ランドクルーザー
1951年8月にトヨタ・ジープ(BJ型)として送り出したクルマを、54年6月にランドクルーザーと名称変更し現在に至る。ジープという名称は、アメリカ・ウィルス社の商標と判明、改称した。BJ型のエンジンは当初、トラック用のガソリン仕様6気筒3878cc・95ps搭載。
55年11月、新設計のF型ガソリンエンジン(直6・3878cc、出力は105ps)を載せたFJ20系を発表、BJ(ディーゼルエンジン搭載車)と併売した。FJは乗用車的で、2種類のホイールベースがあった。この20系は山岳地帯の多い中南米諸国、砂漠地帯の中近東諸国、東南アジアなどに輸出、花形となった。トヨタにとって重要な存在だった。
60年初めの一時期、30系を販売したが、8月にはFJ40系へとモデルチェンジ。エンジンはF型の後期タイプを使用。3タイプのホイールベースをもち、ショート、ロングと各種ボディも豊富だった。74年2月にはディーゼルエンジン車も登場した。B型直4・2977cc・85psエンジンを積んだBJ40系モデルで、第一次オイルショック後ということもあり、一般ユーザーに受けた。
80年8月、バンタイプをフルモデルチェンジ、FJ60に進化、より乗用車的になった。搭載エンジンは2F型直6・4230CCガソリンと、3B型直4・3431ccディーゼルの2種。
84年11月、40系を24年ぶりにモデルチェンジ、FJ70系となった。当初は3B型直4・4230ccディーゼルエンジン搭載。85年10月、70系ショートボディに、ターボ付きディーゼルの2L-T型直4・2446ccエンジンを積んだ、SX5というクルマがデビューした。サスペンションはベース車のリーフスプリングタイプに変えて、新設計のコイルスプリングを4輪に採用、乗り心地と悪路走破性を高めた。のちのプラド1号車ともいうべきワゴンの誕生だった。同時期、60系にも新開発の12H-T型直6・3980ccディーゼルターボエンジンを搭載したVXグレードをバリエーションアップ。60系一部車種に日本初のデフロック機構をオプション設定した。
88年8月、もっとも大型の60系に、3ナンバー登録のワゴンVXを追加した。エンジンはガソリンの3F-E型直6・3955ccを搭載。ミッションは2ウェイOD付き4速ATだけ。折りたたみができる3列めシートを持ち、定員は8名。
89年10月、60系ロングボディのフルモデルチェンジがあり、一回り大きくなって80系へとステップアップした。エンジンはバン系がディーゼルの直6・4163cc自然吸気(NA)とターボ、ワゴンタイプには既存のガソリン3F-E型を継続した。4WDはベベルギヤ式センターデフを持つフルタイム方式。サスペンションはリーフスプリングから、前リーディングアーム式リジッド/後トレーリングアーム式3リンクヘと変わった。
90年4月、70系をマイナーチェンジし、2ドア車だけだったこのシリーズに4ドア車を追加、ワゴン型はプラドというサブネームが付いて独立した。エンジンはディーゼルターボ2L-TE型2.5Lを積み、4速ECTと組み合わせた。パートタイム4WD仕様。5人乗りと8人乗りがあり、4ドアの3列シートはリクライニングと折りたたみができた。
92年8月には、80系ワゴンのエンジンをガソリン直6・OHV・4Lからガソリン直6・DOHC・24バルブ・4.5Lに載せ替えた。70プラド系にはワイドが新登場。両モデルにサイドドアビーム、ハイマウントストップランプ、シートベルト非装着警告灯などが標準装備となった。
70系プラドは93年5月にマイナーチェンジ、ディーゼルターボエンジンを従来の2.5Lから3Lに変えた。80系のマイナーチェンジもあり、新色ボディカラーやバリエーションの追加があった。その後もマイナーチェンジを続け、全体として乗用車化が進んだ。
96年5月、フルモデルチェンジ、プラドとして2世代目に入った。3ドア・ショート、5ドア・ロングとも、従来型よりホイールベースを延長。標準型とワイドの各寸法も拡大し、5ナンバーサイズはなくなった。3ドアは丸型、5ドアは角型ヘッドランプで顔を変えた。エンジンは新たにV6・DOHC・24バルブ・3.4Lのガソリンを採用、従来からの3Lディーゼルターボにはインタークーラーを装着した。4WDシステムはセンターデフロック付きのフルタイム方式に変わった。サスペンションも前ダブルウイッシュボーン/後ラテラルロッド付き5リンクに改めた。
97年4月、プラドに直4・DOHC・2.7Lのガソリンエンジンを追加。5ドア車のサードシートを脱着可能タイプにした。2000年7月には、3Lのディーゼルターボエンジンを一斉に直噴に変更、低燃費化と振動・騒音の大幅減をはかった。エンジンイモビライザーシステムの採用もあった。一方、80系ワゴンは98年1月にフルモデルチェンジ、100系に生まれ変わった。高級化が顕著であり、大型化もした。エンジンは新開発のV8・4.7Lを搭載。8ナンバー登録のキャンパー・アクティブバケーションも設定。99年1月、さらに高級なシグナスを100系に追加。ヘッドランプの形状が異なった。本革シート、ウォルナットパネルなどが標準で付いた。6月には、アクティブTRCというデバイスや、車両安定制御VSCを採用して走破性を高めたモデル(オプション)が登場し、2000年5月にははっ水ドアガラス、ワイヤレスリモコン・ドアロック、エンジンイモビライザーシステムの採用など、装備充実をはかった。
2002年8月、100系のマイナーチェンジがあり、内外装のリファインと同時に、ミッションを4速ATからスーパーインテリジェント5速ATにチェンジしたほか、ギヤ比可変ステアリングシステムの採用、ナイトビジョンのオプション設定などプレステージ性を高める改良を施した。
2002年10月、プラドが新モデルに移行。3ドア/5ドアボディに、V6・3.4L、直4・2.7L、3L直噴ディーゼルターボエンジン搭載という組み合わせは従来型と変わらないが、ボディ寸法が拡大した。ホイールベースで85mm~115mm、全長25mm~85mm、全幅55mm大きくなり、もちろんトレッドも65mm~70mm広がったことで、居住性や乗降性がアップした。新しい技術としては、センターデフに新開発のトルセンLSDや高度な登坂制御を行うアクティブTRC、さらにはH∞-TEMSとリヤ電子制御エアサスペンションを採用することで、走行性能や快適性が高まった。車種は3ドア・5人乗りがRX、RZの2グレード。5ドア・8人乗りはTX、TZ、TZGセレクションがあり、TXには5人乗りの設定もある。
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