デビュー、赤本の世界へとは? わかりやすく解説

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デビュー、赤本の世界へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 06:05 UTC 版)

手塚治虫」の記事における「デビュー、赤本の世界へ」の解説

終戦後学生である手塚戦時中描き溜めた長編の中から『幽霊男』(『メトロポリス』の原型)という長編毎日新聞学芸部送った。これは音沙汰無し終わったが、その後、隣に住んでいた毎日新聞印刷局勤め女性からの紹介で、子供向けの『少国民新聞』(現・毎日小学生新聞学芸部の程野という人物会い彼の依頼受けて少国民新聞』の大阪版4コマ漫画マアチャンの日記帳』を連載1946年1月1日 - 3月31日)、この作品手塚デビュー作となった。この『マアチャン』はローカルながら人気があり、人形駄菓子キャラクター使用されたという記録残っている。『マアチャン』に続けて4月から『京都日日新聞』に4コマ漫画珍念と京ちゃん』を連載しており、これらと平行して4コマ形式連載長編作品『AチャンB子チャン探検記』『火星から来た男』『ロストワールド』(後述するものとは別物)なども各紙描かれているが、4コマ連載という形式限界があり、後2者はどちらも中断に近い形で終わっている。 漫画家としてデビューする前の1945年頃2代目桂春団治地方での自主興行を行う際のポスター画を提供した現物宝塚市立手塚治虫記念館展示されている)。2代目春団治が宝塚市清荒神在住ということもあり、親交重ねるうち、手塚漫画家志望という進路案じ落語家になるよう勧めたという。 1946年同人誌『まんがマン』の例会通じて後見役酒井七馬知り合い酒井から長編ストーリー漫画合作の話を持ちかけられる。これは戦後初の豪華本の企画でもあり、それまで長編漫画描き溜めていた手塚としては願ってもない話であった。こうして大雑把な構成酒井が行い、それを元に手塚自由に描くという形で200ページ描き下ろし長編新寶島』が制作された。1947年1月出版されると、当時としては異例ベストセラーとなった映画的構成スピーディ物語展開を持つ『新寶島』は、一般に戦後ストーリー漫画原点として捉えられている(後段#新寶島新宝島)の革新性参照)。 ベストセラーとなった新寶島』は大阪赤本ブーム起こし手塚はこれに乗って描き下ろし単行本の形で長編作品発表できるようになった手塚忙しくなり、これまで描き溜めてきた長編を基に、学業傍ら月に1、2冊は作品描き上げなければならなくなった1947年発表された『火星博士』『怪人コロンコ博士『キングコング』などは子供向け意識したB級映画的な作品であったが、1948年の『地底国の怪人』からは悲劇的な展開も取り入れるようになり、SF冒険などを題材作品中さまざまな試みが行なわれた。同年末に描かれた『ロストワールド』では様々な立場人物絡み合う地球規模壮大な物語描かれ、続く『メトロポリス』(1949年)『来るべき世界』(1951年とともに手塚初期代表するSF三部作をなしている。1949年西部劇拳銃天使』では児童漫画で初のキスシーンを描く。1950年には文豪ゲーテの『ファウスト』漫画化したほか、「映画制作舞台裏をお見せします」という導入で始まる『ふしぎ旅行記』、自身漫画手法体系化して示した漫画入門書先駆的作品漫画大学』などを発表している。 漫画執筆忙しくなる大学単位取得難しくなり、手塚医業漫画との掛け持ち諦めざるを得なくなった教授からも医者になるよりも漫画家になるようにと忠告され、また母の後押しもあって、手塚専業漫画家となることを決める。もっとも学校辞めたわけではなく1951年3月医学専門部卒業5年制、1年留年この年専門部廃止されたため最後卒業生となった)、さらに大阪大学医学部附属病院1年間インターン務め1952年3月第十二回医師国家試験合格1953年9月18日医籍登録されている。このため、後に手塚自伝『ぼくはマンガ家』の中で、「そこで、いまでも本業は医者で、副業漫画なのだが、誰も妙な顔をして、この事実認めてくれないのである」と述べている。

※この「デビュー、赤本の世界へ」の解説は、「手塚治虫」の解説の一部です。
「デビュー、赤本の世界へ」を含む「手塚治虫」の記事については、「手塚治虫」の概要を参照ください。

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