戦前の準急列車とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 戦前の準急列車の意味・解説 

戦前の準急列車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:51 UTC 版)

準急列車」の記事における「戦前の準急列車」の解説

1926年大正15年9月東海道本線東京駅 - 名古屋駅名古屋駅 - 神戸駅間に設定され列車が「準急」を名乗ったのが始まりである。この当時比較長距離を、運賃以外の料金不要急行列車よりやや劣る速度で走る、現在の快速列車相当するサービス列車であった。したがって、「準急」は現在の快速列車当時呼称ともいえ、一部地域では同様の列車が既に「快速列車」・「快速列車」とも呼ばれていたとされるその後長 - 短距離で同種の列車設定された。戦前黄金期といえる1934年昭和9年12月改正当時特徴的な列車としては、次のようなものがあげられる221224列車東海道本線東京駅 - 沼津駅間運転。箱根伊豆方面観光客向け列車で、小田急線などと競合するためか同区間においては急行列車よりも速く特急列車並み速度走った特急踊り子」の歴史参照)。 442447列車山陽本線東海道本線草津線関西本線参宮線経由姫路駅 - 鳥羽駅間運転。関西圏から伊勢神宮参拝へ向かう人のための列車で、1931年昭和6年)に開業した参宮急行電鉄参急現在の近鉄)と競合するため速度速く東海道本線内では超特急「燕」並み速度で運転)、簡易食堂車連結されていた(近鉄競合する国鉄JR線優等列車参照)。 801・802列車東北本線日光線冬季運休上野駅 - 日光駅間運転。国際観光日光への列車東武鉄道日光線競合するため高速運転を行い東北本線内では急行列車より速い速度で運転)、上野駅 - 日光駅間を2時間半で結んだ食堂車連結した国鉄JR日光線優等列車参照)。 101102列車東北本線上野駅 - 青森駅間運転。北海道連絡一翼を担う列車で、二等寝台車食堂車連結。 翌1935年昭和10年12月には、関西本線湊町(現:JR難波)駅 - 名古屋駅間を3時間1分で結ぶ列車設定されている。なお急行「かすが」2006年廃止直前時点名古屋駅 - 奈良駅間を約2時間10分で結んでいたが、天王寺駅方面から奈良駅までを走る快速所要時間加味すると、70年前の当時とほとんど変わりが無い。 さらに鉄道省では関東大震災昭和金融恐慌世界恐慌などの影響受けて日本深刻な不況に陥り、それを受けて利用客減少悩まされていたことから、イメージアップ呼び込み兼ねてシーズンになると観光地向けて臨時準急列車いくつも走らせた。その中には当時正式に特急列車にしか付けられていなかった列車愛称地方局独自でつけていたものもあった。代表的なもの下記がある。 漣(さざなみ)・潮(うしお) (前者房総西線…後の内房線後者房総東線…後の外房線経由夏季運行両国駅 - 安房鴨川駅間等で運転。東京から房総半島へ向かう海水浴客向けの列車で、繁忙期にはどちらも4 - 5往復設定された。 高嶺(たかね) (中央本線富士山麓電鉄大月線夏季運行新宿駅 - 富士吉田駅(現、富士山駅)間運転。富士山等の登山客向けの列車で、富士山麓電鉄(現、富士急行)へ乗り入れて最繁忙期には日に4本程度設定された。 黒潮号くろしおごう) (南海本線阪和電鉄本線…後の阪和線紀勢西線…後の紀勢本線下り土曜上り日曜運行難波駅阪和天王寺駅(現、天王寺駅) - 白浜口駅(現、白浜駅)間運転。関西から南紀白浜温泉湯浴みをしに行く客のための列車で、大阪 - 和歌山間競合路線有していた南海鉄道(現、南海電気鉄道)と阪和電気鉄道JR阪和線当時運営会社)の両私鉄それぞれ国鉄客車乗り入れ東和歌山駅(現、和歌山駅)で両社からの車両併結分割する形で運行した。 しかしこれらの列車は、1937年昭和12年)の日中戦争開戦後戦時体制が強まるにつれて同年12月15日廃止された。

※この「戦前の準急列車」の解説は、「準急列車」の解説の一部です。
「戦前の準急列車」を含む「準急列車」の記事については、「準急列車」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「戦前の準急列車」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「戦前の準急列車」の関連用語

戦前の準急列車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



戦前の準急列車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの準急列車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS