ポア (オウム真理教)
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ポアとは、オウム真理教教祖の麻原彰晃が、自らの関与した殺人をその被害者が自身の悪業により地獄に堕ちるのを防ぐだけでなく、より高い世界へ転生させる為であるとして使用した用語である。語源はチベット語の「ポワ」(チベット文字:འཕོ་བ་ ワイリー方式:'pho ba)とみられる。この言葉自体には「殺人」や「殺害」という意味はないが、後期密教の一部には慈悲のために他者を殺害して極楽浄土などへ意識を遷移させる思想も存在する[1] 。
- ^ 静 2014, p. 41.
- ^ 渡邉学「オウム真理教関係未公開資料について」南山宗教文化研究所 研究所報 第 19 号 2009 年,p19
- ^ a b “〈対談〉元アーレフ代表・野田成人×宗教学者・大田俊寛(前編) 『自ら「グル」になろうとした中沢新一ら研究者たちの罪と罰』”. 日刊サイゾー (2011年8月31日). 2015年12月22日閲覧。 “
野田 教団の中では麻原の書籍以外は読んではいけないのですが、『虹の階梯』だけは転がっていましたね。
――麻原が『虹の階梯』について直接言及したことはあったのですか?
野田 それはありませんでしたが、教団の中ではネタ本として半ば公になっていたので、みんな参照はしていました。
大田 ポアという言葉をオウムに教えたのは、『虹の階梯』ですからね。” - ^ 中谷 2019, p. 339.
- ^ a b 平成7合(わ)141 殺人等 平成16年2月27日 東京地方裁判所、p.1-5。
- ^ a b c d e f 『ポアとは何か!―インド・チベット密教ヨーガの一考察―』 金本拓士 - 智山伝法院(真言宗智山派)ホームページ
- ^ a b 森山 2004, p. 20.
- ^ 河邑厚徳・林由香里著『チベット死者の書』NHK出版74p~
- ^ NHK 2013, p. 349-350.
- ^ NHK 2013, p. 351.
- ^ a b c d e f 藤田光寛「〈菩薩地戒品〉に説かれる「殺生」について」密教文化,1995 年 1995 巻 191 号 p. 141-145,p137.
- ^ NHK 2013, p. 352-353.
- ^ 頼富本宏 「密教仏の研究』(法蔵館、1990年) p.375-379
- ^ 島田茂樹:里道徳雄、新保哲 編著 『東洋倫理思想史』(北樹出版、1993年)、pp. 110-111
- ^ 松長有慶 「密教経典成立史論』(法蔵館、昭和55年)、pp. 64-79
- ^ NCC宗教研究所・富坂キリスト教センター 2004, p. 44.
- 1 ポア (オウム真理教)とは
- 2 ポア (オウム真理教)の概要
- 3 善巧方便経・密教経典における殺生
- 4 他組織との類似点
- 5 関連項目
「ポア (オウム真理教)」の例文・使い方・用例・文例
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