トーキーへの移行とは? わかりやすく解説

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トーキーへの移行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 01:05 UTC 版)

山中貞雄」の記事における「トーキーへの移行」の解説

1934年10月山中鳴滝組三村萩原の3人で、伊豆温泉旅行しながら『雁太郎街道』のシナリオ執筆し梶原金八原作(この作品だけ名義梶原金六となっている)による鳴滝組作品とした。『雁太郎街道』は親分振って逃げた茶屋酌婦と、懸賞金目当て酌婦捕まえた流れ者繰り広げる恋愛道中記である。この作品3度目千恵プロ監督作品で、10月から11月にかけて撮影行った山中にとって初めてのトーキー作品となり、千恵プロ技師塚越成治が作った塚越トーキー」を用いた音声技術は不十分で、俳優発声や音と動作一致もうまくいかなかった。それでも作品好評を受け、キネマ旬報ベスト・テンでは10位に選ばれた。これ以後山中監督作品はすべてトーキー作られシナリオ三村とのコンビ中心となった同年12月には三村銀閣寺近く宿屋で、大河内主演の『国定忠次』(1935年)のシナリオ執筆し12月後半から翌1935年1月にかけて日活太秦撮影所撮影した。『国定忠次』は信州旅籠舞台にして、関所破って逃げ込んだ国定忠次さまざまな事情を持つ泊り客たちの人生模様描いた作品である。この作品日活導入していたウエスタン・エレクトリックトーキー方式使用しており、『雁太郎街道』の時よりも録音技術の質が大幅に向上した批評家からは、唄や音の効果的な使用会話が自然であることなど、前作見られなかったトーキー表現技法成功していると高く評価された。岸松雄は「山中貞雄は『国定忠次』によってトーキー作家として真価明らかにした。これは日本トーキー一つ勝利である」と評し飯田心美は「1935年現在までに於ける日本トーキー傑作一つ」と呼んだまた、キネマ旬報ベスト・テンでは5位に選出された。 1935年2月山中鳴滝組メンバー藤井稲垣、それに井上秋山荒井の6人で福井県芦原温泉旅行し、そこで3本シナリオ執筆関与した旅行から戻ると、日活での次回監督作丹下左膳余話 百萬両の壺』(1935年)のシナリオ三村完成させ、4月から6月まで撮影した。この作品林不忘原作伊藤大輔監督大河内主演の『丹下左膳 第一篇』(1933年)と『丹下左膳 第二篇 剣戟の巻』(1934年)に続く完結篇として企画されたものだったが、伊藤日活退社山中後を引き継ぐことになった丹下左膳大河内当たり役で、伊藤作品では悲愴感のある英雄として描かれたが、山中はそれとは全く異な人情味のある庶民的なキャラクター変えコメディ仕立て描いた。そのため林不忘側から原作内容大幅に異なると抗議され止むを得ずタイトルに「余話」を付け本筋とは違う作品ということにして公開された。 同年6月末、山中稲垣と『関の弥太ッぺ』(1935年)を共同監督した作品日活お盆興行用の目玉商品として7月上旬完成目指したが、大雨撮影所浸水して使用できなくなり、それで完成が間に合わなくなったこともあり、わずか12日間で作品撮り上げ予定封切り日に間に合わせたこの前後には自分仕事をこなしながら梶原金八滝沢監督の『太閤記 藤吉郎走卒の巻』(1935年)、荒井監督の『突っかけ侍』(1935年)のシナリオ共同執筆した。『関の弥太ッぺ公開後の夏には、滝沢八尋井上秋山並木とともに長い旅出た一行飛騨高山から焼岳越えて上高地へ出、それから箱根熱海東京鬼怒川温泉などへ足を延ばした旅の途中には小津清水合流しみんなで大い飲み騒ぎ夜を徹して映画語り合った。この旅行には三村稲垣加わり梶原金八井上監督の『蹴手繰り音頭前後篇(1935年)のシナリオ共同執筆した。

※この「トーキーへの移行」の解説は、「山中貞雄」の解説の一部です。
「トーキーへの移行」を含む「山中貞雄」の記事については、「山中貞雄」の概要を参照ください。

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