平幕で優勝した力士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 09:14 UTC 版)
前頭の優勝は三役以上での優勝に比べて実例が少ない。慣例上「前頭優勝」ではなく、「平幕優勝」と表現される。おおむね数年に1度のペースで発生している。 場所地位四股名成績翌場所最高位1909年(明治42年)6月場所 05-07/東前頭7 たかみやま/高見山酉之助 07-03/7勝3分 03-01/東関脇(1勝6敗2分1休) 03-01/関脇 1914年(大正3年)5月場所 05-14/東前頭14 りようこく/両國勇治郎 09勝1休 05-03/東前頭3(7勝2敗1分) 03-01/関脇 1922年(大正11年)1月場所 05-04/東前頭4 つるかはま/鶴ヶ濱増太郎 09勝1敗 05-01/西前頭1(4勝6敗) 04-01/小結 1926年(大正15年)5月場所 05-08/西前頭8 おろちやま/大蛇山酉之助 10勝1敗 05-02/東前頭2(6勝5敗) 05-01/前頭1 1930年(昭和5年)5月場所 05-05/東前頭5 やまにしき/山錦善治郎 11戦全勝 05-05/東前頭5 (5勝6敗) 03-01/関脇 1931年(昭和6年)10月場所 05-04/東前頭4 あやさくら/綾櫻由太郎(のち綾川五郎次) 10勝1敗 04-01/西小結 (春秋園事件で脱走) 03-01/関脇 1933年(昭和8年)1月場所 05-03/幕内格別席 みなのかわ/男女ノ川(のち男女ノ川登三) 11戦全勝 04-01/西小結(8勝3敗) 01/横綱 1939年(昭和14年)1月場所 05-14/西前頭17 てわみなと/出羽湊利吉 13戦全勝 04-01/西小結(5勝10敗) 03-01/関脇 1945年(昭和20年)6月場所 05-01/東前頭1 ひしゆうやま/備州山大八郎 07-01/7戦全勝 03-01/東関脇(5勝5敗) 03-01/関脇 1953年(昭和28年)5月場所 05-06/東前頭6 ときつやま/時津山仁一 15戦全勝 04-01/東小結(8勝7敗) 03-01/関脇 1957年(昭和32年)11月場所 05-14/東前頭14 たまのうみ/玉乃海太三郎 15戦全勝 04-01/東小結(5勝10敗) 03-01/関脇 1960年(昭和35年)5月場所 05-04/東前頭4 わかみすき/若三杉彰晃(のち大豪久照) 14勝1敗 03-02/東張出関脇(7勝8敗) 03-01/関脇 1961年(昭和36年)5月場所 05-13/西前頭13 さたのやま/佐田の山晋松 12勝3敗 05-02/東前頭2(11勝4敗) 01/横綱 1964年(昭和39年)7月場所 05-09/西前頭9 ふしにしき/富士錦猛光 14勝1敗 04-01/東小結(4勝11敗) 04-01/小結 1968年(昭和43年)3月場所 05-08/東前頭8 わかなみ/若浪順 13勝2敗 04-01/東小結(2勝13敗) 04-01/小結 1972年(昭和47年)1月場所 05-05/西前頭5 とちあすま/栃東知頼 11勝4敗 04-01/東小結(3勝9敗3休) 03-01/関脇 1972年(昭和47年)7月場所 05-04/東前頭4 たかみやま/高見山大五郎 13勝2敗 03-02/西張出関脇(5勝10敗) 03-01/関脇 1975年(昭和50年)7月場所 05-01/東前頭1 こんこう/金剛正裕 13勝2敗 03-01/東関脇(6勝9敗) 03-01/関脇 1976年(昭和51年)9月場所 05-04/西前頭4 かいけつ/魁傑將晃 14勝1敗 03-01/西関脇(11勝4敗) 02/大関 1984年(昭和59年)9月場所 05-12/西前頭12 たかりゆう/多賀竜昇司 13勝2敗 04-01/西小結(6勝9敗) 03-01/関脇 1991年(平成3年)7月場所 05-13/東前頭13 ことふし/琴富士孝也 14勝1敗 04-02/東張出小結(4勝11敗) 03-01/関脇 1991年(平成3年)9月場所 05-05/東前頭5 ことにしき/琴錦功宗 13勝2敗 04-01/西小結(12勝3敗) 03-01/関脇 1992年(平成4年)1月場所 05-02/東前頭2 たかはなた/貴花田光司(のち貴乃花光司) 14勝1敗 03-01/西関脇(5勝10敗) 01/横綱 1992年(平成4年)7月場所 05-01/西前頭1 みといすみ/水戸泉政人 13勝2敗 03-02/西張出関脇(8勝7敗) 03-01/関脇 1998年(平成10年)11月場所 05-12/西前頭12 ことにしき/琴錦功宗 14勝1敗 04-02/東小結2枚目(6勝9敗) 03-01/関脇 2000年(平成12年)3月場所 05-14/東前頭14 たかとうりき/貴闘力忠茂 13勝2敗 04-02/西小結2枚目(2勝13敗) 03-01/関脇 2001年(平成13年)9月場所 05-02/東前頭2 ことみつき/琴光喜啓司 13勝2敗 03-01/西関脇(9勝6敗) 02/大関 2012年(平成24年)5月場所 05-07/西前頭7 きよくてんほう/旭天鵬勝 12勝3敗 05-01/東前頭1(2勝13敗) 03-01/関脇 2018年(平成30年)1月場所 05-03/西前頭3 とちのしん/栃ノ心剛史 14勝1敗 03-01/西関脇(10勝5敗) (現役) 2019年(令和元年) 5月場所 05-08/西前頭8 あさのやま/朝乃山英樹 12勝3敗 05-01/東前頭1(7勝8敗) (現役) 2020年(令和2年) 1月場所 05-17/西前頭17 とくしようりゅう/德勝龍誠 14勝1敗 05-02/西前頭2(4勝11敗) (現役) 2020年(令和2年) 7月場所 東前頭17 照ノ富士春雄 13勝2敗 東前頭1(8勝5敗2休) (現役) 2021年(令和3年)1月場所 西前頭1 大栄翔勇人 13勝2敗 西小結2枚目(8勝7敗) (現役) デフォルトでは時代順に配列。場所の欄のソートボタンで元の順序に戻る。 四股名は優勝当時の四股名。 四股名の欄は50音順ソート。地位・翌場所・最高位の3欄は東西を考慮せず番付順ソート。 「小結2枚目」のようにある表記は、張出ではなく枠内に書き出されたもの。 以下は注釈。 ^ a b 相手力士の休場。 ^ この時代は2場所通算で番付を編成しており、山錦は次の番付発表の1931年1月場所で西筆頭。 ^ 綾櫻由太郎の帰参場所1933年(昭和8年)1月場所の成績は幕内格別席で5勝6敗。 ^ 男女ノ川は新興力士団からこの場所帰参、脱走前の番付では東前頭3枚目。 ^ 1945年(昭和20年)6月場所は戦災を受けた旧両国国技館で“晴天”7日間、非公開で実施。 ^ a b 魁傑と照ノ富士は大関から陥落後。 ^ a b c 1976年(昭和51年)9月場所の魁傑將晃、1998年(平成10年)11月場所の琴錦功宗、2020年(令和2年)7月場所の照ノ富士を除いて、全員初優勝。 佐田の山が横綱に昇進するまでは「平幕優勝の力士は大成しない」というジンクスがあったという。なお、平幕優勝を達成し、最終的に横綱昇進を達成したのは2021年7月場所時点で男女ノ川・佐田の山・貴花田(後の貴乃花)・照ノ富士の4人である。 2000年3月場所の貴闘力忠茂と2020年1月場所の德勝龍誠、同年7月場所の照ノ富士春雄は幕尻(幕内最下位)での優勝。ただし2000年3月場所は西14枚目が、2020年7月場所は西17枚目が存在したため、貴闘力と照ノ富士は厳密な意味での幕内最下位ではない。 新入幕での平幕優勝は1914年5月場所の両國勇治郎ただ1人。 返り入幕での平幕優勝は2020年1月場所の德勝龍誠と同年7月場所の照ノ富士春雄の2名。 関取の1場所15日制定着以降の平幕での全勝優勝は1953年5月場所の時津山仁一(東前頭6枚目)・1957年11月場所の玉乃海太三郎(東前頭14枚目)の2名。(ただし、両人とも横綱・大関との対戦はなかった) 新入幕での全勝優勝は2022年3月場所現在まで実例がない。ただし、1914年5月場所に新入幕で優勝した両國の「1休」は相手力士の休場に伴って自身も休場扱いになったものであり、不戦勝が制度化された現在であれば「10戦全勝」であり、実質的に新入幕で全勝優勝した唯一の実例といえる。また、関取の1場所15日制定着以降に限れば2022年3月場所現在まで完全に実例が無い。
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