パブリックアートの概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 21:52 UTC 版)
「パブリックアート」の記事における「パブリックアートの概要」の解説
パブリックアートの目的は、 一つには芸術作品を街や公園に置いて市民に身近なものにするということ、 一つには芸術作品の設置によってその都市・場所・住民の歴史、気概、願いを形にして、公共の福祉の向上に寄与し、街づくりに結びつけたり地域共同体の活性化に結び付けたりその都市に文化価値を付け加えたりすること である。 銅像や彫像、石碑などの記念碑が古来より広場や街角などの公共空間に設置され、第二次世界大戦後にはオブジェなどが置かれるようになっているが、素材は青銅・石のほか、他の金属・樹脂・水・映像・パフォーマンスアートなど、物質にとどまらず多様化している。 表現形態も具象的・抽象的な彫刻のみにとどまらずベンチ・街灯・噴水などを兼ねるもの、造園・造景された庭園のような空間、ある種の公園・広場・建築・橋など、公共空間に意図を持って設置された芸術的要素の含まれるものはパブリックアートと考えられる。 またパブリックアートのある空間は通常、道路や広場など、公共が所有する土地であるが、ビルの足元にある公開空地など、誰でも立ち入れるようにした私有地にあるオブジェもパブリックアートに含まれると考えられる。 この用語は第二次大戦後のアメリカ合衆国で誕生しヨーロッパに広まった。日本には1990年前後に用語や概念が導入されたが、それ以前にも「野外彫刻」などの名で実践されていた。 パブリックアートという語は各国の美術界の中で重要なものになりつつある。設置を依頼する政府・自治体・企業、設置される場所のコミュニティや住民、設置を企画するキュレーター、設置する土地の特殊性に対応すること(サイト・スペシフィック)を考えコミュニティとも協力しながら作品作りを行う美術家など、多数の人の協力や理解によって多くの作品が作られている。
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