トランプ政権離脱後の活動
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「スティーブン・バノン」の記事における「トランプ政権離脱後の活動」の解説
ホワイトハウスを去った後、バノンは共和党内のエスタブリッシュメントに反旗を翻し、共和党の予備選挙ではエスタブリッシュメントに反抗する候補を支援した。バノンは共和党現職議員の一部がトランプ大統領を十分に支援していないと見なしており、トランプ政権離脱後、バノンはそれらの議員の落選に努力し、同年10月、共和党の予備選挙では現職の共和党上院議員7人のうち6人への対立候補への後援を計画していると述べた。彼は候補者が彼から後援の条件として、ミッチ・マコーネルが上院多数党院内総務になることに対して反対票を投じると誓うこと、そして上院の議事進行妨害を終わらせると誓うことと述べた。 同年9月、香港を訪れて中国国営企業の中信證券(CITIC Securities)の子会社CLSAグループのフォーラムに出席し、退任後初めて講演を行った。講演では政治的な話題に触れるだけでなく、かつて中国への旅を夢見て米軍の太平洋艦隊を志したと語り、特に70年代に見たイギリス統治下の香港の魅力に惹かれと述べ、2005年から2008年まで香港と上海に滞在した思い出を懐古した。フォーラム開催地のグランドハイアット香港の外では梁国雄ら香港の民主派活動家が習近平とバノンの顔を並べたプラカードを掲げて「人種差別主義者、民族主義者は歓迎しない」と抗議活動を行った。また、バノンは習総書記の最側近の一人である政治局常務委員の王岐山に招かれて北京の中南海で90分間、秘密会談を行った。 同年11月、一般財団法人「人権財団」などが都内で開催している中国の民族、人権問題、平和などについて話し合う会議「諸民族青年リーダー研修会」に招かれて来日した。 同年12月6日、ワシントンで自民党の河井克行総裁外交特別補佐と会談した。同月16日、ベルサール渋谷ファーストで開催された保守系政治イベントJ-CPACで講演した。バノンは来日の目的を日本の保守派に影響をおよぼすためと語った。 12月22日、ロシア政府による米大統領選干渉疑惑を調べている米下院情報特別委員会は、バノンに対して2018年1月上旬に証言をするよう要請した。 2018年1月3日、ジャーナリストのマイケル・ウォルフの著書『炎と怒り』の中のインタビューでバノンがトランプの長男ドナルド・トランプ・ジュニアやクシュナーといったトランプ家とロシアの関係を「売国的」「非愛国的」と断じたことに対し、トランプは声明で「スティーブ・バノンは私や私の政府と無関係。解任されたら仕事どころか正気も失った」と非難、「スティーブは、党の指名獲得後に雇ったスタッフの1人だ。我々の歴史的勝利にスティーブは無関係」と述べてトランプ政権へのバノンの貢献も否定した。一方でバノンはトランプを「偉大な人物」として支持し続けることも表明した。これに対してトランプは「彼は私を偉大な人物と呼んで明らかに調子を変えたが、彼とは話をしない」と繰り返し述べた。後援者であったレベッカ・マーサーも現在はバノンの支援をしていないし、バノンの最近の行動や発言も支持しないと述べた。トランプはマーサー家の対応を歓迎し、バノンを「だらしのない」「捨て犬のようだ」と罵倒した。ブライトバートはバノンの解任を検討していることを明らかにし、9日にバノンはブライトバートの会長を辞任した。 2018年7月には、ブリュッセルに「ムーヴメント財団」を設立し、ヨーロッパの右派ポピュリスト勢力を結集させるとした。 2020年11月5日、バノンのオンライン番組である『ウォールーム・パンデミック(War Room: Pandemic)』にて米政府関係者(クリストファー・レイFBI長官、アンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所所長)を斬首すべきと呼びかけた。Twitterは「暴力の賛美に関するポリシー」に違反するとしてアカウントを恒久的に停止し、YouTubeは問題のエピソード動画を削除した。 2021年1月6日に発生した議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会で、10月14日に証言することを召喚状で命じられていたが、トランプ前大統領側が「大統領特権」を理由に証言拒否を求めたのを受け、応じない意向を示した。バノンは事件前日に混乱が起きることを予告しており、同委員会は、バノン氏が事件に関する何らかの情報を得ていた可能性があるとみている。10月21日に下院本会議でバノンを議会侮辱罪で刑事訴追するよう司法省に求める決議案が賛成多数で可決された。11月12日、司法省は連邦大陪審がバノンを議会侮辱罪で起訴したと発表した。
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