カンヌ国際映画祭 審査員賞
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カンヌ国際映画祭 審査員賞(カンヌこくさいえいがさい しんさいんしょう、仏: Prix du jury)は、カンヌ国際映画祭の賞である。
1946年に「国際審査員賞(仏: Prix du Jury International、英: International Jury Prize)」が1回限りで授与された[1]。1951年からは副賞として「審査員特別賞(仏: Prix spécial du Jury、英: Special Jury Prize)」が授与された。1967年から現在までは「審査員賞(仏: Prix du Jury、英: Jury Prize)」の名称で授与されている。審査員賞は1970年代に6回、1980年代に3回、2000年代に1回だけ授与されていない。また、1995年と1996年には審査員賞と第2席賞のグランプリとは別に「審査員特別賞」が授与された[2][3]。
受賞作品
| 開催年 |
|
監督 | 国 | 賞名 |
|---|---|---|---|---|
| 1946年 | 鉄路の闘い La Battaille du Rail |
ルネ・クレマン | 国際審査員賞 | |
| 1947年 - 1949年 | 受賞なし | |||
| 1951年 | イヴの総て All About Eve |
ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ | 審査員特別賞 | |
| 1952年 | われわれはみな暗殺者 Nous sommes tous des assassins |
アンドレ・カイヤット | ||
| 1953年 | 受賞なし | |||
| 1954年 | しのび逢い Knave of Hearts |
ルネ・クレマン | 審査員特別賞 | |
| 1955年 | 失われた大陸 Continente Perduto |
レオナルド・ボンツィ エンリコ・グラース マリオ・クラヴェリ |
||
| 1956年 | ミステリアス・ピカソ 天才の秘密 Le mystère Picasso |
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー | ||
| 1957年 | 地下水道 Kanał |
アンジェイ・ワイダ | ||
| 第七の封印 Det sjunde inseglet |
イングマール・ベルイマン | |||
| 1958年 | ぼくの伯父さん Mon Oncle |
ジャック・タチ | ||
| 1959年 | Sterne | コンラート・ヴォルフ | ||
| 1960年 | 情事 L'Avventura |
ミケランジェロ・アントニオーニ | 審査員賞(Jury Prize)[4] | |
| 鍵 | 市川崑 | |||
| 1961年 | 尼僧ヨアンナ Matka Joanna od aniolów |
イエジー・カヴァレロヴィッチ | 審査員特別賞 | |
| 1962年 | ジャンヌ・ダルク裁判 Procès de Jeanne d'Arc |
ロベール・ブレッソン | ||
| 太陽はひとりぼっち L'Eclipse |
ミケランジェロ・アントニオーニ | |||
| 1963年 | 猫に裁かれる人たち Az prijde kocour |
ヴォイチェフ・ヤスニー | ||
| 切腹 | 小林正樹 | |||
| 1964年 | 砂の女 | 勅使河原宏 | ||
| 1965年 | 怪談 | 小林正樹 | ||
| 1966年 | アルフィー Alfie |
ルイス・ギルバート | ||
| 1968年 | 五月革命で中止 | |||
| 1969年 | イージー・ライダー Easy rider |
デニス・ホッパー | 新人監督賞 | |
| Z Z |
コスタ=ガヴラス | 審査員賞 | ||
| 1970年 | Magasiskola | イシュトヴァン・ガル | ||
| いちご白書 The Strawberry Statement |
スチュアート・ハグマン | |||
| 1971年 | Szerelem (Love) | カーロイ・マック | ||
| 愛とさすらいの青春/ジョー・ヒル Joe Hill |
ボー・ヴィーデルベリ | |||
| 1972年 | スローターハウス5 Slaughterhouse-Five |
ジョージ・ロイ・ヒル | ||
| 1973年 | 砂時計 Sanatorium pod Klepsydrą |
ヴォイチェフ・イエジー・ハス | ||
| L'Invitation | クロード・ゴレッタ | |||
| 1974年 - 1976年 | 受賞なし | |||
| 1977年 | デュエリスト/決闘者 The Duelists |
リドリー・スコット | 新人監督賞 | |
| 1978年 - 1979年 | 受賞なし | |||
| 1980年 | コンスタンス Constans |
クシシュトフ・ザヌーシ | 審査員賞 | |
| 1981年 - 1982年 | 受賞なし | |||
| 1983年 | Kharij | ムリナール・セーン | 審査員賞 | |
| 1984年 | 受賞なし | |||
| 1985年 | 連隊長レドル Redl ezredes |
イシュトヴァン・サボー | 審査員賞 | |
| 1986年 | テレーズ Thérèse |
アラン・カヴァリエ | ||
| 1987年 | ひかり Yeelen |
スレイマン・シセ | ||
| 親鸞 白い道 | 三國連太郎 | |||
| 1988年 | 殺人に関する短いフィルム Krótki film o zabijaniu |
クシシュトフ・キェシロフスキ | ||
| 1989年 | モントリオールのジーザス Jésus de Montréal |
ドゥニ・アルカン | ||
| 1990年 | ブラック・アジェンダ/隠された真相 Hidden Agenda |
ケン・ローチ | ||
| 1991年 | ヨーロッパ Europe |
ラース・フォン・トリアー | ||
| 無防備都市/ベイルートからの証言 Hors la vie |
マルーン・バグダディ | |||
| 1992年 | マルメロの陽光 El Sol del Membrillo |
ヴィクトル・エリセ | ||
| ひとりで生きる Самостоятельная жизнь |
ヴィターリー・カネフスキー | |||
| 1993年 | 戯夢人生 戲夢人生 |
侯孝賢 | ||
| レイニング・ストーンズ Raining Stones |
ケン・ローチ | |||
| 1994年 | 王妃マルゴ La Reine Margot |
パトリス・シェロー | ||
| 1995年 | N'oublie pas que tu vas mourir | グザヴィエ・ボーヴォワ | ||
| キャリントン Carrington |
クリストファー・ハンプトン | 審査員特別賞 | ||
| 1996年 | クラッシュ Crash |
デヴィッド・クローネンバーグ | ||
| 1997年 | ニノの空 Western |
マニュエル・ポワリエ | 審査員賞 | |
| 1998年 | ニコラ Class Trip |
クロード・ミレール | ||
| セレブレーション Festen |
トマス・ヴィンターベア | |||
| 1999年 | クレーヴの奥方 A Carta |
マノエル・デ・オリヴェイラ | ||
| 2000年 | 散歩する惑星 Sånger Från Andra Våningen |
ロイ・アンダーソン | ||
| ブラックボード 背負う人 تخته سیاه |
サミラ・マフマルバフ | |||
| 2001年 | 受賞なし | |||
| 2002年 | D.I. يد إلهية |
エリア・スレイマン | 審査員賞 | |
| 2003年 | 午後の五時 Panj é asr |
サミラ・マフマルバフ | ||
| 2004年 | トロピカル・マラディ สัตว์ประหลาด |
アピチャートポン・ウィーラセータクン | ||
| 『レディ・キラーズ』のイルマ・P・ホールの演技に対して[5] | ||||
| 2005年 | シャンハイ・ドリームズ 青红 |
王小帥 | ||
| 2006年 | Red Road | アンドレア・アーノルド | ||
| 2007年 | 静かな光 Luz silenciosa |
カルロス・レイガダス | ||
| ペルセポリス Persepolis |
マルジャン・サトラピ ヴァンサン・パロノー |
|||
| 2008年 | イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男 Il Divo |
パオロ・ソレンティーノ | ||
| 『チェンジリング』のクリント・イーストウッドに対して | 61回記念特別賞[6] | |||
| 『クリスマス・ストーリー』のカトリーヌ・ドヌーヴに対して | ||||
| 2009年 | 渇き 박쥐 |
パク・チャヌク | 審査員賞 | |
| フィッシュ・タンク Fish Tank |
アンドレア・アーノルド | |||
| 『風にそよぐ草』のアラン・レネのキャリア全体と映画史への貢献に対して | 特別功労賞[7] | |||
| 2010年 | 終わりなき叫び Un Homme qui crie |
マハマト=サレ・ハルーン | 審査員賞 | |
| 2011年 | パリ警視庁:未成年保護部隊 Polisse |
マイウェン | ||
| 2012年 | 天使の分け前 The Angels' Share |
ケン・ローチ | ||
| 2013年 | そして父になる | 是枝裕和 | ||
| 2014年 | Mommy/マミー Mommy |
グザヴィエ・ドラン | ||
| さらば、愛の言葉よ Adieu au Langage |
ジャン=リュック・ゴダール | |||
| 2015年 | ロブスター The Lobster |
ヨルゴス・ランティモス | ||
| 2016年 | アメリカン・ハニー American Honey |
アンドレア・アーノルド | ||
| 2017年 | ラブレス Нелюбовь |
アンドレイ・ズビャギンツェフ | ||
| 2018年 | 存在のない子供たち Capenaum |
ナディーン・ラバキー | ||
| 2019年 | バクラウ 地図から消された村 Bacarau |
クレベール・メンドンサ・フィリオ ジュリアーノ・ドルネレス |
||
| レ・ミゼラブル Les misérables |
ラジ・リ | |||
| 2020年 | 新型コロナウイルス感染症の世界的流行で中止 | |||
| 2021年 | アヘドの膝 הַבֶּרֶךְ |
ナダヴ・ラピド | 審査員賞 | |
| MEMORIA メモリア Memoria |
アピチャートポン・ウィーラセータクン | |||
| 2022年 | EO イーオー Io |
イエジー・スコリモフスキ | ||
| 帰れない山 Le otto montagne |
フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン シャルロッテ・ファンデルメールシュ |
|||
| 2023年 | 枯れ葉 Kuolleet lehdet |
アキ・カウリスマキ | ||
| 2024年 | エミリア・ペレス Emilia Pérez |
ジャック・オーディアール | ||
| 2025年 | Sirāt |
Oliver Laxe | ||
| Sound of Falling In die Sonne schauen |
Mascha Schilinski | |||
脚注
- ^ “Awards 1946 : All Awards (archived)”. festival-cannes.fr. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月8日閲覧。
- ^ “Awards 1995 : All Awards (archived)”. festival-cannes.fr. 2015年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月8日閲覧。
- ^ “Awards 1996 : All Awards (archived)”. festival-cannes.fr. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月8日閲覧。
- ^ “Awards 1960”. festival-cannes.fr. 2021年4月8日閲覧。
- ^ “Awards 2004”. festival-cannes.fr. 2021年4月8日閲覧。
- ^ “Tout le Palmarès”. festival-cannes.fr. 2021年10月27日閲覧。
- ^ “Le Prix exceptionnel du Festival de Cannes : Alain Resnais, le réalisateur des "Herbes Folles"”. festival-cannes.fr. 2021年10月27日閲覧。
関連事項
外部リンク
「カンヌ国際映画祭 審査員賞」の例文・使い方・用例・文例
- カンヌ国際映画祭という,映画のコンクール
- 今年のカンヌ国際映画祭では,この映画の20分のダイジェスト版が上映され,拍手喝(かっ)采(さい)を浴びた。
- 東京都の中学3年生,柳(やぎ)楽(ら)優(ゆう)弥(や)さんが,第57回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したのだ。
- 5月27日の夜,フランスのカンヌで行われた第60回カンヌ国際映画祭の閉幕式でその発表は行われた。
- 1997年には,初めての劇場用映画「萌(もえ)の朱(す)雀(ざく)」がカンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)を受賞した。
- 彼女の映画「殯(もがり)の森」は5月にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。
- 是(これ)枝(えだ)監督の映画がカンヌで審査員賞を受賞
- 是(これ)枝(えだ)裕(ひろ)和(かず)さんが監督した「そして父になる」が審査員賞を受賞した。
- 前回は1987年に三(み)國(くに)連(れん)太(た)郎(ろう)監督の「親(しん)鸞(らん) 白い道」が審査員賞を受賞したときだ。
- この映画はエキュメニカル審査員賞も受賞した。
- 2008年,黒沢監督は「トウキョウソナタ」で同部門の審査員賞を受賞している。
- カンヌ国際映画祭審査員賞のページへのリンク
