ブロード・ストリートの大発生とは? わかりやすく解説

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ブロード・ストリートの大発生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 02:36 UTC 版)

ブロード・ストリートコレラ大発生」の記事における「ブロード・ストリートの大発生」の解説

1854年8月31日市内他の場所コレラ発生した後、ソーホーコレラ大発生起こったその後3日間で、ブロード・ストリート周辺127名が死亡し翌週までに、住民4分の3がその地域から避難した9月10日までに、500名が死亡し市内一部地域では死亡率が12.8パーセントとなった大発生終わりまでに、616名が死亡した医師スノウはのちに「この王国起こった最も恐ろしいコレラ大発生」)と呼んだコレラ患者多くは、ミドルセックス病院(Middlesex Hospital)に運ばれた。そこでは彼らの看護フローレンス・ナイチンゲールによって監督された。彼女は9月上旬短期間ながら、コレラ大発生伴って運び込まれ患者看護の手助けをするために、この病院加わったのであるエリザベス・ギャスケルからの手紙によると、 「ナイチンゲールは、金曜日の午後9月1日)から日曜日午後まで、昼も夜も、常に運び込まれる貧し人々(特に娼婦たち(fallen women) に被害多かった)の看護引き受け、彼ら彼女らの服を脱がしテレビン油温湿布当てるなど、できる限り多く患者に対して処置行なった」。 スノウは、ヘンリー・ホワイトヘッド司祭(Reverend Henry Whitehead)の助け借りて地元住民らへの聞き込み調査によって、コレラ発生源が、ケンブリッジ・ストリートのブロード・ストリート公共水ポンプであると特定した。このブロード・ストリートポンプから採取され水の試料対する、スノウ化学的検査および顕微鏡検査では、その危険性決定的に証明しなかったものの、彼がソーホー地区住民病気と死パターンについて申し立てた事実は、ウェストミンスター・セント・ジェームズ教区当局説得することには成功し当局ハンドル取り外すことで井戸ポンプ使用不能にした。 この措置大発生を終わらせたものとして一般に報告されているが、実際に大流行ポンプ停止以前からすで急速に減少していた可能性があり、このことはスノウによって説明されている: 私が前に言ったように、大発生のすぐ後に始まった住民逃亡によって死亡率大幅に減少したことは疑いない。しかし、水の使用止まる前に発病それまでのところ減少していたので、井戸活動状態のコレラ毒をまだ含んでいるかどうか、あるいは何らかの理由にそれが無いかどうか判断することは不可能である。 スノウはのちに、点分布地図(dot map)を使用してコレラ症例がこのポンプ周囲どのように発生したかを説明したコレラ発生率地理的要因結び付けるスノウ努力は、後にボロノイ図として知られるものを作成していた。彼は、個々ポンプ位置マッピングし、各ポンプ最も近いマップ上全ての点を表すセル生成したスノウ地図のうち、最も近い水源ブロード・ストリートポンプがあった地域を表すセクションでは、コレラ発生率が最も高かった。彼はまた統計使用してロンドン様々な給水者の顧客死者数比較し水源の質とコレラ症例数との関係を説明したブロード・ストリートポンプに関するコレラ患者発生数減少に関してスノウ次のように述べた: 死者数は、ブロード・ストリートポンプより、他のポンプに送る方が明らかに近い地点で、大幅に減少するか、あるいは完全に無くなることが観察されるまた、死者が最も多いのは、容易に得られるポンプ近くであることも、また気づかれるであろう。 ところで、コレラ患者発生場所には、1箇所重大な意味を持つ特異点があった。それは、ブロード・ストリート近く醸造所で働く労働者は、誰もコレラにかからなかったことである。調べてみると、この労働者達は、毎日報酬としてビール与えられたため、近く井戸から飲用していなかったのであったビール醸造工程では、アルコール醗酵を行う前の麦汁は、煮沸されて、そこに適量ホップ追加される。この煮沸が行われた結果、彼らがビール醸造するのに使用していた水の中にいたコレラ菌死滅したために、飲んで安全になっていた。スノウは、ウォーターマークス会社(Waterworks Company)が、テムズ川下水汚染され区域からを採り、それを家庭届けたことで、顧客の間でコレラ発生増加起きたという結論出したスノウ研究は、公衆衛生および健康地理学(health geography)の歴史一部である。スノウは、疫学学問分野確立する前の出来事と見なされている。スノウ自身言葉借りれば: 現場行ってみると、ほとんどの死者ブロード・ストリートポンプから近距離内で発生していたことが判った。他のポンプのほうが近い所にある住宅における死者は、わずか10であった。これらの事例のうち5例では、死者家族によると、近くポンプよりも好きだったので、いつもブロード・ストリートポンプ送った、と私に話してくれた。他の3つの事例では、死者は、ブロード・ストリートポンプ近く学校行った子供であった…… ポンプ属す地域発生した死者に関して、私は、死者ブロード・ストリートからポンプを、絶えずまたは時々のどちらかで、飲む習慣であったことを、知らされていた61件があった…… 調査結果は、上記ポンプを飲む習慣がある人々除いてロンドンのこの地域では、これといったコレラ大発生または流行はない、というものであった。 私は、9月7日木曜日の晩に、セント・ジェームズ教区保護者会面談し上記状況説明したその結果翌日ポンプハンドル取り外された。 この公共井戸は、糞便細菌漏らし始めていた古い汚水溜めの近く掘られていた3フィート (0.9 m)ことが、のちに判明した。他の供給源によってコレラ罹患していた赤ちゃん使用したおむつの洗濯排水が、この汚水溜めに流れ込んだ。その開口部は、火災通路拡幅の後に、さらに遠く再建され近くの家の下にあった当時はほとんどの家の下に汚水溜めがあった。ほとんどの家庭は、汚水土壌分解し得るよりも早く汚水溜めを満たすのを防ぐために、未処理汚水集めテムズ川投棄しようと努めていた。 同じ頃、コレラ感染調査がデトフォード(Deptford)で行われていた。その町は綺麗であることが知られており、以前コレラ大発生はなかったが、数日間で約90名が死亡したスノウは、最近になって不純になったことを知らされた。住民たちは、使用する際、綺麗な水が出るまで不純なを流すために、しばらく水流しておくことを余儀なくされていた。スノウは、住民使用している通常のポンプから変わらないことを発見しコレラ大発生は、周囲汚水とその汚染物質が、パイプ漏れにより給水混入したことにより引き起こされにちがいない、と断定した。このシナリオは、ブロード・ストリートの大発生のシナリオ似ていた。流入は、適切で安全な配管欠如相まって上昇しつつある下水面によって汚染されつつあった。 コレラの流行収まった後、政府高官ブロード・ストリートのポンプハンドルを交換した。彼らは、住民起こったコレラ大発生という、緊急事態にだけは対応していた。しかし、その後スノウ理論拒絶した彼の理論受け入れることは、間接的にではあっても病気感染源である他人糞便を、自分の口から飲み下していたことを知ることであり、そのこと大部分大衆にとって、考えるのもおぞましいことであったからである。

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