アメリカの大学で行われるストリーキング行事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 05:03 UTC 版)
「ストリーキング (パフォーマンス)」の記事における「アメリカの大学で行われるストリーキング行事」の解説
これまでに、膨大な数のアメリカ合衆国の大学生たちによってストリーキングの行事が行われてきた。 ストリーキングの記録の中で、最も古いのは、1804年に現在のワシントン・アンド・リー大学の3年生ジョージ・ウイリアム・クランプ(男性)が、バージニア州レキシントンの大学キャンパスを性器を丸出しにした全裸で疾走し逮捕されたものである。クランプは大学で留年することになったが、後にアメリカの国会議員やチリの駐在大使を務めた。 1973年12月のタイム誌は、ストリーキングを「ロサンゼルス界隈の大学生を虜にしつつある流行」と評した。またその記事に対して、「ここだけの話、実は、過去20年間、ストリーキングは、ノートルダム大学の大学警察を悩まし続けてきていたのです。さらに、ノートルダム大学のストリーキングのグループが、1972年に行われたストリーキング・オリンピックを提案したのです」という情報提供がなされた。 1974年3月7日、ジョージア大学で1549人が参加するという最大規模のストリーキングが敢行された。この記録に続き、コロラド大学ボールダー校では1200人が、メリーランド大学では、1974年3月に553人の裸の学生が3マイルに渡ってストリーキングを行った。南カリフォルニア大学では508人がストリーキング行為に及んだ。さらに1974年、アースキン大学では、全学生の1/4に当たる600人の学生がストリーキングをやり遂げ、「最高の参加率を誇るストリーキング」を名乗った。 期末試験の最終日前夜、ハーバード大学では、学部生たちによる「産声(Primal Scream)」が行われる。学生は男女を問わず衣服を脱ぎ、ハーバードヤードを2周する。中にはパンティーを着用する人もいた。2学期制のハーバード大学では、この行事が年2回開催されるわけだが、その1回は極寒を誇るニューイングランド地方の冬に行われることになる。参加者の中にはケープやマスクを身につけるものもいるが、性器は丸出しのままである。ストリーキングが行われる周辺は見物者で埋め尽くされ、開始前には楽隊の演奏が群集を盛り上げる。 プリンストン大学にも、長いストリーキングの伝統が存在してきた。1970年に起こったストリーキング事件は、悪ふざけの手段として行動に移されただけであったのだが、やがてそれが2年生たちの伝統行事になっていき、行事の決まりがまとめられるまでに至った。1990年代までにその伝統が廃れてくるのと同時に、大学本部もその伝統に対して寛容ではなくなっていった。そして1999年の末に、理事会は「危険であり、また外部の人間の関与が大きすぎる」として行事の参加を禁じた。 1983年、シカゴ大学のストリーキングは、学生たちが冬の憂鬱な気分を振り払うために、冬季学園祭に行われる年に1度の伝統行事となった。この行事には、参加者を越える見物人が集まる。 1986年、ミシガン大学の「裸の1マイル(Naked Mile)」では、授業の最終日に、大学構内の道を約1マイルにわたる集団ストリーキングを実施した。1990年終わりには最盛期を迎え、500~800人の学生が参加していた。しかしながら法律の施行や、見物人が増加し、ビデオ撮影の横行などにより、2001年の参加者は24人にまで落ち込んだ。 カリフォルニア大学サンタクルーズ校では、「最初の雨(First Rain)」という名で知られている秋の伝統行事が行われている。例年10月頃、秋になって最初の雨の日に、ポーターカレッジの学生が大学構内を裸で走り抜ける行事である。パンティーを着用して参加する人もいる。 ダートマス大学には、ストリーキングに関連する2つの挑戦がある。レッドヤード・チャレンジとブルーライト・チャレンジである。前者はコネチカット川を裸で泳ぎ、橋を裸で渡って帰って来る挑戦である。後者は裸のままで大学にあるすべての緊急電話の警報機のボタンを押してくる挑戦である。現在大学には、「木曜の夜にストリーキングをする会」が存在しており、様々な行事や色々な場所でストリーキングを行っている。 バージニア大学では、学生たちが裸のままで校庭にある「円形の建物」の階段から「740歩の芝生」を駆け下り、ホメロスの像の臀部にキスをした後、再び芝生を駆け上がり、ようやく服を取り戻すという伝統行事が行われている。1996年には、警察がこの行事に対して厳重な取締りを行ったことに対する抗議運動としての「集団ストリーキング」が敢行された。 スワースモア大学での男女ラグビーチームは、セメスター毎に「金のために走れ(Dash for Cash)」という名で知られている資金集めの行事を開催する。そこでは、部員たちは大学本部がある建物の中を裸で走りぬける。そのとき、見物人たちは金を持ってくることになっている。部員たちは見物人の前を走り抜ける際に、その手の中にある金を掴み取る。この行事のために「金を持ってこい。じゃなければ、おまえは変質者だ」という大規模な宣伝が展開されているわけだが、この行事の見物人は、偶然そこに居合わせたということになっている。 モナシュ大学は、大酒飲み大会が開催される週である「緑週間」にストリーキングが行われることで知られている。2004年、「チームナイン」と「ビアパイレーツ」のメンバーが「ヌーダミッド」を披露した。それは裸で組体操のピラミッドを完成させ、最上段の人間がホースで樽からビールを飲むという荒業に挑戦した。しかし、ピラミッドはすぐに崩壊してしまった。
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