ゲーテの見解とは? わかりやすく解説

ゲーテの見解

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:09 UTC 版)

人生の意義」の記事における「ゲーテの見解」の解説

ゲーテ大作ファウスト』において人生の意味テーマとして扱っている。そこでは、今ある空虚を満たそう欲望どれほど追い求めてもその空虚は埋まらない、それどころか、欲望充足追求すればするほど、かえってその空虚際立ってくる、ということ示している。金が欲しい、地位や名誉が欲しい、異性欲しいなどの欲望は、欲望満たしたとたんに次の新たな欲望生じ、どこまでいっても満たされない、という「永遠欲求不満」の状態に置かれてしまう。 『ファウスト第一部では、大学者ファウスト学問究めつくして人生はただむなしいだけと気づく。そこで悪魔メフィストファレスと交渉しファウストを満足させられたら死後の魂を差し出してかまわない、と約束するファウスト悪魔の力で若さ得てマルガレーテと恋をし身ごもらせるが、その結果母と兄を失うことになった彼女は生まれたばかりの赤ん坊を沼に沈めて殺してしまう。ファウストは「ああ、俺は生まれてなければよかった」と嘆く。第二部では、懲りないファウスト皇帝家臣となり、ふたたび悪魔説き伏せ黄泉の国からギリシャ神話伝説美女、完全な美の体現ヘレナの霊を呼びださせ、結果としてふたたび恋におち、子供をつくり平和な家庭築き今度こそ満足のゆく生活を手にしたかのように見える。だが愛する子オフィリオンは平和な家庭否定し戦い求めて旅立ち死んでしまう。では、その後ファウストが、「ここにこ人生の意味がある」と思え、「時よ止まれ!お前は美しい!」と叫ぶことができるようになったのはどのような時かというと自分欲望を満足させようという思い捨て去り万人のための自由な国を建設しよう、と人々のための「理想の国」実現向けて戦いはじめたであった。つまり、『ファウスト』における「人生の意味」「本当の幸福とは何か」「本物の満足とはどのようなことか」というテーマ答えは、自分欲望の満足へのこだわり突き抜けて、それを手放し自己小我)を超越し利他の状態に至ったときにはじめて手に入るものだ、ということである。 なお、ファウスト心の旅あらゆる学問への絶望から始まるように、人生の意味真の幸福というのは、学問思索によって得られるものではないのであり、「人生の意味○○である」とか「真の幸福とは○○」であるということ書物文章読んで学んだところで、それで人生の意味や幸福が得られるわけではなく実際に自分の命を懸命に燃やす」ことによってのみ人生の意味真の幸福はつかむことができる、と表現されているのである

※この「ゲーテの見解」の解説は、「人生の意義」の解説の一部です。
「ゲーテの見解」を含む「人生の意義」の記事については、「人生の意義」の概要を参照ください。

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