要になる。コイン投入口に近い部分で強い衝撃を与えるので、失敗するとスラムティルトで即ゲームオーバーである。 デスセーヴ 右のアウトレーンに落ちたボールは、そのまま転がってアウトホールの底に落ちる際に段差がある。その段差にボールが落ちる瞬間を狙い、バン・バックと同じ要領でボールをバウンドさせることで、ボールをプレイフィールドに戻すこと。スラムティルトのリスクはバン・バックと同様である。
※この「揺らし」の解説は、「ピンボール」の解説の一部です。
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「揺らし」の例文・使い方・用例・文例
- そよ風が木の葉をサヤサヤと揺らしていた
- 母親はやさしくハンモックの赤ん坊を揺らしていた
- 彼女は歩きながらバッグを揺らした
- そして、徐々にスピードを上げて、乗客たちを右に左にと揺らしながら、トンネルの中を突き進んだ。
- 彼女は目をつぶり静かにからだを前後に揺らしていた.
- その怪我をした兵隊は不安定に脚を揺らしていた
- 体育の運動は、位置から始めて、上側のボディーの上の脚と後部をアーチ形に曲げることによって直立している所定の位置に動いて、外で脚を揺らして働いて、垂直に胸を強制している間、ダウンする
- (体の一部)を揺らして、挨拶、感情、または認識状態を伝える
- 日本の7段階の震度階で震度6の3つの地震が南郷町,矢本町,それに鳴瀬町を含むいくつかの町を揺らした。
- Wiiのリモコンは揺らしたり,回したり,振ったりすることができるので,年齢や経験に関係なく,それを使ってあらゆる種類のスポーツを疑似体験できる。
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