社会的不公正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 06:20 UTC 版)
松本史朗は天台宗以降、日本で主流となった大乗仏教の本覚思想や仏性は釈迦が否定した永遠の現実に結びつくと批判し、本覚思想が社会の不公平を助長するものとして批判した。日本における大乗仏教では正義や社会的不公正に対する考え方が弱いため政治的プロパガンダや社会的圧力に屈しやすく、自分の「集団」以外の人の利益を無視する無責任な放任気質を助長し、善悪、正誤の倫理的判断の根拠を与えないとした。 仏性・本覚思想等の大乗仏教が立脚する教えによると、すべてのものが単一の普遍的で永遠な実在に基づいており、一見「平等」の教えのように見える。しかし万物の単一の基礎と根本的な現実を前提とするならば、善と悪、強者と弱者、富者と貧者は基本的に「同じ」であり、いかなる不正義も正す必要も、いかなる誤りも正す動機もない。つまり日本の大乗仏教は差別と不公平を助長するとして批判を行い、日本仏教からの本覚思想や仏性の除去を提唱した。
※この「社会的不公正」の解説は、「仏教に対する批判」の解説の一部です。
「社会的不公正」を含む「仏教に対する批判」の記事については、「仏教に対する批判」の概要を参照ください。
- 社会的不公正のページへのリンク