多様な英語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 22:25 UTC 版)
「英語版ウィキペディア」の記事における「多様な英語」の解説
編集者の所在地分析英語版ウィキペディア(棒グラフ)編集者の所在する国の比較 (2014年1月 – 同3月) アメリカ 38.3% イギリス 13.2% インド 6.9% カナダ 5.4% オーストラリア 3.6% 不明 2.9% フィリピン 2.6% ドイツ 1.5% ブラジル 1.1% イタリア 1.0% アイルランド 1.0% パキスタン 0.9% フランス 0.8% マレーシア 0.8% オランダ 0.8% インドネシア 0.8% 中国 0.7% ニュージーランド 0.7% スペイン 0.7% イラン 0.7% メキシコ 0.5% スウェーデン 0.5% ロシア 0.5% ギリシャ 0.5% トルコ 0.5% その他 13.1% 英語版ウィキペディアには、アメリカ英語(米語)、イギリス英語、国際英語など、どの地方語(英語版)の英語で記述するのが適切かという課題がある。特に綴り(英語)の違いが問題である。これはポルトガル語版におけるポルトガル語とブラジルポルトガル語の問題、あるいは中国語版における各種地方語使用のそれと類似している。ノルウェー語版ウィキペディアでは地方語の問題は解決を見た。 これについては、1つの英語にまとめる、英語版ウィキペディアを各地方語で分割するなどの提案が出されもした。英語版の書式のガイドラインには「英語のウィキペディアでは、好みがばらばらで統一されておらず、どの国の英語を主要な言語とするか決まっていない」とあり、事実上の方針となっているのは地域的な記事はその地域に適切な英語を使用するというものである。例として、「色」を表す「カラー(Color)」の単語は、イギリス関係の記事内においては、イギリス式の綴りを尊重し「Colour」と記載することが推奨されている。他の記事は英語の種類が記事の中で一貫している限りは、あらゆる種類の英語を認めている。 Andrew Lihは、原版としてスタートした英語版ウィキペディアには「イギリス英語とアメリカ英語のどちらであるべきか、議論する機会がなかった」と書いている[要説明]。編集者は主にアメリカの話題には米国綴りを、主にイギリスの話題には英国綴りを使用することに同意しており、この点についてLihは2009年に「間違いなく、単に数の多さに依拠してアメリカの綴りが既定で優勢になる傾向がある」と述べた。 「英語版ウィキペディアとブリタニカ百科事典の精度は同じくらい」と報じた『ネイチャー』に対して、ブリタニカが撤回を求めるなどの動きも見られる。 英語版では、2国間以上にまたがるデリケートな問題、例えば紛争・戦争や領土問題に関わる項目(ナゴルノ・カラバフやトランシルヴァニアなど、現在でも帰属関係が係争中の領土)に関しては、互いの国家の立場のユーザ同士でしばしば壮絶な編集合戦が巻き起こったあげく、結局保護扱い記事にされる例も少なくない。 これは、英語が事実上の地球共通語であり、また公用語とする国家が多いことにも起因する。母国語が英語の国が5カ国以上存在するのも原因のひとつである。内容が英語で記述されているということは、それだけで引用元として、さまざまな方面からリンクしやすいということに繋がるからでもある。そのため、ユーザの所属する国家と政府の主張に合致する方向で、内容の書き換えが起こりやすいという問題を孕んでいる。 母数となる閲覧者、編集者が多いため一般的項目は充実しているものの、サブカルチャーへの関心も極めて高い。アメリカのポータルサイトCompete.comの実施した調査によれば、2007年4月に英語版で検索された言葉100語を分析したところ、25%が日本のアニメ関連のキーワードであり、セックス関係16%、ポップカルチャー関連16%、音楽関連10%であった。この調査は英語社会全体では余り浸透していないアニメ関連への関心がネットを使うことに慣れたユーザーの間では高い傾向にあることや、英語版でもアニメや芸能関係の関心が高いことを示した。2009年にページビューの多かった上位20件の記事の大半がサブカルチャー・生活関連の記事であった。
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