カーボンニュートラル
排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念。具体的には、植物をエネルギーとして利用する際の燃焼・加工の工程において排出される二酸化炭素と、その植物が生長する過程において(光合成によって)吸収された二酸化炭素が等量であること。
植物を燃焼することで発生する二酸化炭素は、長期的な観点に立てば、植物が自然に分解される際に発生する二酸化炭素と等量であることになる。化石燃料の代わりに植物などのバイオマス(生物資源)を利用すれば、総体的に大気中の二酸化炭素量に影響を与えないエネルギーのライフサイクルが実現可能とされる。
カーボンニュートラルに対して、二酸化炭素の排出量が吸収量を上回ることをカーボンネガティブと呼ぶ。逆に、二酸化炭素の排出量よりも吸収量のほうが上回ることを、カーボンポジティブと呼ぶ。
カーボンニュートラルを実現する技術として、バイオエタノールをはじめとするバイオマス燃料が注目されている。
カーボン‐ニュートラル【carbon neutral】
カーボンニュートラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 00:13 UTC 版)
カーボンニュートラル (英: carbon neutrality) とは、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、その排出量を「実質ゼロ」に抑える、という概念[1]。日本語で直訳すると炭素中立となる。
- ^ a b c d e "カーボンニュートラル". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2022年2月6日閲覧。
- ^ The Guardian, ‘Era of global boiling has arrived,’ says UN chief as July set to be hottest month on record.
- ^ [1]
- ^ “「脱炭素ポータル」”. 環境省. 2022年11月10日閲覧。
- ^ 環境省 カーボン・オフセット(2021年4月8日閲覧)
- ^ 森林はどのくらいの量の二酸化炭素を吸収している?(林野庁)[2]。
- ^ 2050年カーボンニュートラルを目指す日本の新たな「エネルギー基本計画」[3]
- ^ “ガスのカーボンニュートラル化を実現する「メタネーション」技術”. 資源エネルギー庁 (2021年11月26日). 2022年4月10日閲覧。
- ^ 仏、原子炉最大14基新設へ 「原子力産業のルネサンス」 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
- ^ CARBON & ENERGY | Nike Purpose(2021年4月13日閲覧)
- ^ Our Commitments|Google Sustainability (2020/09/14)(2021年4月8日閲覧)
- ^ Becoming a net zero bank | HSBC Holdings plc(2021年4月17日閲覧)
- ^ “環境省_2050年カーボンニュートラルの実現に向けて”. www.env.go.jp. 2021年6月23日閲覧。
- ^ 自工会、2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み説明会 総理方針に貢献するため自動車業界を挙げて全力でチャレンジ(2021年6月23日閲覧)
- ^ ホンダF1撤退の理由!「カーボンニュートラル」とはそもそも何?(2021年6月23日閲覧)
- ^ “カーボンニュートラル達成に向けて。NTT Comが取り組むGX|JOURNAL(リサーチやレポート)|事業共創で未来を創るOPEN HUB for Smart World”. openhub.ntt.com. 2023年3月3日閲覧。
- ^ Europe Rethinks Its Reliance on Burning Wood for Electricity - The New York Times
- ^ 500名以上の科学者が日本政府に書簡を提出:森林バイオマスを使った発電はカーボンニュートラルではない | FoE Japanブログ:Mobilize - Resist - Transform !
- ^ 【NGO共同声明】大規模な燃料輸入を伴うバイオマス発電は中止すべき(2020年12月3日) | 地球温暖化防止に取り組むNPO/NGO 気候ネットワーク
- ^ カーボンニュートラルに向けた課題-NPO法人 国際環境経済研究所(2021年6月23日閲覧)
- ^ 「実質ゼロ」コスト面で課題。EUは電力単価3~7割上昇-電気新聞(2021年6月23日閲覧)
- ^ a b “薪ストーブは「カーボンニュートラルでSDGs」ではない”. 2022-10--14閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20220722200624/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220723/k10013732011000.html
- ^ “「科学(化学)的に正しい「炭素循環」を我が国が目指す社会の用語とし使おう!」、『化学と工業』、第75巻9月号667頁、日本化学会、2022年9月”. 2022年11月7日閲覧。
- 1 カーボンニュートラルとは
- 2 カーボンニュートラルの概要
- 3 課題
- 4 日本
- 5 関連項目
カーボンニュートラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 00:36 UTC 版)
「ロバート・ウォルターズ・ジャパン」の記事における「カーボンニュートラル」の解説
ロバート・ウォルターズ・グループでは持続可能なビジネスを目指した社会貢献活動の一環としてカーボン・オフセットの取り組みを続けています。その実績として、2015年以降は、英ワールドランドトラストより、グループ事業全体に対して100%カーボンニュートラルの認定を受けている。
※この「カーボンニュートラル」の解説は、「ロバート・ウォルターズ・ジャパン」の解説の一部です。
「カーボンニュートラル」を含む「ロバート・ウォルターズ・ジャパン」の記事については、「ロバート・ウォルターズ・ジャパン」の概要を参照ください。
カーボンニュートラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 22:26 UTC 版)
上記のように、ポリ乳酸が生分解性を持つゆえに環境配慮に優れているという言説は現在では下火になっており、代わりに脚光を浴びているのがカーボンニュートラルという特性である。 ポリ乳酸は植物起源の素材から合成できるバイオプラスチックの一つである。ブドウ糖(グルコース)・砂糖(スクロース)などに乳酸菌を作用させると、その発酵作用により乳酸が得られる。原料となる糖類はジャガイモやトウモロコシなどから得られるデンプンに酵素(アミラーゼなど)を作用させる、あるいはサトウキビなどから抽出することにより大量に得られる。 ポリ乳酸は微生物によって最終的に二酸化炭素(英: carbon dioxide、 CO 2 {\displaystyle {\ce {CO2}}} )へ分解されて大気中に放出されるが、植物は大気中の二酸化炭素を吸収してデンプンを合成しているため、トータルで見て地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の量を増やすことがない。こうした性質は「カーボンニュートラルである」といわれ、現在注目を集めている。 このほか、食料生産と競合する植物に代えて、微生物を用いてポリ乳酸を生産することが試みられている。2019年には大林組がCO2資源化研究所と共同でポリ乳酸の実用化検討を進めることを発表した。これはCO2資源化研究所が保有する水素細菌を利用するもので、再生可能エネルギーから製造した水素と二酸化炭素を与えて乳酸を生合成させ、これを原料としてポリ乳酸を生産する。建設業は土嚢や養生シートなどの形で世界のプラスチック需要の16%を使用する大規模需要者であり、これを微生物由来のポリ乳酸プラスチックで置き換えることで食料と競合することなく脱石油化を目指している。 ただし、ポリ乳酸を合成するためにはある程度のエネルギーを必要とし、そのエネルギーは石油など化石燃料由来であることも多い。このためポリ乳酸を真の意味でカーボンニュートラルと呼んでよいかについては議論があり、カーボンニュートラルを考慮してもポリスチレンに比べて排出される二酸化炭素が多いとの見方も存在する。
※この「カーボンニュートラル」の解説は、「ポリ乳酸」の解説の一部です。
「カーボンニュートラル」を含む「ポリ乳酸」の記事については、「ポリ乳酸」の概要を参照ください。
カーボンニュートラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:43 UTC 版)
「バイオマスエタノール」の記事における「カーボンニュートラル」の解説
バイオマスエタノールの原料を生産するためには、農業機械を動かし、肥料や農薬を投入しなければならない。また、原料からエタノールを生産する際にもエネルギーが必要である。仮にこうした投入資源やエネルギーの相当量が原油や石炭などの化石燃料に由来する場合、バイオマスエタノール自体はカーボンニュートラルであっても、生産から消費までの全ての過程を通じてみれば追加的なCO2が放出されている可能性は否定できない。そのため、バイオエタノールの生産方法別によるライフサイクルCO2によって評価をする必要がある。
※この「カーボンニュートラル」の解説は、「バイオマスエタノール」の解説の一部です。
「カーボンニュートラル」を含む「バイオマスエタノール」の記事については、「バイオマスエタノール」の概要を参照ください。
カーボンニュートラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 07:45 UTC 版)
化石燃料と異なり、藻類の培養の過程でCO2を吸収しているため、燃焼時と差し引きゼロでカーボンニュートラル扱いとされており、再生可能なエネルギー資源として、二酸化炭素排出量の抑制につながることが期待されている。 燃料として燃焼された時に全て吸収された二酸化炭素は再度放出されてしまうため、大気中の二酸化炭素を減少させるというものではない。しかしながら化石燃料の燃焼により新規に二酸化炭素が放出されるのをそれにとってかわることで潜在的には減少させることになるといえる。
※この「カーボンニュートラル」の解説は、「微細藻燃料」の解説の一部です。
「カーボンニュートラル」を含む「微細藻燃料」の記事については、「微細藻燃料」の概要を参照ください。
カーボン・ニュートラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 07:58 UTC 版)
「カーボンオフセット」の記事における「カーボン・ニュートラル」の解説
※この「カーボン・ニュートラル」の解説は、「カーボンオフセット」の解説の一部です。
「カーボン・ニュートラル」を含む「カーボンオフセット」の記事については、「カーボンオフセット」の概要を参照ください。
「カーボンニュートラル」の例文・使い方・用例・文例
- 完全にカーボンニュートラルな家
カーボン‐ニュートラルと同じ種類の言葉
- カーボン‐ニュートラルのページへのリンク