中世の考え方とは? わかりやすく解説

中世の考え方

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:57 UTC 版)

万有引力」の記事における「中世の考え方」の解説

中世ヨーロッパではアリストテレスの考え方広く知られていたので、人々はそうした見方世界見ていた。以下のような考え方である。 我々人間は、それぞれの家に住んでいる。人間は何かの理由で家から離れることがあっても、結局はその家に帰ろうとする。動物同じだ。地リス地面巣穴持っている。何かの理由があると、たとえば危険を感じると、穴から一時的に離れることはあるが、危険がさればやはりその巣穴戻ろうとする。もそうだ。も何かの理由例え食べ物探すために一時的に巣から飛び立つことがあるが、結局はその巣へ帰ってくる。命あるもの全てそれぞれの性質に応じて本来の位置というものをもっていて、一時的にそこから離れることはあっても、結局はそこへ帰ろうとするものだ。 生き物それぞれ本来の位置というのを持っているように、物(無生物)も、それぞれの性質に応じて本来の位置持っている。たとえば小石その本来の位置を地に持っている。焔はその本来の位置天上持っている例えば、小石空中投げれば小石は本来の位置から離されることになり、小石は一旦は抵抗示しながら上に上がるが、結局はできるだけすみやかにその本来の位置である地に戻ってようとする。 だが、無生物でも、その本来の位置持たない思われる存在がある。天に見え天体である。天体永久に同じ運動繰り返すばかりで、その本来の位置持ってないよう見える。そこで中世人々は、地上存在天の存在本質的に異なっていると考え地上存在はただの存在であり、それに対して天の世界属す存在永遠に運動繰り返す天体は、いわば霊的な存在である、と考えた中世人々は、天の世界地上とは全く別の法則働いている別世界なのだ、と考えていたのであるまた、天の世界の、地上とは異なった性質説明するために、地上四元素でできているのに対して天体第五元素でできている、とも考えていた。

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中世の考え方

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:47 UTC 版)

コナトゥス」の記事における「中世の考え方」の解説

インペトゥス理論」を参照中世イスラム物理学」、「スコラ学」、および「中世哲学」も参照コナトゥス」と運動それ自体の間には伝統的につながりがあった。アクィナスとユダ・レオン・アブラヴァネル(1265年 - 1321年)は二人ともこの概念を、ヒッポのアウグスティヌス(354年 - 430年)が著書神の国』で「自然本性的な上下運動、つまり中間の位置自身釣り合いを保つ運動」と見なしたものと直接に関係付けた。彼らは物体上げ下げするこの力を「amor naturalis」つまり「自然本性的な愛」と呼んだ6世紀に、ヨハネス・ピロポノス(490年 - 570年)はアリストテレス運動の理論批評しアリストテレス発射体に関する議論中に矛盾含まれる指摘したアリストテレスアイテール媒体では発射体運動保存されると言い一方アリストテレス虚空に関する議論では、そのような媒体存在せず、そのため物体運動不可能であるとされている。ピロポノスは、運動運動する物体包み込む媒体によって維持されるではなく、ある特性、つまり運動し始めると物体植えつけられる「コナトゥス」によって維持される主張した。ただしこれは近代的な慣性概念とは違う、というのはこの場合にはまだ物体運動し続けるためには固有の力が必要とされているからである。この考え方は、アリストテレス支持したイブン・ルシュドスコラ学者たちに強く反対された。しかしアリストテレスの考え方イスラーム世界からも挑戦された。例えば、イブン・アル=ハイサムピロポノス考え方支持したようである。ただその一方でイブン・アル=ハイサム慣性類似した概念発展させた。慣性概念は、その効果空気抵抗のような外的な力の結果としてのみ消散するような永続的な力について考えたイブン・スィーナーによってより明確に発展させられた。このことでイブン・スィーナーは「非自然的な運動に関してそういった永続的なタイプ銘記された力を考えた最初の人物」となったイブン・スィーナーの「マイル」という概念アリストテレス激し運動の概念とほとんど反対のものであり、むしろ慣性の法則、つまりニュートン第一運動法則を思い出させるものであったイブン・スィーナーは、運動する物体重さ速度の間に定量的な関係を与えようとして、運動量同様の概念発展させた。 ジャン・ビュリダン(1300年 - 1358年)も以前考え否定してこの運動生じさせる特性という考え採用したが、彼はそれを「インペトゥス」と名づけ徐々に消散していくものとした。ビュリダン立場は、空気抵抗と、物体の持つインペトゥスに逆らう物体自身重さ運動する物体とらえられるというものであったまた、彼は、インペトゥス速度比例して増大する主張した彼の最初インペトゥスに関する考え多くの点で近代的な運動量概念似ている。より近代的な慣性概念明らかに似ているにもかかわらずビュリダン自身理論アリストテレス基本的な哲学修正したものにすぎないみなしており、運動している物体静止している物体の間にはまだ根本的な違いがあるという考えを含む多く逍遥学派考え主張したまた、ビュリダンは、インペトゥス本性直線的にだけではなく円的にも働き天体のような物体働いて円運動をさせると主張した

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