ゲーテの『ファウスト』とは? わかりやすく解説

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ゲーテの『ファウスト』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 04:32 UTC 版)

ファウスト (伝説)」の記事における「ゲーテの『ファウスト』」の解説

この伝説についてのもう一つ重要な版はドイツ人著者ヨハン・ヴォルガング・フォン・ゲーテによる戯曲ファウスト』である。より初期の伝説に近い第一部1808年に、第二部ゲーテ死後1832年出版された。 ゲーテの『ファウスト』はもともとの伝説が示す単純なキリスト教道徳観複雑に表現した戯曲広義詩文との融合体である二部編成のこのクローゼットドラマは、ある種叙事詩である。キリスト教中世古代ローマ東洋参考にし、古代ギリシア哲学、そして文学などひとまとめにした。 ゲーテは、自身による伝説構成し改善するために、継続的にではないが60年上もの時間をかけた。彼の死後出版され最終版は、ドイツ文学における偉業認識されている。 この物語人生本質もとめたファウスト運命焦点当てている。("was die Welt im Innersten zusammenhält").自らの知識、力、人生喜び限界があることに気付いて挫折していた彼は、メフィストフェレス代理とする悪魔の誘惑惹きつけられた。ファウスト将来にひどく無気力になっていることを知った悪魔ファウスト自身人生満足できるかどうか賭けをした。ファウストは幸福の絶頂訪れることは決してないと信じていた。この点はゲーテのものとマーロウのものとの重要な違いである。つまり、ファウスト賭け提案する人物でない、ということだ第一部で、メフィストフェレスファウスト導き純粋な少女グレートヒェンとの欲望満ちた関係の最高峰経験させた。グレートヒェンと彼女の家族は、メフィストフェレス策謀ファウスト欲望により、滅茶苦茶にされてしまった。第一部ファウスト悲劇で終わる。グレートヒェンは天の救いを得るが、恥じ入り悲嘆身を任せた第二部は、大地の精霊がファウスト(および残り人間)を許すところで始まり寓意的な詩へと続く。ファウストメフィストフェレスは、政治界古代神の国干渉しながら通り過ぎ、美の化身たるトロイのヘレン出会う戦争や自然の脅威手懐けることに成功したファウストは、至福瞬間味わったメフィストフェレスは、幸福を感じたファウストが死ぬときにその魂を奪おうとするが、神の加護により天使が邪魔をしたため失敗しひどく怒ることとなった。この加護は、真の意味で「無償な」もので、ファウストメフィストフェレス犯した罪が許された訳ではなかったが、天使云うには、この施しファウスト絶え無き努力と、寛大なグレートヒェンの取りなしよるものということになる。最後シーンで、ファウストの魂は「聖母マリア偉大なる母女王、……永久に親切な女神、……永遠女性」の取りなしにより神のおわします天国召し上げられた。 従って女神は、ファウストの死の際、彼が「永遠虚無」にとらわれた主張したメフィストフェレス勝利したことになる。

※この「ゲーテの『ファウスト』」の解説は、「ファウスト (伝説)」の解説の一部です。
「ゲーテの『ファウスト』」を含む「ファウスト (伝説)」の記事については、「ファウスト (伝説)」の概要を参照ください。

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