ゲーテと音楽とは? わかりやすく解説

ゲーテと音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 13:53 UTC 版)

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の記事における「ゲーテと音楽」の解説

ゲーテ作品には非常に多く作曲家が曲を付けている。特に重要なのは『魔王『野ばら』糸をつむぐグレートヒェン』『ガニュメート』などのフランツ・シューベルトによる歌曲であり、シューベルト生涯作曲した600曲もの歌曲のうち70曲ほどがゲーテ作品に付けられた曲である。ゲーテ自身は曲が前面に出すぎて素さに欠けるとしてシューベルトの曲をあまり好まなかったが、シューベルト死後の1830年に『魔王』を聴くと「全体イメージが眼で見る絵のようにはっきりと浮かんでくる」と感動し評価改めたゲーテ音楽観保守的なものであり、たとえば歌曲については民謡理想とし、カール・フリードリヒ・ツェルターヨハン・フリードリヒ・ライヒャルトらの作曲好んだ。他にゲーテ評価した音楽家としてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがおり、『ファウスト』に曲をつける権利があるのはモーツァルトだけだとも語っていた(エッカーマンゲーテとの対話』)。モーツァルト言及した多く文章残っており、特に彼の音楽を「悪魔人間惑わすためにこの世送り込んだ音楽」と評した言葉はよく知られている。モーツァルトゲーテ歌曲には『すみれ』があり、特に早いゲーテ歌曲一つであるが、モーツァルト作曲したゲーテの作だとは知らなかった。 またゲーテルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンにも高い評価与えていた。初めて『運命』を聴いたときには非常に動揺し、「みんなが一斉にあんな音を同時に演奏したらどうなってしまうのだ、建物壊れてしまうではないかと言っていた(前掲書より)。ベートーヴェンゲーテ尊敬し劇音楽エグモント』やカンタータ静かな海と楽しい航海』などゲーテ作品に曲をつけている。2人1812年カールスバート温泉地対面しており数日間交流持ったが、ゲーテベートーヴェン難聴同情しつつもその陰気さや無礼さ嫌った。ほかにゲーテ親交のあった作曲家にはフェリックス・メンデルスゾーンがおり、序曲静かな海と楽しい航海』などを作曲している。 ゲーテ作品のなかで最も多く曲が付けられているのは『ファウスト』であり、オペラだけでも50もの作品作られている。『ファウスト』に基づく音楽代表的なものは、エクトル・ベルリオーズの『ファウストの劫罰』(1846年)、シャルル・グノーオペラファウスト』(1859年)、アッリーゴ・ボーイトオペラ『メフィストーフェレ』(1869年)、ロベルト・シューマンの『ファウストからの情景』(1844年-1859年)、フランツ・リスト の『ファウスト交響曲』(1857年-1880年)、グスタフ・マーラーの『交響曲第8番』(1906年)など。先に挙げたシューベルトの「糸をつむぐグレートヒェン」なども『ファウスト』からの曲である。 この他ゲーテ作品に基づく有名な音楽作品として、シューマンミニョンのためのレクイエム』、トマオペラミニョン』、ブラームスの『ゲーテの「冬のハルツの旅」からの断章』(アルト・ラプソディ)、マスネオペラウェルテル』、ヴォルフの『ゲーテの詩による歌曲集』、デュカスの『魔法使いの弟子』などがある。特にオペラ化に関して成功作がフランスに多い。

※この「ゲーテと音楽」の解説は、「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ」の解説の一部です。
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