パブリックイメージと評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 14:25 UTC 版)
「プリーティ・ジンタ」の記事における「パブリックイメージと評価」の解説
インド国内のメディアでは、ジンタはその率直な性格と、スクリーン内外での生活や社会的不公正に対する問題提起など、公の場で自分の意見を正直に述べることで知られている。彼女は、自分が「世間で言われているほどタフではない」と思っているが、「正しい側」に立ち続ける限り、たとえ反対意見に直面しても自分の意見を表明することに不安は抱かないと断言している。こうした特徴は先述のバーラット・シャー事件の際に特に注目され、この事件の後、彼女はしばしばジャーナリストから「ボリウッドで唯一の男」と呼ばれた。しかしこのレッテルの根底にあるミソジニー的な含みに対し、ジンタは不快感を抱いていた。映画俳優のアミターブ・バッチャンは、彼女のことを「率直で痛々しいほど正直」と表現し、「独身女性にとって最も過酷なこの世界におけるその意欲と根性」を称賛した。作家でコラムニストのショバー・デ(英語版)は、2014年にネス・ワディアに対して痴漢行為の告訴を行ったことを評価しつつ、ジンタが正義を求めて繰り返し行動することは、最終的に彼女にとって不利になりうるという懸念を示した。「インドという国は、意志が強く率直な女性に対してひどく辛辣だ。特に男性に対して、敢えて声を上げようとすれば『トラブルメーカー』と呼ばれる。ジンタはそのような女性だ」。 特徴的なえくぼを、メディアはジンタのトレードマークとして挙げる。キャリアの序盤、彼女はマスコミから、快活な性格で、気まぐれで外向的な人物であると評されることが多かった。しかし彼女自身はこのイメージが嫌いだったと告白している。映画評論家のスカンヤ・ヴァーマによると、ジンタのエネルギッシュな性格は実生活からスクリーン中にまで及んでおり、演技技術における不可欠な要素となっているという。ヒンディー語映画女優たちとそのコメディの才能に関する議論の中で、ヴァーマはジンタについて次のように書いている。「上品ぶらず堅苦しくもないトーンでくすくす笑い続ける女優について、何を語ることができるだろうか?のんきで、生き生きとしている。喋りっぱなし。いつも笑っている。彼女には地に足のついたユーモアのセンスがある。そして、おてんばなところもある。プリーティ・ジンタはこれらすべてを兼ね備えている。これらすべてが、彼女の演技スタイルに大きく貢献しているのである」。 監督のタヌジャ・チャンドラは、スクリーン上でのジンタの魅力は、演技に計算がない点にあるとし、「彼女は演技をしない。とてもリアルで、だからこそ目をそらすことができない」とコメントしている。Vinayak Chakravortyは『ヒンドゥスタン・タイムズ』紙での『Chori Chori Chupke Chupke』(2001年)のレビューにおいて「プリーティが演じるすべての役には、賞賛すべき熱意が注ぎ込まれている」と述べている。2本の映画で監督を務めたファルハーン・アクタルは「話し方、動き方、ボディーランゲージなど、役に合わせて自分自身を作り上げることができる」女優だと考えているといい、ヴィドゥ・ヴィノード・チョープラー(2000年の映画『Mission Kashmir』の監督)は、「最も複雑な状況でも、観る者に信じさせることができる」能力を持っていると評価している。オーストラリアの映画評論家ジェイク・ウィルソンは、『Salaam Namaste』のレビューの中で「プリーティ・ジンタは繊細な女優ではないが、かなりのコメディエンヌである。ハリウッドで彼女の美しさ、激しい感情、表情の動きの組み合わせに相当するものを求めるならば、ナタリー・ウッドまで遡る必要があるかもしれない」と述べている。アメリカの評論家デレク・エリーは、彼女を「ボリウッドで最も純粋な女優の一人」と評価している。 『Sangharsh』(1999 年)、『Kya Kehna』(2000 年)、『Chori Chori Chupke Chupke』、『Salaam Namaste』(2005 年)、『Kabhi Alvida Naa Kehna』(2006 年)などでの演技によって、ジンタはその多才さを認められ、とりわけインドの伝統的な道徳規範に反する役柄を演じることで定評を得るようになった。批評家たちは、これらの役柄がボリウッドにおける主演女優の新しいイメージの確立に貢献したと評価している。カラン・ジョーハルは、「映画が自分の内心を知っている女性を描く」時代に活動しているというアドバンテージを持つ「新世代の女優」としてジンタに言及している。作家のMonika Mehtaは、独立し自らの意見を曲げない女性としてのジンタのパブリックイメージと、『Salaam Namaste』での文化的に反抗的なキャラクターとの類似性を指摘した。書籍『Once Upon a Time in Bollywood』(2007年)のうちの一章でジンタの役柄を分析したJennifer Thomasは、ジンタが「現代的なライフスタイル、彼女自身が選んだ論争の的になる役柄を通じて、家父長制の抑圧に抵抗している」と述べている。 ジンタは、インドで最も有名なセレブリティの一人となっている。キャリアのピーク時にはヒンディー映画界で最も有名なスターの一人であり、インドの映画業界における伝統的な援助や親族関係なしでキャリアを築き上げたことが認められた。興行収入を発表しているウェブサイト「Box Office India」のトップ女優ランキングに7年連続でランクインし、2003年と2004年には2年連続で1位を獲得した。「Rediff.com」の「トップ・ボリウッド女性スター」では、2003年に1位で登場し、その後3年間は2位にランクインしていた。同じく「Rediff.com」の「Bollywood's Most Beautiful Actresses(ボリウッドで最も美しい女優)」、「Bollywood's Best Dressed Women(ボリウッドで最も美しく着飾った女性)」、「Women of Many Faces(多くの顔を持つ女性)」などのランキングにも頻繁に登場している。2006年から2008年にかけて、ジンタは3年連続でカンヌ国際映画祭に参加した。最初は、ヒンディー語映画業界を代表して映画監督のカラン・ジョーハルと共に『Kabhi Alvida Naa Kehna』のプロモーションのために第59回カンヌ国際映画祭(2006年)に参加。よく年以降は、高級時計やジュエリーのメーカーであるショパールのブランドアンバサダーとして参加した。 2006年9月、ジンタは英国の雑誌『イースタン・アイ』の「アジアで最もセクシーな女性」に選ばれた。2010年、米『タイム』誌は彼女を「世界で最も影響力のある100人」の候補者の一人に選んだ。インド人女優としては唯一の候補者であったが、最終的には144位となり、ファイナル・リストには残らなかった。しかしその後、彼女が映画の仕事を制限したことで人気が著しく低下し、自主制作した復帰作の失敗でさらに低下した。ハリド・モハメドやスバーシュ・K・ジャーなどの映画ジャーナリストは、彼女が映画から遠ざかっていることを嘆き、女優への復帰を勧めるコラムを書いている。
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